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筋トレはやりすぎ禁物!筋トレのやりすぎが示す逆効果な体のサイン

筋トレを熱心に続けていくと、次第にその成果を実感できるようになります。
見た目・パフォーマンス・体調などが総合的に変化するので、きっと楽しくなることでしょう。
さらに本格的な筋トレへと段階をあげて取り組みたいと考え始める人がほとんどです。
しかし、そのような時こそ注意が必要で、過度に筋トレをやりすぎるのは逆効果を招いてしまいます。
正しい筋トレは、適度に休息日を挟みながら計画的に進めるからこそ、健全に成果が上がっていくものです。
やりすぎる筋トレは、かえって効果を下げて不調をきたす恐れがあります。
本記事は、筋トレのやりすぎに関する特集です。
筋トレをやりすぎるとどのような状態に陥るのか、逆効果を防ぐ対策など含めて解説していきます。
筋トレはやりすぎ禁物!筋トレのやりすぎが示す逆効果な体のサイン

目次
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筋トレのやりすぎはかえって危険

筋トレを適度に正しくおこなえば健康に良いことは言うまでもありません。
健康的なイメージがあり、見た目で効果も徐々に分かることから、多少きつい運動でも頑張って続ける人もたくさんいます。
しかし、過剰な筋トレのやりすぎは、かえって逆効果につながってしまうのです。
筋トレをやりすぎた場合のデメリットは、免疫力低下・食欲低下・寝つきが悪い・イライラするといった「抑うつ状態」になるとされています。

1-1横紋筋融解症になることがある

横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう) という症状を知っていますか。
これは、筋トレによって筋肉細胞が破壊され、血中に流れ出して引き起こされます。
筋トレの効果は、筋肉細胞をわざと壊して、その回復効果を増大させることで筋肉量アップを成立させるものです。
ところが、稀に破壊された筋肉細胞が腎臓などの臓器に影響を与えてしまいます。
その結果、腎不全の原因にもなることがあり、最悪の場合には死に至ってしまうのです。
また、横紋筋融解症の特徴は、運動不足の人ではなく運動をしている人に起こりやすいとされています。
筋トレの上級者、アスリートこそ注意しなければなりません。

1-2筋トレのやりすぎがかえって病気を併発させる

筋トレは健康的なイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。
東北大学・早稲田大学・九州大学の総合研究チームによる、筋トレと疾病・死亡との関連を追跡研究した結果では、通常、筋トレを適度におこなうことで、総死亡・心血管疾患・がん・糖尿病のリスクが低くなると発表しています。
ところが、同時に発表された内容には、「筋トレの実施時間が週130〜140分を超過してしまった場合、総死亡・心血管疾患・がんのリスクが高くなる」ことも述べているのです。

1-3メンタル面で影響がでることもある

筋トレのやりすぎでの悪影響は、筋肉や体力にだけおよぼすものではありません。
次第に免疫力が低下し感染症にかかりやすく、倦怠感があり意欲が低下します。
すると意味もなくイライラする状態が続いたり、寝付きが悪くなったり、熟睡できないといった症状が起きる場合も考えられるでしょう。
最悪の場合には、抑うつ状態という思わぬメンタル障害に陥ってしまうこともあります。
実は、筋トレのやりすぎは軽視できない状態に発展することもあるため、十分に注意をはらいながら実践しなくてはなりません。
筋トレを始めたばかりの頃は、早く成果を見たい一心で焦りがちになるものです。
つい、オーバーワーク気味になるので、早めの対処をするようにしましょう。

オーバートレーニング症候群と逆効果とは

スポーツをした後に、疲労や筋肉痛などを感じたことはありませんか。
日常活動よりも負荷の大きい運動をした後に、疲労回復と栄養補給休養を十分にしておけば、自然と元の状態や気分に戻れます。
この場合は、一時的なオーバーワークによる反動からくる疲労です。
ところが、オーバートレーニング症候群の場合、慢性的な疲労状態に陥っています。

2-1オーバーワークトレーニング症候群の症状

オーバートレーニング症候群の症状は、徐々に段階を経て進行していきます。
初期では、日常生活には変化はありませんが、競技上で成績低下がみられてくるでしょう。
負荷が大きくなると疲労を感じるようになります。
やがて、軽いトレーニングでも、思うように動かなくなり疲労を感じ続けるのです。
日常生活でも全身倦怠感、睡眠障害、食欲低下、体重減少、集中力低下、血圧上昇などの症状がみられます。
メンタル的にも落ち着きがなくなってしまうでしょう。
せっかく筋トレに夢中になっていたのに、それがかえって体調に不調を引き起こしてしまいます。

