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インナーマッスルとアウターマッスルの違いと特徴!効果的な鍛え方を解説

筋肉の種類は、大きく区分するとインナーマッスル・アウターマッスルがあります。
インナーマッスルとアウターマッスルを比較した場合、果たしてどちらを鍛えるほうが効果的なのでしょうか。
結論を言ってしまえば、双方とも人体には欠かせない存在で、生活上大切な働きをしています。
どちらの筋肉も、鍛える意識が必要なのです。
どうしても筋肉と耳にすれば、表層上に見えるアウターマッスル(表層筋)を思い浮かべてしまいます。
しかし、人体の奥深い深層では、インナーマッスル(深層筋)も重要な働きをし続けているのです。
主に走る瞬間や、重いものを持ち上げるといった大きな力を発動させる際はアウターマッスルが利用され、姿勢の維持、関節動作の安定といった役割を果たすのがインナーマッスルとされています。
本記事は、インナーマッスル・アウターマッスルのそれぞれの違いや特徴、トレーニングの際の効果的な鍛え方にスポットを当てた内容です。
トレーニングに興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
インナーマッスルとアウターマッスルの違いと特徴!効果的な鍛え方を解説

目次
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インナーマッスルとアウターマッスルの違いは

とくに近年では、インナーマッスルの存在が広く知られるようになりました。
メディアなどでも特集が組まれて、主な鍛え方や関連商品が目立っています。
アスリートの多くが、「上半身のインナーマッスルは重要だ」と公言するシーンなどを見かけることがあるはずです。
アウターマッスルを他所に、なぜそれほどインナーマッスルが注目されるのか、本当の理由が知りたくなることでしょう。
また、本当はどちらを鍛えるほうが、身体にとって効果的なのかも悩みどころです。
ここでは、インナーマッスルとアウターマッスルの根本的な違いについて解説していきます。

1-1インナーマッスルとは深層筋を指す

簡単に言えば、インナーマッスルとは文字通りです。
人体の内側の深い部分にある筋肉の総称として認知されてきました。
特定の筋肉だけを指すのではなく、身体の深層部にある筋肉の全体を指しています。
また、インナーマッスルの場合、体積がアウターマッスルよりも小さいのが特徴です。
例えば、関節の構造を補強している周囲の靭帯のように、細かい各部位の持続的な働きを促すことが役目とされています。
発動力や運動そのものは小さいのですが、関節の動きを微修正して姿勢を保つことや、バランスを取るための筋肉です。
インナーマッスルの別名は、「姿勢保持筋」とも呼ばれています。
インナーマッスルを鍛えれば、関節周辺の動きを滑らかにできるので、スポーツ界などで注目されるようになりました。
正確なフォームを作り、調整する際に機能してくれます。
また、関節痛などの痛みの緩和・解消のためにも注目され始めました。
手術後のリハビリなどでは、インナーマッスルのトレーニングをおこないます。
アウターマッスルのように、鍛えればその効果が目に見えて分かるのとは対称的で、一見しただけでは判断しにくいのも特徴でしょう。
そのため、地道にトレーニングすることになります。

1-2アウターマッスルとは表層筋を指す

アウターマッスルとは、目で見える箇所の各筋肉を指します。
三角筋や大胸筋といった、確認できる身体の表面部分にある筋肉です。
意識を集中させれば動かすことができる「随意筋(ずいいきん)」とも呼ばれています。
そのため、意識しながら鍛えやすいのが特徴です。
身体を大胆に動かす時、大きな力を発揮しながら関節を動かすことができます。
とくに、骨を守る重要な役割を持っている筋肉といえるでしょう。
トレーニングマシンやダンベルといった負荷の高いウエイトトレーニングでは、主にアウターマッスルを中心とした鍛え方が定番となっています。

インナーマッスルの特徴や役割は

よくトップアスリートのトレーニング風景などをメディアで見かけた場合、ゴム製のチューブを使っている場面が写っていることがあります。
何をしているのか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
実は、インナーマッスルを中心に鍛えるためにおこなっています。
ダンベルやバーベルでのトレーニングと違って、弱い負荷をゆっくりかけることでインナーマッスルは効果を発揮するからです。

