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犬のコマンドとは?教え方や種類を一覧で解説!

愛犬とのコミュニケーションを円滑にし、安全で快適な生活を送るためには、基本的なコマンドを教えることが大切です。しかし、どのようなコマンドがあり、どう教えればよいのか悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。コマンドの種類は多岐にわたり、教え方にも工夫が必要です。本記事では、犬のコマンドの種類や効果的な教え方について詳しく解説していきます。
犬のコマンドとは?教え方や種類を一覧で解説!

目次
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そもそも犬に教えるコマンドとは?

犬のコマンドは、飼い主と愛犬のコミュニケーションを深める重要な要素です。適切なコマンドを使うことで、愛犬の行動をより良い方向へ導き、安全で快適な生活を送ることができます。

1-1コマンドを教える意味

コマンドを教えることには、さまざまな意味があります。まず、愛犬の安全を確保することができます。例えば、道路に飛び出そうとしたときに「待て」のコマンドで制止することで、事故を防ぐことができるでしょう。
また、コマンドを通じて飼い主との信頼関係を築くことができます。愛犬がコマンドに従うことで、飼い主からの褒め言葉やご褒美をもらえるという良い経験を積み重ねていくことになります。これにより、愛犬は飼い主の言葉に耳を傾け、より協調的な関係を築くことができるのです。
さらに、コマンドを使うことで、愛犬の精神的な安定にもつながります。特定の行動パターンを身につけることで、愛犬は何をすべきかわかり、不安や興奮を抑えることができるようになります。これは、日常生活だけでなく、ストレスの多い状況でも落ち着いて行動する助けとなります。

基本的なコマンドの種類一覧

ここでは、愛犬に教えておきたい基本的なコマンドとその教え方を紹介します。これらのコマンドは、日常生活で頻繁に使用する基本的なものばかりです。愛犬との生活をより豊かにするためにも、しっかりと身につけさせましょう。

2-1おいで(カム)

「おいで」は、愛犬を呼び戻すためのコマンドです。散歩中や公園で遊んでいるときなど、愛犬を近くに呼びたいときに使います。このコマンドは、愛犬の安全を守るためにも非常に重要です。
・教え方
まず、愛犬の名前を呼び、注目を集めます。次に、明るい声で「おいで」と言いながら、手を広げて愛犬を招きます。愛犬が近づいてきたら、すぐに褒めてご褒美を与えましょう。最初は短い距離から始め、徐々に距離を伸ばしていきます。さまざまな環境で練習することで、どんな状況でも確実に戻ってくるようになります。
「おいで」のコマンドを教える際は、愛犬が楽しみながら学べるように心がけることが大切です。無理に呼び戻そうとせず、愛犬が自発的に戻ってくるのを待つ姿勢が重要です。また、戻ってきたときは必ず褒めて、ポジティブな経験として記憶させましょう。

2-2おすわり(シット)

「おすわり」は、愛犬を落ち着かせるための基本的なコマンドです。来客時や散歩中の信号待ちなど、さまざまな場面で役立ちます。このコマンドは、他のコマンドの基礎にもなる重要なものです。
・教え方
愛犬の鼻先にご褒美を持っていき、ゆっくりとご褒美を上げていきます。愛犬の頭が後ろに傾き、自然とお尻が床につくようにします。お尻が床についたら、すぐに「おすわり」と声をかけ、ご褒美を与えます。この動作を繰り返し練習することで、「おすわり」の言葉に反応して座るようになります。
「おすわり」のコマンドを教える際は、愛犬の体型や身体的特徴を考慮することが大切です。小型犬や長脚の犬種では、座る動作が異なる場合があるので、無理のない姿勢で座れるよう配慮しましょう。また、床が滑りやすい場所では練習を避け、愛犬が安心して座れる環境を整えることが重要です。

2-3ふせ(ダウン)

