ドッグトレーナーは家庭で飼う犬のしつけについて、様々なアドバイスを行える専門家です。
ペットの中でも犬は飼われている割合が多く、近年は大型犬であっても室内飼育になることもあるので、しつけをしっかりしておきたいという人も増えています。
そんなドッグトレーナーとして活動する際に特別な資格は必要ありませんが、実力を証明することや信頼を得るためには、資格を持っておくことが望ましいものです。
そこで、この記事ではドッグトレーナーの概要や職場などを見ながら名乗ることに相応しい資格について紹介していきます。
ドッグトレーナーになるために、ある程度調べている人もいると思いますが、まずはドッグトレーナーの基本的な部分と、なぜ資格の所持が望まれるかという理由について見ていきます。
ドッグトレーナーは家庭でペットとして飼っている犬を対象に、基本的なマナーをしつけとして教えることで、人と一緒に暮らしやすくする職業です。
犬をしつける職業としては訓練士もありますが、そちらは警察犬や盲導犬といった特殊な環境・状況で活動する犬を対象としているので、ドッグトレーナーとは別の職業になります。
犬は動物の中でも賢い部類であり、それまで言う事を聞かなかったり、家での決まりを覚えてくれなかったりしても、しつけによって改善させられるものです。
ドッグトレーナーは犬のしつけについて、犬種や育った環境などを参考に最適なトレーニングを施していきます。子犬の頃からトレーニングを受けることで、成長しても基本的なマナーに沿って行動します。
ある程度成長している犬でも、様々な観点から問題の原因を考えてトレーニングを試みてくれます。
ドッグトレーナーは、犬種ごとの特徴などを把握した上でしつけを行うため、専門的な知識が必要になるものですが、実はドッグトレーナーとしての活動自体、特に資格や規定がありません。
つまり、個人がドッグトレーナーを始めるには、技術さえ得られていると問題無いということになりますが、実際には難しいものがあります。
近年ではネットや書籍で様々な情報を得られますが、実際に犬のしつけを行うことは実践的な部分が中心になるので、本格的な勉強をしてないと様々な状況への対応は困難です。
特に子犬のしつけはその時期に教えたことが一生を左右すると言っても過言ではないため、生半可な知識で請け負っていいものではありません。
また、資格や実績が何もないドッグトレーナーは、愛犬を預ける飼い主から見ても、多少の不安はもってしまいがちです。
このような理由から、始めること自体に規定がないドッグトレーナーですが、実際に職業としてやっていく場合は、ドッグトレーニング系の資格を所持しておくことが望ましいのです。
ドッグトレーナーになるために、トレーニング関連の資格取得を考える場合は、資格試験を受けるまでの学習方法について、ある程度決めなければいけません。
ただ、資格取得者自身の現状から学習できる場というのは限られるので、現在の生活リズムを崩さないような学習方法を選択した方が良いものです。
ドッグトレーニングの知識を学べる場所の中で最も設備等が整っているのは、専門学校と言えます。
学校によってペット全般か犬専門かは異なりますが、総合的な知識を得ながら実践で学ぶ機会があるので、じっくり学べる状況である人には向いています。
一方で、既に働いている人や専業主婦・主夫である人は、改めて入学してから学ぶことは難しいものがあります。
近年では仕事と平行して通える学校や一部の講義のみを開放してくれる学校もありますが、その学校まで行くことも大きな負担になるので、継続することへのハードルも高くなっています。
地元のカルチャーセンターを借りたり、講師自身の自宅を使ったりして開講される教室・スクールは、専門学校よりも身近で通いやすい場合が多いです。
そんな中でドッグトレーニングは常に需要があることから、教室・スクールの講座も数多く行われているジャンルです。
しかし、内容としては犬のしつけ教室など、飼い主に対して教えるというものが多く、ドッグトレーナーになるための講座はあまり見られません。
もしも住んでいる場所から通える範囲で良い講座があれば良いのですが、希望に合うような講座が見つかりづらいところが難点になります。
通信講座は、教材が家に届けられ、テキストや動画による学習を進め、資格によっては認定された講座も存在することから、非常に学習効率も高いです。
基本的には時間と場所に縛られないので、仕事や家事の合間にいつでも勉強できるところは上記の2つにないメリットです。
ドッグトレーナーに関しては、通信講座では実践的な部分は少し弱いのですが、実際に知識を活かす場面になると最初から実力を求められることはあまりないので、知識の基盤を作ってしまうと心配はいりません。
総合的に見るとメリットの方が多くなるので、特にこだわりがなければおすすめできる学習方法です。
ドッグトレーニング系の資格を取得して、晴れてドッグトレーナーとしての準備が整った後に、働ける職場としては様々な候補があります。
そんな資格取得後の職場の候補とその仕事内容を見ていきます。
