閉じる
猫の育て方アドバイザー資格

猫の餌入れの選び方!おすすめの高さやひっくり返さない工夫も紹介

愛猫の餌入れ、どのように選んでいますか?床に直置きしている、人間用の食器を使っている、といった声をよく耳にします。実は餌入れの選び方一つで、猫の食事の質が大きく変わってしまうのです。食べこぼしや吐き戻し、さらには関節への負担まで、様々な問題が餌入れと関係しています。本記事では餌入れの正しい選び方から、快適な食事環境作りまでを詳しく解説していきます。
猫の餌入れの選び方!おすすめの高さやひっくり返さない工夫も紹介

目次
猫の育て方アドバイザー資格認定試験はこちら
https://www.nihonsupport.org/petshikaku/cat/

猫の餌入れはなぜ重要?

餌入れは毎日使う大切な道具だからこそ、慎重に選びたいものです。まずは基本的な考え方から見ていきましょう。

1-1猫の健康に影響する

猫は毎日何度も餌入れを使います。朝晩2回の場合でも年間730回を超え、食事環境が悪いと、その分健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。使用頻度が高いものだからこそ、適切な餌入れの選択が大切です。
不適切な餌入れを使用し続けると、食欲低下や体調不良を引き起こす可能性があります。また、猫は非常に敏感な動物で、餌入れに違和感を感じると食事を拒否してしまいます。快適な食事環境を整えることこそ、健康管理の第一歩と言えるのです。

1-2餌入れが適切ではないと…

適切でない餌入れを使用し続けることで、様々な健康問題が発生する可能性があります。まず挙げられるのが、姿勢の悪さによる関節への負担です。床に直置きされた餌入れでは、猫は前かがみの姿勢を強いられ、首や肩に余計な負担がかかります。
また、食道が不自然に曲がることで、食べ物が胃まで届きにくくなり、吐き戻しの原因となることもあります。さらに、不衛生な餌入れを使い続けることで、皮膚炎や口内炎などの感染症リスクも高まります。

猫の適切な餌入れの高さとは

愛猫が快適に食事できる環境を作るうえで、最も重要なポイントが餌入れの高さです。一般的な目安から、年齢による違いまで解説していきます。

2-1餌入れの理想的な高さは5-8cm

成猫の餌入れには、地面から5-8cmの高さが推奨されています。首が地面と平行になる程度の高さが理想的で、顔を下に向けすぎず、食べられる状態を目指します。ただし、これはあくまでも目安であり、実際には猫の体格や好みによって最適な高さは変わってきます。愛猫が食べやすい高さを見つけるために、段ボールなどを使って少しずつ高さを調整しながら探してみるのもよい方法です。

2-2高さが必要な理由

床に直置きされた餌入れから食事をすると、猫は不自然な姿勢を強いられます。猫の食道は口から胃までほぼ直線的に通っているため、頭を下に向けすぎると食道が折れ曲がってしまいます。
これにより、食べ物が胃まで届きにくくなり、吐き戻しの原因となります。また、前傾姿勢では胃が圧迫され、十分な量の食事を摂ることができなくなる可能性もあります。適切な高さの餌入れを使用することで、こうした問題を防ぐことができます。

2-3子猫・成猫・高齢猫での高さの違い

年齢によって最適な餌入れの高さは大きく異なります。子猫は体が小さいため、2-3cm程度の低めの高さから始めることがおすすめです。成長に合わせて徐々に高さを上げていくことで、自然な姿勢での食事が可能になります。
一方、高齢猫は関節の衰えにより、より高めの設定が必要になることがあります。15-20cm程度の高さがあると、負担なく食事ができます。特に関節炎を持つ高齢猫では、適切な高さの調整が重要です。

餌入れの大きさや形の選び方

高さと同様に重要なのが、餌入れの大きさと形状です。猫が快適に食事できる環境づくりには、これらの要素も欠かせません。

3-1猫の顔よりも大きめを選ぶ理由

餌入れのサイズは、猫の顔よりも一回り大きいものを選びましょう。猫は食事の際、ヒゲで周囲の状況を確認しながら食べます。小さすぎる餌入れではヒゲが器に当たってしまい、ストレスを感じる原因となってしまうのです。
また、大きめの餌入れであれば、猫が食べやすい位置を自由に選べます。そのため、より自然な食事が可能になるのもメリットの1つです。目安としては、猫の顔の1.5倍程度の大きさが適していますが、食べ方や性格によって最適なサイズは変わってきます。