「ふせ」は、愛犬をより落ち着かせるためのコマンドです。「おすわり」よりもさらにリラックスした状態を作ることができます。長時間の待機が必要な場面や、興奮を抑える必要がある場合に有効です。
・教え方
まず「おすわり」の状態から始めます。愛犬の鼻先にご褒美を持っていき、ゆっくりと床に向かって下げていきます。愛犬が前足を伸ばし、胸を床につけたら「ふせ」と声をかけ、すぐにご褒美を与えます。この動作を繰り返し練習することで、「ふせ」の言葭に反応して伏せる゙ようになります。
「ふせ」のコマンドを教える際は、愛犬の性格や体型に合わせて進めることが大切です。神経質な犬や警戒心の強い犬の場合、最初は完全に伏せる必要はなく、少しずつ姿勢を低くしていくことから始めましょう。また、床の素材や温度にも注意を払い、愛犬が快適に伏せられる環境を整えることが重要です。

2-4まて(ステイ)

「まて」は、愛犬をその場に留まらせるためのコマンドです。散歩中の一時停止や、来客時の玄関での待機など、さまざまな場面で活用できます。このコマンドは、愛犬の自制心を養うのにも役立ちます。
・教え方
「おすわり」や「ふせ」の状態から始めます。愛犬の前に立ち、手のひらを愛犬の方に向けて「まて」と声をかけます。数秒間待ち、愛犬が動かなければご褒美を与えます。徐々に待つ時間を延ばしていき、最終的には飼い主が離れても待てるように練習します。
「まて」のコマンドを教える際は、愛犬の集中力や忍耐力を考慮することが大切です。最初は短い時間から始め、少しずつ時間を延ばしていきましょう。また、練習の際は静かな環境から始め、徐々に刺激のある環境でも実践できるよう段階的に難易度を上げていくことが効果的です。

2-5よし(オーケー)

「よし」は、「まて」や他のコマンドを解除するためのコマンドです。愛犬に次の行動を取ってもよいことを伝える合図として使います。このコマンドは、他のコマンドと組み合わせて使うことで、より効果的な指示を出すことができます。
・教え方
「まて」のコマンドと組み合わせて練習します。「まて」で待機させた後、明るい声で「よし」と言いながら、愛犬を呼び寄せたり、ご褒美を与えたりします。この動作を繰り返し練習することで、「よし」の言葉で行動を再開してよいことを理解するようになります。
「よし」のコマンドを教える際は、一貫性を保つことが重要です。常に同じトーンと言葉で指示を出し、愛犬が混乱しないようにしましょう。また、「よし」の後には必ず何らかの行動や報酬があるようにすることで、愛犬の理解を深めることができます。
これらの基本的なコマンドを確実に習得することで、愛犬との日常生活がより円滑になります。しかし、コマンドの教育は一朝一夕にはいきません。根気強く、愛情を持って接することが大切です。また、愛犬の性格や学習スピードに合わせて、無理のないペースで進めていくことも重要です。

応用コマンドの種類

基本的なコマンドを習得したら、次は応用的なコマンドに挑戦してみましょう。これらのコマンドは、より複雑な状況や特定の目的に対応するために役立ちます。

3-1ハウス(クレート)

「ハウス」は、愛犬を特定の場所(ベッドやクレートなど)に行かせるためのコマンドです。来客時や夜間の就寝時など、愛犬を落ち着かせたい場面で使用します。
・教え方
指定した場所(ハウス)の近くで「ハウス」と声をかけ、その場所を指さします。愛犬がその場所に向かったら、すぐに褒めてご褒美を与えます。最初は愛犬をリードで誘導しても構いません。徐々に距離を離して練習し、最終的には離れた場所からでも「ハウス」のコマンドで指定の場所に行けるようにします。
「ハウス」のコマンドを教える際は、指定する場所を愛犬にとって快適な空間にすることが大切です。好きなおもちゃやベッドを置くなど、その場所に行くことがポジティブな経験となるよう工夫しましょう。

また、最初はハウスに入ったらすぐに出てくることを許可し、徐々に滞在時間を延ばしていくことで、ストレスなく学習を進めることができます。

3-2ちょうだい(ギブ)

「ちょうだい」は、愛犬が口にくわえているものを手放させるためのコマンドです。危険なものを誤って口にした場合や、おもちゃの取り合いを防ぐ際に役立ちます。
・教え方
愛犬がおもちゃなどをくわえているときに「ちょうだい」と声をかけ、手を差し出します。愛犬がおもちゃを手放したら、すぐに褒めてご褒美を与えます。最初は愛犬が自然に手放すタイミングを狙って練習し、徐々に声をかけてから手放すまでの時間を短くしていきます。
「ちょうだい」のコマンドを教える際は、愛犬が物を手放すことに抵抗を感じないよう配慮することが大切です。手放した後にはより価値のあるご褒美を与えたり、すぐにおもちゃを返したりすることで、物を手放すことがマイナスの経験にならないようにしましょう。また、さまざまな物で練習することで、どんな状況でも「ちょうだい」のコマンドに応じられるようになります。