2-1インナーマッスルの特徴は

インナーマッスルとは、筋肉の中でも表面に出ることがなく、深層部に位置しています。
主に関節の動きを滑らかにする靭帯などが代表的で、体のバランス維持に必要です。
そのため、トレーニング方法もアウターマッスルとは違って、ゆっくりとした動作を反復させるメニューが主流となっています。
もし、瞬発的に早くおこなうと、アウターマッスルのほうが反応してしまうので、インナーマッスルを鍛えられなくなります。
インナーマッスルの鍛え方は難しいといった考えが定説です。
弱い負荷を加えゆっくりと、毎日の地道な積み重ねで習慣にするのが正しい鍛え方とされています。

2-2インナーマッスルの役割は

インナーマッスルは、体の安定性向上、痛みや不調の予防をする役割です。
インナーマッスルのトレーニングでは、脂肪をエネルギー源とするため、ダイエット効果が期待できるとされています。
他にも、以下のような役割をする筋肉です。

● 姿勢維持と調整をする
● 関節を正常値に安定させる
● 反射神経を発動させる

インナーマッスルは身体の姿勢と関係し、正しい位置に関節を固定し保てるのも、インナーマッスルのおかげです。
数多くある関節の間を繋ぎ止めて固定する役目があります。
しかも、ぎこちない動きがないように滑らかでスムーズに動作できるのもインナーマッスルのおかげです。
また、外部の刺激などから身を守る反射神経に準じて、動作が連動できるのもインナーマッスルが作用しています。
インナーマッスルは、日常生活での動作にも関連した重要な筋肉です。

アウターマッスルの特徴や役割は

人体の表層にあって、大胸筋・大殿筋・大腿四頭筋といった比較的大きく目立つ筋肉のことをアウターマッスルと呼びます。
ウエイトトレーニングなどで鍛える事が多い、筋肉の代表格的存在です。
他には、どのような特徴や役割があるのかを解説していきましょう。

3-1アウターマッスルの特徴は

胸の大胸筋、太ももの大腿四頭筋、お尻の大殿筋(だいでんきん)といった、表層部にある大きな筋肉がアウターマッスルです。
アウターマッスルの場合、自分の意志で動かせる筋肉ともされています。
スポーツでパワーを発揮する場合や日常生活での作業ができるのは、アウターマッスルの働きによるものでしょう。
アウターマッスルこそ、身体を動かすために発動する筋肉です。
ウエイトトレーニングやマシントレーニングなどの筋トレで鍛えることができて、見た目でも変化した様子がわかります。
目に見えて効果を実感できるため、モチベーションを維持しやすいことも特徴の一つです。

3-2アウターマッスルの役割は

アウターマッスルの役割は、身体を自由に動かすために欠かせないことです。
速い動作や大きな力を出すといった状態で使われます。
ただし持久力がないため、長時間動かして維持するのには不向きです。
重いものを持てない、あるいは速く走れないといった諸問題があれば、アウターマッスルが弱っている証拠といえるでしょう。
他にも、外部の衝撃から骨を守る役割があります。
そのため、アウターマッスルの鍛え方次第で、事故やケガの防止にもなるでしょう。

インナーマッスルの効果的な鍛え方は

インナーマッスルは、アウターマッスルと違って表面上に出てこない筋肉のため、鍛えても効果を実感できない欠点があります。
例えば、腹部の筋肉には腹直筋、外・内腹斜筋、腹横筋があり、最も深層部にあるのが腹横筋です。
腹横筋とは、背骨を安定させる役割を担っています。
腹横筋を鍛えれば、安定した体幹を作ることにもつながるのです。
そのためには、インナーマッスルに効き目のある特化した鍛え方をする必要があります。
では、具体的にどのようなインナーマッスルの鍛え方があるのでしょうか。

4-1プランク

代表的なインナーマッスルの鍛え方として、プランクは知れ渡っています。
方法はとても簡単でシンプルですが、やってみると意外にもきつく、トレーニングをした実感が湧くでしょう。

  1. 床に肘をつく(肘が痛い場合はタオルやマットなど敷く)
  2. 腹を引っ込めながらつま先をつき、頭から背骨が一直線になるようキープ
  3. 30秒×3セットでおこなう(慣れてきたら15秒ずつ増やす)
  4. 息をとめず自然な呼吸を続ける(お尻が上がらないよう注意)