2-2オーバートレーニング症候群の早期発見

オーバートレーニング症候群が現れるサインは、筋肉痛や疲労が回復せず、風邪などの感染症にかかりやすく、安静時での血圧が上昇しています。
食欲低下、寝つきが悪くなる、意味もなくイライラし始めるでしょう。
まずは、起床時の心拍数チェックをしてみましょう。
1分間に10拍以上増加していれば疑いがあります。

2-3オーバートレーニング症候群の治療

効果的な治療は、いつものトレーニングを控えて休息をしながら、バランスの良い食事を摂ることです。
その際は、ビタミンB群・ビタミンCを中心に摂取します。
目安としては、起床時の疲労感がなくなるまで休養することが大切です。

筋トレのやりすぎで示すサイン

筋トレで負荷をかければ、普段の日常生活での動作以上の筋力を使うので、翌日に筋肉痛や疲労感が残るのは当たり前なことです。
そのため、無理な筋トレと境目がどこにあるのかはわかりにくいかもしれません。
トレーニングに夢中になればなるほど、気づかず無理をしてしまいがちです。
ここでは、過剰な筋トレに見られる兆候を紹介します。。

3-1筋肉痛が恒常化している

筋トレの後には筋肉痛が起こるものですが、常に筋肉痛がある場合はやりすぎかもしれません。
筋肉痛は筋トレで傷ついた筋繊維を修復する際の炎症反応で、痛みを生み出す物質が生成されます。
筋繊維自体には痛みに反応する神経はなく、周囲を包んで保護する「筋膜」に神経が走っています。
もし常に筋肉痛が続いていれば、筋肉の損傷が長続きして回復が追いついていません。
一旦筋トレを中止して休息を優先にしましょう。

3-2パンプアップが見られない

もし筋トレしてもパンプアップを感じない場合は筋トレのやりすぎです。
パンプアップとは、筋トレ後に筋肉が肥大した状態で、血液やリンパ液などが流れ込まれて一時的に大きくなる状態を指します。
通常なら、筋トレ後にパンプアップした状態になるはずです。
ところが過剰に筋トレをやってしまうと、疲労のほうが勝ってしまい、血液やリンパ液が送られずパンプアップしなくなります。
すでに筋肉が疲れている証拠なので、トレーニングを控えることが大切です。

3-3筋力が低下する

ちょっと不思議に思うかもしれませんが、筋トレのやりすぎによる逆効果で、筋力の低下が起こることがあるのです。
適切な筋トレによって筋繊維の破断と回復が繰り返されます。
その現象によって、筋力は少しずつアップする仕組みです。
ところが、やりすぎている場合、疲労蓄積のほうが上回ってしまい、かえって筋肉のパフォーマンスが落ちてしまいます。
筋トレを続けているにもかかわらず大きくならず、かえって縮んだように感じたら、まずは休息し疲れの回復を待ちましょう。

筋トレのやりすぎに陥る人の特徴とは

筋トレは効果が目に見えることで、筋肉肥大を確認すればするほどモチベーションが向上すると思われます。
やる気が湧いてますますトレーニングにハマっていくことで、習慣化できるのでしょう。
ただし、筋トレのやりすぎでリスクを負わないためには、ハマりすぎる人の特徴を理解して注意することが大切です。

4-1真面目で熱心な人

オーバートレーニング状態に陥る人の特徴は、ものごとに真面目すぎる人です。
真面目に頑張って続けることで、向上するものだと頭から信じ込んでしまい、つい現状の実力以上に無理な負荷をかけすぎてしまいます。
いくら頑張ってもパフォーマンスは伸び悩み、ますます頑張ろうとして、さらにトレーニングに拍車がかかってしまうからです。
最悪の場合、怪我を誘発することがあるので、真面目で熱心な人ほど悪循環に陥りやすいので注意しておこないましょう。
休むこともトレーニングの1つです。