3-3アピール(スピーク)

「アピール」は、愛犬に意図的に吠えさせるコマンドです。無駄吠えを制御するためのトレーニングや、コミュニケーションの一環として使用されます。
・教え方
愛犬が自然に吠えそうなタイミング(来客時やドアベルが鳴ったときなど)を狙って「アピール」と声をかけます。愛犬が吠えたら、すぐに褒めてご褒美を与えます。徐々に、「アピール」の声掛けだけで吠えるように練習します。
「アピール」のコマンドを教える際は、吠える回数や大きさをコントロールすることが大切です。1〜2回の短い吠え声を目標とし、過度な吠え声にならないよう注意しましょう。また、「アピール」と「静かに」のコマンドをセットで教えることで、吠える行為をより効果的にコントロールすることができます。

3-4タッチ(タッチ)

「タッチ」は、愛犬に特定の物や場所に鼻や前足で触れさせるコマンドです。より複雑な動作の基礎となったり、愛犬の注意を引きつけたりするのに役立ちます。
・教え方
手のひらや棒などの対象物を愛犬の鼻先に近づけ、「タッチ」と声をかけます。愛犬が鼻や前足で対象物に触れたら、すぐに褒めてご褒美を与えます。徐々に対象物を少し離して配置し、愛犬が自ら近づいてタッチするように練習します。
「タッチ」のコマンドを教える際は、愛犬が怖がらないよう、ゆっくりと段階的に進めることが大切です。最初は愛犬の好奇心を刺激するような、柔らかい素材や香りのついた対象物を使うと効果的です。また、タッチする場所や対象物を徐々に変えていくことで、さまざまな状況で「タッチ」のコマンドを使えるようになります。

コマンドを効果的に教えるためのポイント

コマンドを教える際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらを意識することで、より効率的かつ効果的に愛犬にコマンドを習得させることができます。

4-1一貫性を保つ

コマンドを教える際に最も重要なのは、一貫性を保つことです。同じコマンドには常に同じ言葉とジェスチャーを使い、家族全員で統一することが大切です。例えば、「おいで」と「こっちおいで」を混在させたり、家族によって使う言葉が異なったりすると、愛犬は混乱してしまいます。
また、コマンドに対する反応にも一貫性が必要です。正しく行動できたときは必ず褒め、できなかったときは無視または軽く注意するなど、一定のルールを設けましょう。この一貫性が、愛犬の理解を深め、学習速度を上げることにつながります。

4-2ポジティブな強化を心がける

コマンドの教育では、ポジティブな強化が非常に効果的です。愛犬が正しく行動できたときは、すぐに褒めてご褒美を与えましょう。ご褒美は、おやつだけでなく、撫でる、遊ぶなど、愛犬が喜ぶものであれば何でも構いません。
ポジティブな強化を行うことで、愛犬はコマンドに従うことが楽しい経験だと認識するようになります。これにより、自発的にコマンドに従おうとする意欲が高まり、学習効果が大幅に向上します。
一方で、叱ることや罰を与えることは避けましょう。ネガティブな経験は、愛犬の学習意欲を低下させ、飼い主との信頼関係を損なう可能性があります。

4-3短時間で集中的に練習する

犬の集中力は人間ほど長くありません。そのため、一回の練習は5〜10分程度の短時間で行い、その代わりに1日に数回練習する方が効果的です。愛犬が飽きてしまったり、疲れてしまったりしたら、その日の練習は終了にしましょう。
また、練習の時間帯も重要です。食事の直後や疲れているときは避け、愛犬が元気で機嫌の良いときに練習を行うのが理想的です。朝の散歩前や、おやつの時間など、愛犬が積極的に反応しやすいタイミングを選びましょう。