3-2適切な深さの目安

餌入れの深さは3-5cm程度が理想的です。浅すぎると食べ物が散らかりやすく、深すぎると食べにくくなってしまいます。猫は舌で食べ物をすくい上げるように食べる習性があるため、適度な深さがあることで食べやすくなります。
特にウェットフードを与える場合は、食べ物が器の底に広がりすぎず、かつ食べやすい深さを保つことが重要です。

3-3こぼれにくい形状の特徴

猫が食べやすく、かつこぼれにくい形状には、いくつかの特徴があります。まず、縁が内側に少し傾斜している形状は、食べ物が外に飛び出るのを防ぎます。
また、底が少し広がっている形状は、安定性が高く倒れにくいという利点があります。さらに、底部が滑り止め加工されている製品は、食事中に餌入れが動きにくく、より快適な食事環境を作ることができます。

素材はどれを選ぶ?

餌入れの素材選びは、衛生面や耐久性、猫の好みに大きく関わってきます。それぞれの特徴を理解し、愛猫に最適な素材を選びましょう。

4-1プラスチック製のメリット・デメリット

軽量で扱いやすいプラスチック製の餌入れは、手頃な価格で入手できる点が魅力です。落としても割れる心配が少なく、カラフルなデザインも豊富です。また、静電気で毛やホコリが付きやすく、定期的な交換が必要です。
洗浄時に熱湯が使えないため、完全な殺菌が難しいという課題もあります。多頭飼いの場合は複数個必要になることも多いため、初期費用を抑えられる点は大きなメリットです。
しかし、傷がつきやすく、その傷に細菌が繁殖しやすいという欠点があります。特に子猫用の餌入れとして、成長に合わせて買い替えが必要な時期には最適でしょう。また猫の爪で表面が削られやすく、マイクロプラスチックが餌に混入する可能性も指摘されているため、定期的な状態確認が必要です。

4-2ステンレス製のメリット・デメリット

衛生面で優れているステンレス製の餌入れは、耐久性が高く長期間使用できます。熱湯消毒が可能で、傷もつきにくいため清潔な状態を保ちやすいです。食洗機での洗浄も可能で、日々の手入れが簡単なことも特徴です。二重構造になっているタイプは保温性も高く、食事時間が長い猫にも適しています。
しかし、金属特有のにおいや光の反射が苦手な猫も多く、敬遠される傾向にあります。また、冬場は冷たくなりやすく、食欲低下を招くことがあります。
軽量なタイプは食事中に動きやすいため、重みのあるものを選びましょう。また床に落とした際に大きな音が出るため、臆病な猫が警戒してしまう可能性も考えられます。表面のざらつきがある製品は避け、なめらかな仕上がりのものがおすすめです。

4-3陶器製のメリット・デメリット

陶器製の餌入れは、適度な重みがあり安定性に優れています。表面が滑らかで清掃しやすく、においが付きにくいという特徴があります。また、見た目の美しさから、インテリアとしても人気です。
さらに和風の雰囲気のある製品も多く、食器としての高級感も魅力の一つです。磁器と比べるとやや吸水性がありますが、それにより餌の温度変化を緩やかにする効果も期待できます。底面にすべり止めが付いている製品も多く、食事中の移動を防ぐ工夫がされています。また、電子レンジでの加熱も可能なため、冷えた食事を温めなおすこともできます。
ただし、落とすと割れる危険性があり、取り扱いには注意が必要です。価格も比較的高めですが、長く使用できることを考えると、コストパフォーマンスは悪くありません。
ひっくり返さない工夫と対策法
食事中に餌入れがひっくり返ると、床が汚れるだけでなく、猫も落ち着いて食事ができません。効果的な対策方法を見ていきましょう。

4-4餌入れの安定性を高めるには?

安定性を高めるには、底面積が広く、重心が低い餌入れを選ぶことが基本です。滑り止めマットの使用も効果的で、食事中の移動を防ぐことができます。また、餌入れの底に水平なリブ(凸凹)がついているものは、地面との接地面積が増えて安定性が高まります。二重構造になっている餌入れも、安定性が高くておすすめです。
最近では100円ショップでも、滑り止めゴムが付いた餌入れが販売されているので、予算を抑えながら安定性を確保できます。特に食べ方が豪快な猫の場合は、餌入れの縁が高めのものを選ぶと、こぼれにくく安定感も増します。また、餌入れの周りに低めの柵を設置すれば、万が一ひっくり返っても被害を最小限に抑えられます。