ドッグトレーナーの知識を活かして活動する場合、既存の犬のしつけ教室に就職するか、自分で開設するケースが多いでしょう。
ただ、資格を取得した直後は知識が認められても、実践経験がない人が多くなるので、まずは既存の教室で見習いから始める方が、その後の成長のためにも適しています。
仕事内容は学んできたことをそのままやっていくことになりますが、教室ごとにお客様とのやり取りの仕方は異なるもので、来店して貰ってから預かるところもあれば、自宅へ出張してしつけをするところもあります。
独立して個別に開設する際もこのやり方をどうしていくかは重要であり、出張が中心となる場合は拠点となる店舗の内装などにそれほど縛られませんが、預かる場合は犬が過ごせる環境を整える必要があるので、そのための費用も必要になります。
近年のペットショップでは購入して貰った後のサポートも含めてサービスしているところもあります。その場合でドッグトレーナーの知識があれば飼った後に発生するトラブルにも対応できる可能性が上がります。
ペットショップで販売されている子犬は店舗にも寄りますが、しつけを行っていない状態であり、購入した飼い主がそのまましつけも行わなければいけません。
そんな時に適切なアドバイスができると、飼い主と子犬にとってもその後の良い関係を築くきっかけになりえます。
犬のしつけ教室とは違って完璧な指導をするかはペットショップごとの方針に委ねられますが、購入者のサポートができる人材は心強いものです。
教室・スクールの項目でも書きましたが、ドッグトレーナーになるための講座はあまりないので、次のドッグトレーナーを目指す人のために講師として講座を開くことも考えられます。
場所としてはカルチャーセンターや自宅を利用することになり、自分が勉強した方法や実際にドッグトレーナーとして活動した場合は、その時の実感を交えながら教えられます。
ドッグトレーナーになりたい人は前提として犬が好きである人がほとんどだと思いますが、職業としてやっていくには、好きな気持ち以外にも持っておくべき部分があるものです。
そんなドッグトレーナーにはコミュニケーション能力がある人が向いていると言えます。
しつけをするための情報を得るには、事前に飼い主から聞き出す必要があり、その時に上手く情報が集められないと、犬が言う事を聞かない原因がわからなくなる可能性があります。
実際に過ごす時間は犬の方が多いものですが、その合間には飼い主である人とのコミュニケーションが必ず挟まるので、その能力がある人は働く際に有利なのです。また、厳しく言える心を持っている人も向いていると言えます。
指導する過程ではやってはいけないことは注意しなければならないので、犬が好きでも厳しくするところは別で考える必要があります。
これは飼い主の方にも言えることで、犬の素行の原因が住んでいる家庭が影響する可能性もあることから、改善できる点は指摘しなければいけません。
怒って言うのではなく、飼い主と犬の今後を考えて厳しく指導・指摘できる心も持っておく方が良いものです。
ドッグトレーナーとしての知識や実力を証明できる資格には様々な種類があり、発行する協会によって、内容も少しずつ異なるものです。そんなドッグトレーナー関連の資格の中でよく挙げられる3つの民間資格について見ていきます。
ドッグトレーニングアドバイザー資格は日本生活環境支援協会(JLESA)が発行しており、犬のしつけに関する基本的な部分や実際のトレーニングの仕方などについて知識が証明される資格です。
実践的なトレーニングについて身に付いていることが証明されるので、説得力として十分な資格になっています。
受験資格 | なし |
---|---|
受験料 | 10,000円(税込) |
受験申請 | 公式サイトから申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
犬のしつけインストラクターは日本インストラクター技術協会(JIA)が発行しており、犬種の違いや道具を用いたしつけなど、様々な面での犬のしつけができることを証明する資格です。
名称は異なりますが、ドッグトレーナーとしても活かせるしつけの知識が証明されているため、履歴書等に書いても問題ありません。
受験資格 | なし |
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受験料 | 10,000円(税込) |
受験申請 | 公式サイトから申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
ドッグトレーナーライセンスは日本ドッグトレーナー協会(略称:JDTA)が発行しており、最終的に犬と飼い主に合わせたアドバイスができることを証明する資格です。
こちらはC級・B級・A級の順に段階を踏んでいくもので、B級になれば教室等でしつけをできる程度の知識を得られます。
受験資格 | C級:協会指定の講座を受講すること B級:日本ドッグトレーナー協会会員かつC級ライセンス取得者であること A級:日本ドッグトレーナー協会会員かつB級ライセンス取得者であること |