4-2飽きっぽくてせっかちな人

筋トレは継続することで成果が出るものです。
そのためには長いスパンで地道にやっていく意識を持たなければなりません。
性格的に飽きっぽい人やせっかちな人は、筋トレをする際に気をつけてください。
一時的に筋トレへの興味が高まり、つい実力以上の無理をしたくなります。
当人は無意識ですが、脳内ホルモンの一種であるアドレナリンが分泌しやすいタイプです。
別名で「生存本能ホルモン」とも呼ばれています。
アドレナリンは一時的に瞬発力を出しますが、すぐに衰退しはめるホルモンです。
前述した真面目なタイプの人と同じように、一瞬のために必要以上に熱心になりすぎてついオーバーワークに陥ります。
ただこのタイプの人は個人差もありますが、継続する意識が弱いためやがて筋トレ自体に興味をなくして止めてしまう可能性があり、自然と元に戻るでしょう。
むしろ一時的なアドレナリン分泌のせいで過剰なトレーニングをし、ケガをしてしまう恐れのほうがあります。

筋トレのやりすぎでの逆効果を防ぐ注意点は

筋トレのやりすぎは逆効果を招き、筋肉疲労を助長させて思った以上の成果を出さなくなってしまいます。
そのような状態に陥らないためには、普段からどのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここでは、筋トレのやりすぎを防ぐための注意点を紹介します。

5-1筋肉痛の合図を無視しない

正しい筋肉の成長のためには、トレーニングだけをひたすらすればいいわけではありません。
必ず休養も挟んで、筋肉の成長を促すための時間も大切です。
目安となるのが筋肉痛が起きたときでしょう。
筋肉痛は筋肉が傷ついている証拠で、痛みを感じたら休む合図だと思って習慣化することです。
もし筋肉痛を抱えたままトレーニングを続けたら、回復しなくなり、効果的なトレーニングをおこなえないでしょう。
オーバートレーニング症候群に陥る前に、筋肉痛のサインを無視せずしっかりと休養することが重要です。

5-2時間帯やタイミングを考えておこなう

筋トレは、おこなうタイミングや時間帯も大切です。
タイミングとしては、夕方から夜の時間帯を狙うとよいでしょう。
この時間帯というのは、身体が温まり柔軟になっているため効果的です。
起床時や就寝前は効果が出にくくなる可能性があります。
とくに寝る前は、脳を興奮させ睡眠の妨げにもなるからです。
成長ホルモンに悪影響を与えます。
また、空腹時と満腹時は避けるようにしましょう。
空腹のままでは、必要なエネルギーが不足した状態なので、身体がエネルギーを確保しようとして筋肉を分解してしまい逆効果になります。
満腹の場合では、必要な血液が消化器官に集中しているので、消化不良になる原因につながるからです。
生活サイクルは人によって差があるので一概には言い切れませんが、総合すれば、筋トレに最適な時間帯は、食事時間の30分位を空けて、就寝1〜2時間前ぐらいが適当といえます。

5-3鍛える部位は日ごとに変える

筋トレをする部位は、日によって変えるようなメニューを作りましょう。
筋トレの上級者ほど、この意識を持って取り組んでいます。
筋肉の回復に時間がかかることはわかっていても、毎日やらないと実感しないと考える人が多いはずです。
体を大きくするための高頻度の筋トレをしたくても、休息も必要になり、どうやって日々を管理すればいいのかと迷い始めると、つい過度なトレーニングに陥りやすくなります。
そこで、意識的に筋トレを続けたいのであれば、鍛える部位を日ごとに変えながら実践するという方法です。
昨日は足の筋肉を鍛えたので、今日は腕の筋肉だけを鍛えるといったやり方をします。
以前のトレーニングからの回復期間である部位は避けて、他の部位を鍛えることに集中すれば、オーバーワークを予防もできるでしょう。
注意事項は、日替わりで部位に集中することが鉄則なので、他の部位のトレーニングをしたくても絶対にやらないと決める必要性がある点です。
慣れてきたら、部位ごとのトレーニングメニューを組んで、日替わりで効率良く全身を鍛えるようにすると効果的です。

