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犬が甘噛みするのはなぜ?する人としない人の違いや直し方を解説!

愛らしい犬との生活に喜びを感じる一方で、甘噛みに悩まされている飼い主さんも多いのではないでしょうか。甘噛みは愛情表現の一つですが、放置すると問題行動に発展する可能性があります。本記事では、犬が甘噛みする理由や対象者の特徴、効果的な直し方について詳しく解説していきます。
犬が甘噛みするのはなぜ?する人としない人の違いや直し方を解説!

目次
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犬の甘噛みとは?定義と特徴

甘噛みは、犬が人や物に対して軽く噛みつく行為を指します。多くの場合、攻撃の意図はなく、力加減をしながら噛むのが特徴です。子犬の頃によく見られる行動ですが、中には成犬になっても甘噛みが続く場合があります。
甘噛みと本気噛みの違いを理解することは重要です。本気噛みの場合、犬は力加減をせずに強く噛みつきます。一方、甘噛みは遊びや愛情表現の一環として行われることが多く、比較的優しく噛むのが特徴です。
しかし、甘噛みであっても放置すると、将来的に問題行動につながる可能性があります。そのため、早い段階から適切なしつけを行うことが大切です。

1-1甘噛みが見られる年齢や状況

甘噛みは主に子犬の時期に多く見られます。特に生後4〜5ヶ月頃は、歯の生え変わりの時期と重なるため、口内の不快感から甘噛みが増える傾向にあります。
成犬でも甘噛みをすることがありますが、その場合は別の要因が考えられます。例えば、過度の興奮や不安、ストレスなどが原因となっている可能性があります。
甘噛みが見られる状況としては、遊びの最中や飼い主が帰宅した時など、犬が興奮している場面が多いです。また、飼い主の注意を引きたい時や甘えたい時にも甘噛みをすることがあります。

犬が甘噛みをする理由

犬が甘噛みをする理由はさまざまです。その背景には本能的な要因から学習的な要因まで、複数の要素が絡み合っています。ここでは、主な理由について詳しく見ていきましょう。

2-1本能的な要因

犬は元来、口を使って周囲の環境を探索する習性があります。特に子犬の時期は、世界を理解するための重要な手段として口を使います。また、狩猟犬や牧羊犬などの犬種は、仕事の一環として物を咥えたり引っ張ったりする本能が強く残っています。
さらに、犬同士のコミュニケーションにおいても、軽い噛み合いは重要な役割を果たします。子犬の頃の遊びを通じて、適切な力加減を学んでいくのです。

2-2歯の生え変わりによる不快感

生後4〜5ヶ月頃になると、子犬の歯が乳歯から永久歯に生え変わります。この時期には歯茎の痒みや口内の違和感が生じやすく、それを紛らわすために甘噛みをすることがあります。
人間の赤ちゃんが歯が生える時期におもちゃを噛むのと同じように、犬も口の中の不快感を和らげるために物を噛む傾向があります。特に木製の家具や柔らかい素材のものを好んで噛むことが多いです。

2-3愛情表現やコミュニケーション手段

犬にとって甘噛みは、愛情表現やコミュニケーションの一つの形でもあります。特に飼い主や家族に対して行われることが多く、「遊んで欲しい」「構って欲しい」といった欲求を表現している場合があります。
また、犬は言葉を使えないため、体や口を使って自分の感情を伝えようとします。嬉しい時や興奮している時に甘噛みをすることで、その気持ちを表現しているのです。

2-4ストレスや不安の表れ

時には、ストレスや不安が甘噛みの原因となることもあります。新しい環境に慣れない時や、飼い主との関係に不安を感じている場合などに見られます。
例えば、十分な運動や刺激が得られていない場合、ストレス解消の手段として甘噛みをすることがあります。また、飼い主の不在時間が長くなったり、家族構成が変化したりした際にも、不安から甘噛みが増える可能性があります。

2-5学習された行動

甘噛みが意図せず強化されてしまうケースもあります。例えば、甘噛みをした時に飼い主が大きな反応を示すと、犬はそれを注目を集める手段として学習してしまうなどです。
また、子犬の頃に甘噛みを十分にコントロールする機会がなかった場合、成犬になっても適切な力加減を学べずに甘噛みが続くことがあります。
犬が甘噛みをする理由を理解することは、適切な対策を講じる上で非常に重要です。次に、犬が甘噛みをする人としない人の違いについて見ていきましょう。

