ブリーダーはペットとして販売される犬や猫を繁殖させて、ある程度の年齢まで育てる職業です。近年でも犬と猫のペット需要は衰えないことからブリーダーも依然として必要になっています。
そんなブリーダーは名乗るだけなら特別な資格は必要ありませんが、実力を証明することや信頼を得るためには資格を持っておくことが望ましいものです。
そこで、この記事ではブリーダーの概要や職場などを見ながら名乗ることに相応しい資格について紹介していきます。
ブリーダーになるために、ある程度情報収集されている人もいると思いますが、まずはブリーダーの基本的な部分と、なぜ資格の所持が望まれるかという理由について見ていきます。
ブリーダーは広義では産業動物を含め、動物全般を育てる人を指しますが、日本では専らペットとしての犬と猫を繁殖させる人を指す際に使われてる名称です。
また、ブリーダーの中でも職業として繁殖・育成をしていく者と、一般的な家庭で飼う犬・猫を繁殖させるバックヤードブリーダーに分かれます。バックヤードブリーダーについては許可を得ていない可能性もあるので、問題になることもあります。
預かる犬や猫は、ペットショップ等で販売を目的にすることから、血統書付きの親や需要が高い種類を育てることが多くなるものです。
親を育てながら一定の時期が来ると交尾を行わせて出産までのサポートをしていき、子供が生まれた後はペットショップに出せる年齢になるまで育てていきます。
ブリーダーになる前提として、以前からあるブリーダー関連の会社や団体に所属する場合は問題ありませんが、個人で開業して交配から販売を行う場合は「第一種動物取扱業」に登録する必要があります。
第一種動物取扱業は動物の販売や補完などをする法人・個人が事務所のある都道府県・政令指定都市において申請するもので、申請の条件には以下の要件のいずれかを満たす「動物取扱責任者」を各事務所に一人ずつ置かなければいけません。
このうち獣医師と愛玩動物看護師は国家資格であり、実務経験も最低でも半年間はかかることから個人の開業はすぐにはできません。
ただ、これはあくまで第一種動物取扱業の条件であり、ブリーダー自体は国が定めた規定や資格などは存在しておらず、極端に言えば今すぐにでもブリーダーとしての活動は可能です。
しかし、現実的に考えると資格や実績なしにブリーダーを始めることはあまり推奨されません。ブリーダーは犬や猫に子どもを生ませることから、生半可な知識では出産時の対応ができず、生命を危機に晒すことになり兼ねません。
また、ブリーダーを雇う会社や団体もネットや書籍で知識を得ただけの人を選ぶ可能性はほとんどないと言っていいものです。
そのため、本当の意味でブリーダーになるためにはブリーダーや犬・猫の繁殖に関連した資格を取得して、詳しい知識と実践に活かせるだけの実力があることが望ましいと言われます。
ブリーダーになるために関連する資格取得を考える場合は、資格試験を受けるまでの学習方法について決めなければいけません。
ただ、資格取得者自身の現状から学習できる場というのは限られるので、現在の生活リズムを崩さないような学習方法を選択した方が良いものです。
学べる場として最も環境が整っているのは専門学校で、ブリーダーになる場合は動物系やペットビジネス系の科に入学することになります。
近年は社会人としての生活をしながら通える学校もあるため、仕事・家事と勉強を両立させながら次のステップへ進むことも可能です。
しかし、実際に専門学校に通うとなると、学習に関わるお金はかなり必要であり、学校に通い続けるだけの体力が必要になってきます。便利さがあるのは確かですが、それなりの覚悟をしてやっていくべき選択肢です。
ブリーダー関連の資格があまりなかった頃は現役のブリーダーから指導されることで、次のブリーダーを育てるようにしていました。実際にブリーダーは資格が必須ではないため、実務をこなしながら覚えることも可能ではあります。
しかし、現在ではこの方法を取ることは難しく、仮にブリーダーの知り合いがいて実務が学べたとしても資格取得のための勉強に繋がるかと言われれば難しいものです。
もちろん、実践できる環境があればやっておくに越したことはありませんが、資格と取ることを前提に他の手段と合わせてやっていくことをおすすめします。
通信講座は近年で団体が出しているブリーダー関連の資格も取り扱っており、資格によっては特定の講座を認定して資格試験に直結した勉強もできるものです。
教材が自宅に届くテキストや動画になることから、携帯も可能で、仕事や家事の隙間時間を活用して勉強時間を確保できます。
ブリーダーとして実務経験ができないことに不安を覚える人もいるかもしれませんが、実際に現場で最初から高度なものを要求されることは少ないので、資格取得で知識をしっかり押さえることで、徐々に実践スキルを身に着けていきましょう。
上記の2つの学習するための難易度が高いこともあるので、迷っている場合は通信講座をおすすめします。
ブリーダー関連の資格を取得して、晴れてブリーダーと名乗れるようになった後に働ける職場としては様々な候補があります。
そんな資格取得後の職場の候補とその仕事内容を見ていきます。