4-5設置場所の選び方

設置場所は平らで安定した床面を選びましょう。カーペットや畳の上は避け、フローリングやタイルなど硬い床面が理想的です。壁際に設置すると、後ろからの接近を気にせず、リラックスして食事ができます。また、人の往来が少なく、静かな場所を選ぶと、落ち着いて食事できます。
猫は食事中に周囲を警戒する習性があるため、視界が確保できる高さに設置することもポイントです。トイレから離れた場所に設置することで、衛生面でも安心です。さらに、エアコンの風が直接当たらない場所を選ぶと、餌が乾燥せず、快適な食事環境を整えることができます。

4-6滑り止めを使う

滑り止めシートや専用マットを使用することで、より確実に固定できます。市販の餌入れ固定具を使用するのも一つの方法です。複数の餌入れを並べる場合は、専用スタンドを使うと安定性が増します。
また、餌入れ自体の重さを活用し、水を入れる側を手前に、食事を入れる側を奥に配置すると、バランスよく設置できます。
最近は両面テープで固定できる製品も登場し、手軽に安定性を確保できるようになっています。固定具を使用する際は、清掃がしやすく、取り外しも簡単なものを選びましょう。さらに、餌入れの重さに合わせて固定方法を選ぶと、より効果的な設置が実現できます。

食べ方に難あり…選び方のポイントは?

猫によっては餌をこぼしやすかったり、食べ方が荒かったりする場合があります。それぞれの猫にとって、最適な餌入れの選び方を見ていきましょう。

5-1餌をこぼしやすい猫

餌をこぼしやすい猫には、縁が高めで内側に傾斜がある形状が効果的です。食べ物が外に飛び出るのを防ぎ、中央に寄せやすい設計になっています。また、餌入れの周りに縁取りがあるタイプは、こぼれた餌が床に散らばるのを防ぎます。食べ方が荒い猫でも、餌がこぼれにくい構造により、床を汚す心配が減ります。

5-2食べ方が荒い猫

食べ方が荒い猫 食べ方が荒い猫には、重量感があり、安定性の高い形状がおすすめです。底が広く、重心が低い設計により、押し倒されにくくなります。これらの特徴を持った餌皿を使うことで、猫の乱暴な食べ方によって皿が倒れたり、内容物が散らばるのを防ぐことができます。
また、低めの縁が付いているタイプの餌皿もよい選択肢です。低めの縁が猫の乱暴な食べ方を抑えつつ、食べ残しが散らばるのを防ぐ効果があります。さらに、耐久性の高い素材を選べば、長期的な使用にも耐えられるでしょう。

おすすめの猫用餌入れTOP5

世の中にはさまざまな餌入れが並んでいます。ここまで見てきた猫用餌入れの特徴を踏まえておすすめの商品を5つ紹介していきます。機能性や使いやすさを比較しながら、最適な製品を見つけていきましょう。

6-1猫壱 ハッピーダイニング

陶器製で重量感があり、食事中も安定感抜群の餌入れです。4.5cmの高さがあり、無理な姿勢をとらずに食事ができます。内側には適度な傾斜があり、餌が中央に集まりやすい設計になっています。
また、猫の顔よりも広めの直径で、ヒゲが当たりにくく快適に食事ができます。電子レンジや食洗機にも対応しているため、お手入れも簡単です。季節ごとに限定デザインも販売されており、インテリアとしても楽しめます。さらに、同シリーズでウォーターボウルや子猫用もあり、用途に応じて揃えられます。

6-2ハリオ にゃんプレ

ドライフードが滑りにくい設計で、特に子猫の食事に適しています。浅めの設計でありながら、縁のカーブが絶妙で食べこぼしを防げるのが特徴です。底面には滑り止めのシリコンマットが付属し、食事中の動きを抑制します。
陶器製で安定感があり、電子レンジや食洗機にも対応しているため衛生的な使用が可能です。シリコンマットは蓋としても使用でき、保管時に埃が入るのを防いでくれます。カラーバリエーションも豊富で、短毛種用と長毛種用があり、猫の特徴に合わせた選択ができるのも嬉しいポイントです。

6-3クラッシー ボウル

手作りにこだわった陶器製の餌入れで、3cmの適度な深さと安定感のある重みが特徴です。内側に緩やかな傾斜があり、自然と餌が中央に寄るため食べやすい構造です。職人の手作りによる丁寧な仕上がりで、見た目の美しさも魅力です。
表面が滑らかで汚れが付きにくく、においも残りにくいため、長期間清潔に使用できます。食器全体にゆるやかなカーブがあり、猫の顔にフィットしやすい形状になっています。シンプルなデザインで、どんなインテリアにも馴染みます。