犬が甘噛みをする人の特徴

犬は誰に対しても平等に甘噛みをするわけではありません。特定の人に対して甘噛みをする傾向があります。ここでは、犬が甘噛みをしやすい人の特徴について詳しく見ていきましょう。

3-1信頼関係が強い人

犬は、信頼関係が強く、安心できる相手に対して甘噛みをすることが多いです。これは、甘噛みが一種の愛情表現であることを考えると理解しやすいでしょう。
飼い主や家族など、日常的に密接な関わりを持つ人に対して甘噛みをする傾向が強いです。犬にとって特別な存在であり、安心感や愛情を感じている証拠とも言えます。

3-2遊び相手として認識している人

犬と頻繁に遊ぶ人や、エネルギッシュに関わる人は、犬から遊び相手として認識されやすいです。そのため、遊びの延長線上で甘噛みをされることがあります。
特に、手を使って遊ぶことが多い人は要注意です。犬が「手=遊び道具」と認識してしまい、甘噛みの対象になりやすくなります。

3-3反応が大きい人

犬が甘噛みをした際に、大きな声を出したり激しく動いたりする人は、犬の興味を引きやすいです。犬にとっては、その反応自体が楽しい遊びになってしまう可能性があります。
結果として、注目を集めるために甘噛みを繰り返すことがあります。犬の立場からすると、甘噛みをすることで楽しい反応が得られるため、その行動が強化されてしまうのです。

3-4一貫性のないしつけをする人

甘噛みに対する対応が一貫していない人も、犬から甘噛みの対象として選ばれやすいです。時に許し、時に叱るというような曖昧な態度は、犬を混乱させます。
犬は明確なルールを理解しやすい動物です。一貫性のない対応は、甘噛みが許される状況とそうでない状況の区別を難しくします。

3-5犬の体調や気分を読み取れない人

犬の体調不良や疲労、ストレスなどを見逃してしまう人も、甘噛みの対象になりやすいです。犬が休息を求めているのに無理に遊ぼうとしたり、不快な状況を察知できなかったりすると、犬は甘噛みで意思表示をすることがあります。
犬の微妙な表情や体の動きを読み取る能力が不足していると、犬とのコミュニケーションにズレが生じ、結果として甘噛みを招くことがあります。
これらの特徴を持つ人は、犬から甘噛みの対象として選ばれやすい傾向にあります。しかし、甘噛みは決して望ましい行動ではありません。次に、犬が甘噛みをしない人の特徴について見ていきましょう。

犬が甘噛みをしない人の特徴

犬が甘噛みをしない人には、いくつかの共通点があります。これらの特徴を理解し、実践することで、犬との健全な関係を築くことができます。

4-1明確なルールを設ける人

犬に対して一貫性のあるルールを設け、それを守らせることができる人は、甘噛みされにくい傾向にあります。例えば、「人の手や足を噛むのは絶対にダメ」というルールを明確に示し、それを徹底することが大切です。
ルールを設ける際は、犬にとってわかりやすい形で伝えることが重要です。言葉だけでなく、ボディランゲージや声のトーンなども活用し、犬が理解しやすいように工夫しましょう。
適度な力加減で接する人
犬との触れ合いにおいて、適切な力加減で接することができる人も、甘噛みされにくいです。過度に強く触れたり、急に動いたりすると、犬が驚いたり興奮したりして甘噛みを誘発する可能性があります。
穏やかで優しい触れ方を心がけ、犬の反応を見ながら接することが大切です。特に、初めて会う犬や警戒心の強い犬に対しては、慎重に接する必要があります。

4-2犬の気持ちを理解できる人

犬の微妙な表情や体の動きから、その時々の気持ちを読み取ることができる人は、甘噛みされにくいです。犬が疲れているときや不安を感じているときを察知し、適切に対応することができます。
例えば、犬が休息を求めているサインを見逃さず、無理に遊ぼうとしないなど、犬の状態に合わせた接し方ができる人は、不必要な甘噛みを回避できます。

4-3よく犬と遊ぶ人

よく犬と遊ぶ人も、甘噛みされにくい傾向にあります。十分な運動と遊びは、犬のストレス解消やエネルギー発散に効果的です。
散歩やボール遊び、トレーニングなど、犬の年齢や体力に合わせた活動を計画的に行うことで、過度なストレスや余剰エネルギーによる甘噛みを防ぐことができます。