先にも書いたようにブリーダーを個人で始めるには最低でも半年以上かかることから最初は既存のブリーダー会社や団体へ就職・所属するのが一般的です。
親の管理は組織の方針に寄りますが、普通にペットとして飼いながら繁殖に適した時期に交配させるというパターンが多く、子供が生まれて育った後は会社・団体が直々に販売したり、ペットショップへ売り出されるものです。
親となる犬・猫の飼育も必要になるので、初めのうちは1年の中で何度も交配から子供をある程度育てる流れを組むことは難しいかもしれませんが、慣れていけばその回数も増えていきます。
また、子犬・子猫が良い環境で育てられれば優良なブリーダーとして認識される可能性もあります。
ブリーダーの取引先でもあるペットショップですが、そこで働く場合もブリーダーの知識は役立つものです。子犬・子猫についてのケア方法についての知識が身に付くことから、販売している幼いペットについても必要なケアを施せます。
また、ブリーダーとの取引の際に話せる人物であれば、ペットショップ側が不利になる事態や悪質なバックヤードブリーダーとの取引を防ぐのも難しくないでしょう。
地元のカルチャーセンターや自宅を教室として、試験までに勉強した方法や実際にブリーダーとして活動を教える講師としての道も選択肢の一つになるものです。
現役ブリーダーから学ぶ形が取りづらい今だからこそ一定の需要が期待できるもので、ブリーダーを目指す人にとっては学ぶ場所の選択肢の一つにできます。
また、講座を資格試験に特化した内容するなど利用者を限定すればブリーダーの実務経験なしでも始めることも可能です。
ブリーダーの向き不向きについて、目指す前提として犬や猫が好きであり、多くの人にその魅力を知って貰いたいという部分は持っている人も多いと思います。
それ以外の部分でブリーダーに向いているのは、忍耐力が強い人です。
親犬や親猫が出産する時はある程度予想はできるものの、実際に生まれてくる時期は完全にわからないもので、子供達が無事に生まれるためには、しっかりと見守らなければいけません。
その間の管理が大変なのはもちろんのこと、最終的には親犬や親猫自身の努力が必要であることから、ブリーダーが助けられない部分があり、苦しむ姿を見るのがブリーダー側にとっても苦しくなることがあります。
そんな環境を繰り返す必要があるので、忍耐力がある人の方が犬や猫達と共に頑張れる人材になるのです。ただ、これは実務経験を重ねる内に身に付けられることでもあるので、最初から持っていなくても問題はありません。
ブリーダーとしての知識や実力を証明できる資格には様々な種類があり、発行する協会によって内容も少しずつ異なるものです。そんなブリーダー関連の資格の中でよく挙げられる5つの民間資格について見ていきます。
犬・猫ペットブリーダー資格は日本生活環境支援協会(JLESA)が発行しており、家庭に出す犬・猫の繁殖やブリーダーとして開業するために必要なことなど、ブリーダーの基礎知識があることを証明する資格です。
基礎の中には開業費用や宣伝方法も個人の開業を見据えた部分も含まれているので、試験勉強の過程で将来的な展望も見据えられます。
受験資格 | なし |
---|---|
受験料 | 10,000円(税込) |
受験申請 | 公式サイトから申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
ペット繁殖インストラクターは日本インストラクター技術協会(JIA)が発行しており、犬・猫の各種に対応した交配法や健康・食事管理など犬・猫の繁殖に必要な知識があることを証明する資格です。
名前に入っているように繁殖についての知識の証明が前面に出ており、ブリーダーとしての就職に役立つものになっています。
受験資格 | なし |
---|---|
受験料 | 10,000円(税込) |
受験申請 | 公式サイトから申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
愛玩動物飼養管理士資格は日本愛玩動物協会が発行しており、「動物の愛護及び管理に関する法律」基づいた知識を得て、ブリーダーとして活動できることを証明する資格です。
一般的に動物愛護法で知られる法律を元にしているので、誠実なブリーダーとして見られる資格になります。
受験資格 | 2級:満15歳以上の者(該当年度の4月1日時点)かつ指定の講座を受講した者 1級:2級の資格を有する者かつ指定の講座を受講した者 |
---|---|
受験料 | 2級:8,000円(講座料金:32,000円) 1級:20,000円(講座料金:34,000円) |
受験申請 | 協会のホームページの各申込から |
受験方法 | 指定の都道府県開場 |
合格基準 | ー |
試験日程 | 春期申込コース:11月第4日曜日 夏期申込コース:2月第4日曜日 |
JCSA 認定「ドッグブリーダー」資格は日本ケンネルカレッジが発行しており、交配から出産までの多くの知識や技術についてマスターしていることを証明する資格です。
専用の講座が指定されており、その講座では実技スクーリングが付いていることから実務についても少し体験できます。
受験資格 | 日本ケンネルカレッジの「ドッグブリーダー養成専門講座」を受講 |
---|---|