4-4少しずつ難易度を上げる

コマンドを教える際は、簡単なところから始めて徐々に難易度を上げていくことが大切です。例えば、「おいで」のコマンドなら、最初は短い距離から始め、少しずつ距離を伸ばしていきます。また、静かな室内から始めて、徐々に外の刺激のある環境でも実践できるよう練習していきます。
このように段階的に難易度を上げていくことで、愛犬は自信を持ってコマンドを習得していけます。急に難しい課題を与えると、愛犬が戸惑ったり、失敗体験を重ねたりしてしまう可能性があります。愛犬のペースに合わせて、ゆっくりと着実に進めていくことが重要です。

4-5日常生活に組み込む

コマンドの練習は、特別な時間を設けて行うだけでなく、日常生活の中に自然に組み込んでいくことが効果的です。例えば、食事の前に「おすわり」をさせたり、散歩に出かける前に「まて」を使ったりするなど、日常的な場面でコマンドを使用する機会を増やしましょう。
このように日常的にコマンドを使用することで、愛犬はコマンドをより自然に、そして確実に身につけていくことができます。また、さまざまな状況でコマンドを使うことで、愛犬の理解度も深まり、より柔軟に対応できるようになります。

4-6個性に合わせて教え方を変える

すべての犬が同じように学習するわけではありません。犬種や個性によって、学習スピードや得意不得意が異なります。例えば、活発な犬種では動的な練習方法が効果的かもしれませんし、臆病な犬では少しずつゆっくりと進めていく必要があるかもしれません。
愛犬の性格や反応をよく観察し、個性に合わせたアプローチを心がけましょう。愛犬が楽しみながら学べる方法を見つけることが、スムーズな学習につながります。

コマンドを使う際の注意点

コマンドを効果的に使用するためには、いくつかの注意点があります。これらを意識することで、より円滑にコマンドを活用し、愛犬とのコミュニケーションを深めることができます。

5-1声のトーンと大きさに気をつける

コマンドを出す際の声のトーンや大きさは、愛犬の反応に大きく影響します。基本的には、明るく前向きなトーンで話しかけることが効果的です。ただし、「まて」や「ダメ」など、制止を意味するコマンドの場合は、少し低めの声で落ち着いた態度で伝えましょう。
また、必要以上に大きな声を出すのは避けましょう。大きすぎる声は、愛犬を興奮させたり、逆に怖がらせたりする可能性があります。通常の会話程度の声の大きさで十分です。

5-2タイミングを重視する

コマンドを出すタイミング、そして褒めるタイミングは非常に重要です。愛犬が行動を起こそうとしたその瞬間にコマンドを出し、正しい行動ができたらすぐに褒めることが大切です。
タイミングが遅れると、愛犬はどの行動に対してコマンドが出されたのか、あるいはどの行動が褒められたのかを理解できなくなります。常に愛犬の行動を注視し、適切なタイミングでコマンドを使用することを心がけましょう。

5-3過度な要求は避ける

愛犬の能力や体調に合わせて、適切な要求をすることが大切です。長時間のトレーニングや、難しすぎる課題を与えることは、愛犬にストレスを与える可能性があります。
特に、「まて」のコマンドなど、愛犬に我慢を強いるものは、徐々に時間を延ばしていくなど、段階的に難易度を上げていく必要があります。愛犬の様子を見ながら、無理のない範囲で練習を進めましょう。

5-4環境に配慮する

コマンドの練習や実践を行う際は、周囲の環境にも注意を払いましょう。特に初期の段階では、静かで落ち着いた環境で練習を行うことが効果的です。徐々に、公園や街中など、さまざまな刺激がある環境でも実践できるよう練習していきます。
また、他の人や動物がいる場所でコマンドを使用する際は、周囲への配慮も忘れずに。特に「アピール」など、音を出すコマンドは、状況をよく見極めて使用しましょう。

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まとめ

犬のコマンドは、愛犬との円滑なコミュニケーションを図り、安全で快適な生活を送るために欠かせないものです。基本的なコマンドから応用的なものまで、段階的に学んでいくことで、愛犬はより賢く、従順に成長していきます。
コマンドを教える際は、一貫性を保ち、ポジティブな強化を心がけ、愛犬のペースに合わせて進めていくことが大切です。また、日常生活の中でコマンドを活用することで、より自然に、確実にコマンドを身につけさせることができます。愛犬との絆を深め、より豊かな生活を送るためにも、ぜひコマンドのトレーニングに取り組んでみてください。

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