4-4落ち着いた態度で接する人

興奮しやすい犬に対して、落ち着いた態度で接することができる人も、甘噛みされにくいです。犬が興奮している時に、冷静に対応し、適切な指示を出すことができます。
例えば、犬が甘噛みをしそうになった時に、落ち着いた声で「おすわり」や「ふせ」などの指示を出し、犬の注意をそらすことができる人は、甘噛みを未然に防ぐことができます。
これらの特徴を持つ人は、犬から尊敬され、信頼される存在となりやすいです。結果として、甘噛みのような不適切な行動を取られにくくなります。
しかし、すでに甘噛みの習慣がついてしまった犬の場合、これらの特徴を身につけるだけでは不十分かもしれません。

犬の甘噛みを直す方法

犬の甘噛みを直すには、根気強く適切なアプローチを続けることが重要です。ここでは、効果的な直し方について詳しく解説します。

5-1一貫したしつけ

甘噛みを直す第一歩は、一貫したしつけを行うことです。甘噛みをした際には必ず「ダメ」や「イケナイ」などの言葉で制止し、その行動が許されないことを明確に伝えましょう。ただし、大声で怒ったり、体罰を与えたりするのは逆効果です。
冷静に、でも毅然とした態度で接することが大切です。また、家族全員が同じルールを適用することも重要です。一貫性を保つために、家族で話し合い、甘噛みへの対応方法を統一することをおすすめします。
例えば、甘噛みをした際の言葉かけや、その後の対応などを具体的に決めておくと良いでしょう。犬は繰り返しの中で学習していくため、忍耐強く継続することが成功への鍵となります。

5-2代わりの行動を教える

甘噛みの代わりとなる適切な行動を教えることも効果的です。例えば、噛みたい衝動がある時には専用のおもちゃを噛むように教育します。飼い主の手を噛みそうになった時に、すかさずおもちゃを差し出し、それを噛むように促します。
おもちゃを噛んだ際には大いに褒めて、正しい行動を強化しましょう。この方法を繰り返すことで、犬は「人ではなくおもちゃを噛む」ことを学習していきます。代替行動を教える際は、犬の好みや性格を考慮することも大切です。
例えば、噛むことが好きな犬には丈夫な噛むおもちゃを、引っ張るのが好きな犬にはロープ状のおもちゃを用意するなど、犬が喜んで選択できる環境を整えることで、より効果的に学習を促すことができます。

5-3運動や遊びを十分に与える

十分な運動や遊びを与えることで、余剰エネルギーやストレスによる甘噛みを減らすことができます。毎日の散歩や遊びの時間を確保し、犬の年齢や体力に合わせた活動を行いましょう。また、ノーズワークや簡単な訓練など、犬の頭を使う活動も取り入れると効果的です。
これらの活動は、犬の満足感を高め、不適切な行動を減らすのに役立ちます。運動や遊びの内容は、犬の興味や特性に合わせて工夫することが大切です。
例えば、臭いを嗅ぐのが好きな犬には、おやつを隠して探させる遊びを、ボール遊びが好きな犬にはフェッチを取り入れるなど、犬が楽しめる活動を提供することで、より効果的にエネルギーを発散させることができます。

5-4タイムアウト法を活用しよう

甘噛みをした際に、一時的に犬を無視する「タイムアウト法」も効果的です。具体的には、甘噛みをした瞬間に遊びを中断し、犬から離れます。1〜2分程度経過したら、再び犬のもとに戻り、落ち着いた状態であれば褒めて遊びを再開します。
この方法により、犬は「甘噛みをすると楽しい時間が終わってしまう」ということを学習します。ただし、タイムアウトは罰ではなく、冷静になるための時間であることを忘れないでください。
タイムアウト法を実践する際は、犬の性格や状況に応じて調整することが重要です。敏感な犬の場合は、短い時間から始めて徐々に延ばしていくなど、個々の犬に合わせたアプローチが効果的です。また、タイムアウト後の再開時には、犬が落ち着いていることを確認し、穏やかな態度で接することが大切です。

5-5正しい遊び方の指導

手を使った遊びは避け、おもちゃを介した遊びを心がけましょう。ロープやボールなど、犬が安全に噛んでも問題ないおもちゃを使用します。遊びの際は、「遊ぼう」や「おしまい」などの合図を使い、遊びの開始と終了を明確にします。
これにより、犬は遊びの時間とそうでない時間の区別を学びます。正しい遊び方を指導する際は、犬の興奮レベルにも注意を払うことが大切です。遊びが過度に激しくなり、コントロールが難しくなった場合は、一時的に中断して落ち着かせることも必要です。
また、犬が自制心を持って遊べるよう、「待て」や「お座り」などの基本的なコマンドを遊びの中に取り入れることで、より良いコミュニケーションと信頼関係を築くことができます。