4-2ウィールバロウ

ウィールバロウは、少しだけ動きをつけておこなう鍛え方です。
やや、腕立て伏せに似た動作ですので、これも慣れればシンプルにおこなえます。

  1. 両手の手のひらと両膝を床につけた姿勢にする
  2. 肘が曲がらないように地面につける
  3. 頭からお尻まで背骨が一直線になるよう体をセットする
  4. 腹を引っ込めたまま左右のどちらか手を前方に押し出す
  5. 姿勢を変えずに、1のポジションへ手を戻す
  6. もう片方の手も同じ動作を繰り返す

最初は左右交互におこなうほうが楽ですが、次第に慣れてきたら両手を同時におこなうようにするとさらに効果的です。

4-3バードドッグ

バードドッグは、背中にある多裂筋を鍛える方法です。
背骨をしっかり支える姿勢の維持に役立ちます。
腕と脚を交互に持ち上げて、そのままキープするだけの地味な鍛え方ですが、これも意外とやってみるときつく感じるはずです。

  1. 床に両膝と両手をつき四つ這いの姿勢をとる
  2. 左手と右足を平行に上げる
  3. そのまま10秒キープする
  4. 元の姿勢に戻って反対側の腕と脚も同様におこなう

トレーニング時間のめやすとしては1.5分を1セットにし、10回1セットを3セットやることからスタートしてみましょう。

アウターマッスルの効果的な鍛え方は

アウターマッスルの鍛え方については、かなりポピュラーなのが特徴です。
スポーツジムなどに通えば、ダンベルやバーベルなどの各器具を使用することで、誰でもトレーニングができるでしょう。
また、鍛えれば鍛えるほど、その成果が目に見えて分かり、筋肉量も増えていくのが黙認できます。
ここでは、自宅で簡単にできる、王道的なアウターマッスルの鍛え方を改めて紹介しましょう。

5-1クランチ・シットアップ

昔から知られている腹筋運動です。
鍛え方としては、クランチとシットアップに区分でき、両足を着地した状態でおこなうのがシットアップで、足を上げた状態でおこなうのがクランチとして分けられます。
トレーニングのビギナーは、クランチから始めたほうが馴染みやすいでしょう。

クランチの方法

  1. 仰向けに寝転がる
  2. 脚を上げて膝と股関節を90°に曲げる
  3. 両手を頭におく
  4. 肩甲骨が離れるまで上体を上げる
  5. おへそをのぞき込むように起こし、床に頭が着くギリギリまで戻す
  6. 10回×3セットでおこなう

シットアップの方法

  1. 仰向けに寝転がる
  2. 足裏を床につけたまま膝を曲げる
  3. 両手を頭におく
  4. 頭から肩へ、背中から腰の順に、上体が床と垂直になるまで起こす
  5. 逆の順序で地面に頭が着くギリギリまで戻す
  6. 10回×3セットでおこなう

5-2スクワット

とくに下半身のアウターマッスルを鍛えるのに効果的なのがスクワットです。
スクワットも、シットアップなどと同じようによく知られているトレーニング方法ですが、
下半身の筋肉を使うだけではなく、脂肪燃焼に効果的だとされています。

スクワットのやり方

  1. 脚を腰幅程度にに開いて立つ
  2. つま先は膝と同じ向きにする
  3. 両手を胸の前で組む、もしくはクロスさせる
  4. 股関節から折り曲げ腰を下げていく
  5. 足裏に全体重を乗せ、踏み込みながら元の状態に戻る
  6. 10回×3セットで繰り返す

空気椅子に座るイメージで膝を曲げ、脛(すね)と背中の角度が平行に近くなるよう意識すれば、膝や腰に余計な負担がかからずに済みます。

インナーマッスルとアウターマッスルの割合は

人体は、約400〜650(分類の仕方で違う)の筋肉に覆われています。
種類が相当多いことが伺えるでしょう。
その中での、アウターマッスルとインナーマッスルの比率は気になるところです。
実は、アウターマッスルはすべて覚えられるほど、数が限られています。
以下のようなものがアウターマッスルです。

上半身の主なアウターマッスル
● 僧帽筋
● 広背筋
● 大胸筋
● 腹直筋
● 三角筋
● 上腕二頭筋
● 上腕三頭筋

下半身の主なアウターマッスル
● 大殿筋
● ハムストリングス
● 大腿四頭筋
● 腓腹筋
● 脛骨筋

つまり、これら代表的な大きい筋肉を除いた、残りのほとんどの筋肉がインナーマッスルに該当します。
400以上はある人体の筋肉の中で、インナーマッスルが占める割合は、380以上という圧倒的な多さです。
それだけ、インナーマッスルは、体そのものを支えるために欠かすことのできない筋肉であることが分かります。