5-4適当な負荷と回数をこころがける

オーバーワークにならないように、負荷を適切に設定しましょう。
厚生労働省 では、ダンベルやバーベルなどを用いる場合、負荷は1回で最大挙上重量の60〜80%に設定することが推奨されています。
もし30kgのバーベルを1回持ち上げるのが限界という人は、18〜24kgのバーベルを使用することです。
また、回数は8〜12回繰り返すことも推奨されています。
重量や回数を意識的に多くしたり重ねたりすると、ケガを招きかねません。
一度負荷を設定した場合は、標準6〜8週間は同じトレーニングをします。
その期間中で違和感があれば、トレーニング内容を見直しましょう。

5-51回は45分程度の短時間で済ませる

筋トレは長くダラダラやらないようにしましょう。
つい長時間かけてやるほうが効果がありそうな誤解を招きますが、トレーニング時間は1時間以下に抑えるほうが効果的です。
長時間のトレーニングをすると、体内のテストステロンというホルモンが減少し、筋肉の成長を妨げてしまいます。
1回45分程度で、短時間集中型のトレーニングを続けるほうが成果が出やすいでしょう。

5-6食事を怠らない

使った筋肉の疲労回復と成長のためには十分な栄養が必要です。
たんぱく質が重要なイメージですが、3大栄養素と呼ばれている脂質や炭水化物も接種するようにしましょう。
脂質や炭水化物が不足すると、エネルギー不足に陥り筋肉が分解され、結果的に筋肉が減少してしまいます。
ポイントは消費カロリーよりも摂取カロリーが上回るような食事をすることです。
ついプロテインやサプリに頼りがちですが、普段の何気ない食事も忘れないようにしましょう。

効果的な筋トレの頻度は

筋トレの効果のためには、自分の体力や運動経験などを考慮しながら、強度と運動量を調整して維持することが大切です。
有酸素運動との組み合わせも忘れてはなりません。
出端、効果的な筋トレの頻度がどれくらいなのかを解説していきましょう。

6-1高齢者の筋トレ頻度

一般的な目安としては、歩行またはそれ以上の身体活動を1日40分以上、歩行数にすれば約6000歩以上の運動がベターです。
有酸素運動・筋力トレ・バランス運動・柔軟運動など多種類の運動を週3日以上で、そのうち筋力トレは週2〜3日くらいがよいとされています。

6-2一般成人の筋トレ頻度

一般成人の目安としては、歩行またはそれ以上の身体活動を1日60分以上、歩行数にすれば約8000歩以上です。
息がはずんで汗をかく程度の運動を、週60分以上続けるのが最適とされています。
筋トレの頻度は週2〜3日がベストです。

6-3子どもの筋トレ頻度

18歳未満の子供の場合は、有酸素運動を1日60分以上おこない、筋肉や骨を強化する身体活動は週3日以上を目安におこなうとよいでしょう。
また、運動時間の長短にかかわらず、座りっぱなしの時間を減らす事も大切です。
中でも、テレビ・DVD・テレビゲーム・スマートフォンの画面を視るスクリーンタイムは極力減らすように心がけることが大切です。

6-4実践にて筋トレの推奨されるペース

オーバーワークにならないためには、1日当たりの回数や週当たりの頻度を増やし過ぎないようにし、適切なペースに則りながら筋トレを続けるように心がけましょう。
平均として筋トレの回数は、10〜15回程度を1セットとします。
それを1〜3セットで、無理のない範囲で実践することが大切です。
披露した筋肉の回復にかかる日数は、2〜3日位が目安になります。
これを基準にして、以前鍛えた同じ部位を再びトレーニングするのなら2〜3日に1回程度、週2〜3回の頻度が適切な頻度となるでしょう。
まずは、このペースを守りながら筋トレを続けてみてください。
その後は個人差もありますので、多少の調整をすればよいでしょう。
ただし、くれぐれも回数や量を増やす際は、極端におこなうことは禁物です。

まとめ

筋トレを続けるタイミングと回数は、多くなればなるほどリスクや課題が生じてくることを知っておきましょう。
適切な栄養摂取、十分な休息なども、トレーニングの回数・強度とともに考えて取り入れることが重要です。
そのため、個々の目標に応じながら筋トレのプランを作成し管理する状況を作るようにしましょう。
中でも、疲労のリカバリーは重要で、ケアを怠ると成果が出にくく、場合によっては思わぬケガを招くからです。
筋トレの時間を保持するためにも、日常生活との折り合いも関係してくることでしょう。
双方を上手に管理するためにも、くれぐれも筋トレのやりすぎは逆効果であることを覚えておくようにしてください。

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