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受験料 | C級:5,500円(税込) B級:8,800円(税込) A級:19,800円(税込) ※講座料金は別途必要 |
受験申請 | 協会のホームページの各申込から |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | ー |
試験日程 | C級・B級:年度による(11月~12月中) A級:課題提出後随時(課題提出の方に期限が設定される) |
先に紹介した3つの資格は全て民間資格となっており、講座の受講から試験を受けるまで時間や場所を指定されずに資格取得できるものです。
その中で敢えて1つおすすめ資格を選ぶなら基礎的な部分が学べて実践的なトレーニングの知識が身に付く「ドッグトレーニングアドバイザー資格」になります。
ドッグトレーニングアドバイザー資格は受験資格を特に指定していないため、自分に合った教材や講座を選んで勉強を進められるのも良いところです。
もしもドッグトレーニングアドバイザー資格の試験勉強の教材選びに迷っている場合は「SARAスクールジャパン」もしくは「諒設計アーキテクトラーニング」がおすすめです。
その理由は二つの通信講座はドッグトレーニングアドバイザー資格を発行する日本生活環境支援協会より認定校の証明を受けているからです。
二つの通信講座で用意されているカリキュラムに沿って学習を進めることで、試験に対応した勉強ができるだけでなく、通常の受験よりも有利になる部分があります。
SARAスクールジャパンのドッグトレーニングアドバイザー資格に関連した勉強ができる講座としては以下の2つのコースがあります。
SARA School JAPAN | ドッグトレーニング基本コース | ドッグトレーニングプラチナコース |
---|---|---|
受講料 | 59,800円 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
資格試験 | 公式サイトで各自申込 | 免除(課題提出のみで卒業と同時にドッグトレーニングアドバイザー資格と犬のしつけインストラクター資格を取得) |
認定試験受験費用 | 各資格10,000円(税込) | 免除 |
内容としては先に紹介した犬のしつけインストラクター資格の試験でも使える教材とカリキュラムが含まれています(こちらの資格についても協会認定です)。
そして、プラチナコースにある特典として、卒業課題提出のみでドッグトレーニングアドバイザー資格と犬のしつけインストラクター資格を取得できるという、画期的なシステムです。
このコースでは本来の試験の受験費用をプラスするだけで試験免除できるという、とてもお得なものになっています。
ただし、ドッグトレーニングアドバイザー資格のみの取得で考えると、犬のしつけインストラクター資格分の受験費用を払う必要があるため、複数の資格は必要ない場合は基本コースでも十分なものです(その場合は講座とは別に認定試験に申し込む必要があります)。
受講期間は1日30分の勉強で6ヶ月が想定されていますが、勉強時間が確保できれば更に早い取得も可能で、公式の想定では最短2ヶ月取得も可能となっています。
諒設計アーキテクトラーニングのドッグトレーニングアドバイザー資格に関連した勉強ができる講座としては以下の2つのコースがあります。
諒設計アーキテクトラーニング | 基本講座 | スペシャル講座 |
---|---|---|
受講料 | 59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
資格試験 | 公式サイトで各自申込 | 免除(課題提出のみで卒業と同時にドッグトレーニングアドバイザー資格と犬のしつけインストラクター資格を取得) |
認定試験受験費用 | 各資格10,000円(税込) | 免除 |
講座の概要としてはSARAスクールジャパンと同様になっていますが、使用される教材やカリキュラムは違うものになっています。
認定講座であることは双方変わりないので、公式サイトの情報や資料請求で確認して自分に合うと思う方を選ぶと良いものです。
家庭で飼う犬が基本的なマナーを身に付けられるようにするドッグトレーナーは、始めること自体は特に規定がないものですが、犬の一生を左右する指導である面や依頼者の信頼面ドッグトレーナー系の資格を所持しておくが望ましい職業と言えます。
それを踏まえて資格取得を目指すのであれば、通信講座は忙しい中でも勉強時間が確保できます。数ある資格の中で、日本生活環境支援協会の「ドッグトレーニングアドバイザー資格」は、実践的な部分も学べることからおすすめです。
そして、そのドッグトレーニングアドバイザー資格は「SARA スクールジャパン」か「諒設計アーキテクトラーニング」であれば、協会認定講座として学びやすいだけでなく、資格免除などの特典を受けられるものです。
ドッグトレーナーとして就職する履歴書に書くためや知識がある証明をしたいと考えている人はぜひ上記の資格と通信講座を検討してみてください。