インナーマッスルを鍛えるメリットは

前述のように、アウターマッスルへの鍛え方はポピュラーで、頻繁にトレーニングを重ねる人も多いことでしょう。
一方で、インナーマッスルへの注目度は、近年高まってきたばかりで、まだまだトレーニング方法の具体的なものは発展途上な印象です。
できるだけ、インナーマッスルを中心に鍛えることを取り入れたほうが、メリットはさらに多くなります。
では、インナーマッスルを鍛えることで生まれるメリットについて解説しましょう。
インナーマッスルを鍛えるメリットとして、以下の4つが顕著です。

● 姿勢の改善
● パフォーマンスの向上
● 基礎代謝の向上
● ボディランの矯正

7-1姿勢の改善

インナーマッスルを中心に鍛えていくと、徐々に姿勢の改善がみられてきます。
体の深層部分の筋肉として、関節などの微妙な動きをサポートするのが役目です。
中でも、体幹を支えているインナーマッスルもあり、腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群があげられます。
これらは、鍛え方次第で背骨を支える力も強化できるため、姿勢が徐々に正しい位置へと戻っていくからです。
骨盤のゆがみを矯正することもできるでしょう。
そうなれば、疲労が溜まりにくく、かつ美しく自然な姿勢を目指すことができます。

7-2パフォーマンスの向上

インナーマッスルの鍛え方によっては、運動パフォーマンスの向上が期待できます。
インナーマッスルは、主に骨や関節などの主軸をサポートするための筋肉なので、丈夫でしなやかな状態であれば体幹が安定し始め、動作にも敏速に反応ができるでしょう。
アウターマッスルだけを鍛えていても、体幹を鍛えていないと動きが鈍くなることもあります。
鍛え方のポイントは、インナーマッスル・アウターマッスルの両方を並行して鍛え、本来の運動パフォーマンスを蘇らせ、さらに向上させることです。

7-3基礎代謝の向上

インナーマッスルを鍛えれば、基礎代謝が向上します。
エネルギーの消費がよくなることで、余計な脂肪などを燃焼し、太りにくい体質へと生まれ変わる可能性が高まるでしょう。
実際、基礎代謝量は、安静状態でも消費され、呼吸や内臓の動きなどが影響を与えています。
さらに、筋肉の量や活動でも変化し、体幹を鍛えることで効果が期待できるでしょう。
つまり、過度な運動やスポーツをすることなく、エネルギー消費をしやすい体にします。
さらには、免疫力の向上が見込めるのもメリットです。

7-4ボディランの矯正

インナーマッスルの鍛え方が正しければ、ボディラインが整う効果が期待できます。
先述したように、人体のほとんどにはインナーマッスルが張り巡っているので、骨や内臓なども正常なポジションで支えることが可能です。
しっかりと鍛えていけば、重力で内臓などが垂れ下がることも抑制でき、元々の正しい場所でキープできます。
ボディラインを整えることができるのです。

まとめ

インナーマッスルのことが近年騒がれ始めましたが、もちろんアウターマッスルも大事な存在です。
日頃からの鍛え方としては、インナーマッスルもアウターマッスルも公平に意識しながらトレーニングをするように心掛けることが理想といえるでしょう。
アウターマッスルに関しては、スポーツジムやスポーツそのもので鍛えられます。
しかし、インナーマッスルは、どうしても成果が見えにくいデメリットもあり、つい後回しになってしまいがちです。
ただし、インナーマッスルの鍛え方は、特殊で大掛かりなトレーニング器具やマシーンを導入する必要がなく、簡単なアイテムや自分の体の動かし方だけで鍛えることができます。
しかも、酷使して息を切らせるような鍛え方ではなく、ゆっくりと少ない負荷で時間をかける方法ばかりです。
もちろんトレーニングの一種に該当するので、結構きつい運動もあります。
それでも、比較的誰にでもすぐに取り組めるメニューであることは覚えておくとよいでしょう。
今日からでもすぐに開始できますので、興味がある人は早速取り入れて、アウターマッスルの鍛え方と併行しながら、バランスのよい体つくりを目指していきましょう。

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