受験料 | 108,900円(税込) ※講座から資格取得まで |
受験申請 | 公式ホームページの各申込から |
受験方法 | なし(講座の終了により取得) |
合格基準 | - |
試験日程 | - |
ペット繁殖指導員資格は一般財団法人日本ペット技能検定協会が発行しており、繁殖させるブリーダーとしての高い知識と技術を有することを証明する資格です。
こちらの資格も講座が指定されていますが、環境問題や動物愛護なども含めて幅広く学習できます。
受験資格 | 協会の指定講座を受講する(複数あり) |
---|---|
受験料 | 14,000円(税込) ※受講料は講座ごとに異なる |
受験申請 | 公式ホームページの各申込から |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | - |
試験日程 | 随時開催 |
先に紹介した5つの資格の中で敢えて1つおすすめ資格を選ぶとしたら「犬・猫ペットブリーダー資格」です。
ブリーダーとしての基本を抑えつつ、ブリーダーの個人開業を見据えた知識も試験勉強の過程で身に付けられるのは他の資格にはないメリットと言えます。
また、犬・猫ペットブリーダー資格は受験資格を特に指定していないため、自分に合った教材や講座を選んで勉強を進められるところも良い点です。
もしも犬・猫ペットブリーダー資格の試験勉強の教材選びに迷っている場合は「SARAスクールジャパン」もしくは「諒設計アーキテクトラーニング」がおすすめの講座です。
その理由は二つの通信講座は犬・猫ペットブリーダー資格を発行する日本生活環境支援協会より認定校の証明を受けているからです。
二つの通信講座で用意されているカリキュラムを進めれば試験に対応した勉強ができるだけでなく、通常の受験よりも有利になる部分があります。
SARAスクールジャパンの犬・猫ペットブリーダー資格に関連した勉強ができる講座としては以下の2つのコースがあります。
SARA School JAPAN | ブリーダー基本コース | ブリーダープラチナコース |
---|---|---|
受講料 | 59,800円 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
資格試験 | 公式サイトで各自申込 | 免除(課題提出のみで卒業と同時に犬・猫ペットブリーダー資格とペット繁殖インストラクター資格を取得) |
認定試験受験費用 | 各資格10,000円(税込) | 免除 |
内容としては先に紹介したペット繁殖インストラクター資格の試験でも使える教材とカリキュラムが含まれています(こちらの資格についても協会認定です)。
そして、プラチナコースにある特典として、卒業課題提出のみで犬・猫ペットブリーダー資格とペット繁殖インストラクター資格を取得できるというものがあり、このコースでは本来の試験の受験費用をプラスするだけで試験免除できるというお得なものになっています。
ただし、犬・猫ペットブリーダー資格のみの取得で考えると、ペット繁殖インストラクター資格分の受験費用を払う必要があるため、複数の資格は必要ない場合は基本コースでも十分なものです(その場合は講座とは別に認定試験に申し込む必要があります)。
受講期間は1日30分の勉強で6ヶ月が想定されていますが、勉強時間が確保できれば更に早い取得も可能で、公式の想定では最短2ヶ月取得も可能となっています。
諒設計アーキテクトラーニングの犬・猫ペットブリーダー資格に関連した勉強ができる講座としては以下の2つのコースがあります。
諒設計アーキテクトラーニング | 基本講座 | スペシャル講座 |
---|---|---|
受講料 | 59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
資格試験 | 公式サイトで各自申込 | 免除(課題提出のみで卒業と同時に犬・猫ペットブリーダー資格とペット繁殖インストラクター資格を取得) |
認定試験受験費用 | 各資格10,000円(税込) | 免除 |
講座の概要としてはSARAスクールジャパンと同様になっていますが、使用される教材やカリキュラムは違うものになっています。
認定講座であることは双方変わりないので、公式サイトの情報や資料請求で確認して自分に合うと思う方を選ぶと良いものです。
ペットとしての犬・猫を繁殖させてある程度子犬・子猫を育ててから送り出すブリーダーは個人開業でなければ特に資格は必要ありませんが、実際に働いていくためにはブリーダー関連の資格を所持したほうが望ましい職業になります。
それを踏まえて資格取得を目指すなら通信講座を利用すれば忙しい中でも勉強がしやすく、数ある資格の中で日本生活環境支援協会の「犬・猫ペットブリーダー資格」が将来を見据えた部分も学べることからおすすめです。
そして、その犬・猫ペットブリーダー資格は「SARAスクールジャパン」か「諒設計アーキテクトラーニング」であれば協会認定講座として学びやすいだけでなく、試験免除などの特典を受けられるものです。
ブリーダーとして就職する履歴書に書くためや知識がある証明をしたいと考えている人はぜひ上記の資格と通信講座を検討してみてください。