5-6プロの助言を求める

自分だけでは対処が難しい場合は、ドッグトレーナーや獣医師などの専門家に相談することをおすすめします。特に、成犬になっても激しい甘噛みが続く場合や、甘噛みが攻撃的な性質を帯びている場合は、専門家のアドバイスが必要です。
専門家は、犬の行動の背景にある原因を分析し、個々の犬に適した対処法を提案してくれます。また、飼い主自身の接し方についてもアドバイスをもらえるでしょう。
プロの助言を求める際は、事前に犬の行動パターンや生活環境、これまでの対処法などの情報をまとめておくと、より的確なアドバイスを受けることができます。
また、専門家のアドバイスを受けた後も、定期的に進捗を報告し、必要に応じて対策を調整していくことが重要です。専門家との連携を通じて、長期的かつ効果的な甘噛み対策を実施できます。

甘噛みをさせないための予防策

甘噛みの習慣がつく前に予防することが最も効果的です。以下に、甘噛みを予防するためのポイントをいくつか挙げます。

6-1早期のしつけと社会化

子犬の頃から適切なしつけを行い、人や他の動物との正しい関わり方を教えることが重要です。パピークラスなどに参加し、さまざまな環境や刺激に慣れさせることも効果的です。特に生後3〜12週齢は社会化期と呼ばれ、この時期の経験が犬の性格形成に大きな影響を与えます。多様な人や動物、環境に触れさせることで、将来的な問題行動を予防できます。

6-2噛むおもちゃを用意する

歯の生え変わり時期には、犬用の噛むおもちゃを十分に用意しましょう。これにより、家具や人の手を噛む代わりに、適切なものを噛む習慣をつけることができます。おもちゃの選び方も重要で、犬の大きさや噛む力に合わせて選びます。硬すぎず柔らかすぎないものが理想的です。また、おもちゃをローテーションすることで、飽きずに長く使用できます。

6-3興奮時の対応

犬が興奮しやすい場面(例:飼い主の帰宅時)では、落ち着いた態度で接し、過度に犬を刺激しないよう注意します。興奮が高まる前に、「おすわり」などの指示を出し、冷静な状態を保つよう促します。帰宅時は、犬が落ち着くまで無視するのも一つの方法です。数分後、犬が落ち着いてから穏やかに挨拶をすることで、過度な興奮を防ぐことができます。

6-4規則正しい生活リズムの確立

食事、散歩、遊びの時間を一定にし、規則正しい生活リズムを作ります。これにより、犬の精神状態が安定し、不適切な行動が減少します。特に食事と排泄の時間を固定することが重要です。また、1日の中で運動、遊び、休息のバランスを取ることで、犬のストレスを軽減し、落ち着いた行動を促すことができます。

6-5睡眠をしっかりと与える

十分な睡眠と休息時間を確保することも重要です。疲れている犬は興奮しやすく、甘噛みなどの問題行動を起こしやすくなります。成犬は1日に12〜14時間、子犬はさらに長い睡眠時間が必要です。静かで快適な寝床を用意し、睡眠中は犬の邪魔をしないよう心がけましょう。十分な休息は犬の身体的・精神的健康に不可欠です。

6-6健康管理を徹底する

定期的な健康診断と適切な食事管理を行い、犬の健康状態を良好に保ちます。体調不良やストレスが甘噛みの原因となることもあるため、日頃からの健康管理が大切です。予防接種やフィラリア予防、ノミ・ダニ対策なども忘れずに行いましょう。また、犬の年齢や活動量に合わせた適切な栄養バランスの食事を提供することで、心身の健康を維持し、問題行動の予防にもつながります。
甘噛みは、適切な対応と予防策によって改善できます。愛犬との良好な関係を築くためにも、これらの方法を実践してみてください。

まとめ

犬の甘噛みは、愛情表現やコミュニケーションの一つですが、適切に対処しないと問題行動に発展する可能性があります。甘噛みの理由を理解し、一貫したしつけや適切な運動、精神的刺激の提供など、さまざまなアプローチを組み合わせることが大切です。また、早期からの予防策も重要です。愛犬との信頼関係を築きながら、根気強く取り組むことで、必ず改善への道が開けるはずです。困ったときは専門家に相談することも検討してみてください。愛犬との幸せな日々を過ごすために、今日から甘噛み対策を始めてみましょう。

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