6-4エリザベスカラー専用まんま台

エリザベスカラー装着時でもストレスなく食事ができる専用設計の台です。南部鉄器の重量感で安定性が高く、カラーを付けた状態でも倒れる心配がありません。台の形状は、カラーが引っかかりにくいよう計算された角度と高さになっています。
通常の餌入れとしても使用できるため、エリザベスカラーが不要になった後も長く活用できます。幅8.5cm以内、高さ1cm以上の一般的な食器であれば設置可能で、汎用性も高いです。表面の仕上げも美しく、和モダンなインテリアとしても人気があります。

6-5リッチェル 食べやすい食器

二重構造になった設計が特徴的な餌入れです。内側の食器部分と外側の受け皿で構成され、こぼれた餌をしっかりキャッチします。縁が高めに設計されており、食べこぼしの多い猫でも安心です。
底面には大きな滑り止めゴムが付いており、食事中の移動を防いでくれます。重量バランスが良く、押し倒されにくい安定感も特徴です。食器部分は取り外して洗えるため、隅々まで清潔に保てます。シンプルなデザインで場所を選ばず、実用性と見た目のバランスが取れた製品と言えるでしょう。

餌入れのお手入れと管理方法

日々の管理が餌入れの衛生状態を左右します。快適な食事環境を保つため、適切なお手入れ方法を学んでいきましょう。

7-1毎日のお手入れポイント

食後は必ず餌入れを水洗いし、水気をしっかりと拭き取ります。特にウェットフードを与えた後は、残留物が固まらないよう速やかな洗浄が欠かせません。洗剤を使用する場合は、ペット専用のものを選び、しっかりとすすぎます。乾燥させる際は、直射日光を避け、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。

7-2週に一度は洗浄・消毒しよう

週に一度は、熱湯消毒や専用の消毒液での処理を行います。素材によって方法は異なりますが、陶器やステンレス製なら熱湯消毒が効果的です。消毒後は完全に乾かしてから使用します。また、餌入れの裏側や設置場所も定期的に清掃し、雑菌の繁殖を防ぎます。

7-3交換するタイミングは?

傷や劣化が目立ち始めたら、交換を検討を検討しましょう。プラスチック製は、傷が付きやすく細菌が繁殖しやすいため、半年から1年程度での交換をおすすめします。表面のツヤが失われたり、においが取れにくくなったりした場合も、交換のタイミングとなります。

猫の餌入れ選びの注意点

状況に応じて、通常とは異なる対応が必要になることがあります。それぞれのケースに合わせた適切な対応を見ていきましょう。

8-1高齢猫は餌入れ選びに注意

高齢猫は関節の衰えにより、低い位置での食事が困難です。15〜20cmの高さがある餌入れや、専用の台を使用することで、負担なく食事ができます。また、滑り止めの効いた安定性の高い製品を選び、不意な動きによる転倒を防ぎます。

8-2体調不良時の対応方法

体調不良時は、普段より食欲が低下していることが多いため、食べやすい環境作りが重要です。温かみのある素材の餌入れや、座ったままでも届く高さに調整するなど、できるだけ負担を軽減します。また、食事の様子を観察しやすい場所に設置することも大切です。

8-3エリザベスカラー着用時の注意点

エリザベスカラー着用時は、通常の餌入れでは食事が難しくなります。カラーが当たらない広めの餌入れや、専用の台を使用することで、ストレスなく食事が可能です。また、餌入れの位置を少し高めにすることで、カラーが引っかかりにくくなります。

まとめ

餌入れ選びは、一見些細なことのように思えますが、猫の健康と快適な生活に大きく影響します。適切な高さと素材を選び、定期的なお手入れを行うことで、愛猫は毎日の食事を楽しく過ごすことができます。特に重要なのは、猫の年齢や体格、食べ方の特徴に合わせて餌入れを選ぶことです。床に直置きせず、適切な高さを確保することで、関節への負担を軽減し、吐き戻しも防ぐことができます。また、清潔な状態を保つためのお手入れも欠かせません。状況に応じて餌入れを見直し、必要があれば新しいものに交換することで、より良い食事環境を維持できるでしょう。大切な家族である猫が、いつまでも健康で快適に過ごせるよう、餌入れ選びにもしっかりと気を配っていきましょう。

関連コラム

RELATED COLUMN

関連する資格

RELATED