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子犬のしつけ方法とは?順番や何ヶ月から始めればいいかを解説

子犬を迎えたばかりの飼い主さんの多くが、しつけについて悩みを抱えています。「いつから始めるべき?」「何を教えればいい?」「正しい方法は?」など、疑問は尽きません。子犬との生活を楽しく快適にするには、適切なしつけが欠かせません。本記事では、子犬のしつけ方法や開始時期、順番について詳しく解説していきます。
子犬のしつけ方法とは?順番や何ヶ月から始めればいいかを解説

目次
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子犬のしつけはいつから始めるべき?

子犬のしつけを始める適切な時期について、多くの飼い主さんが悩まれることでしょう。早すぎるとまだ子犬が理解できず、遅すぎると上手くしつけるのが難しくなります。では、いつからが最適なのでしょうか。

1-1生後2〜3ヶ月頃が理想的

子犬のしつけは、一般的に生後2〜3ヶ月頃から始めるのが理想的とされています。この時期は「社会化期」と呼ばれ、新しい環境や経験に対して柔軟に適応できる期間です。脳の発達も進み、基本的な指示を理解し始める頃でもあります。
ただし、個体差もあるため、愛犬の様子を見ながら柔軟に対応することが大切です。早すぎると理解が難しく、遅すぎると自我が芽生え始めて扱いにくくなる可能性があります。

1-2子犬を迎えたらすぐに始められること

生後2〜3ヶ月を待たずとも、子犬を迎えたらすぐに始められるしつけもあります。例えば、名前を覚えさせることやトイレトレーニングは早めに取り組むことができます。これらは基本的な生活習慣の一部であり、愛犬との信頼関係を築く上でも重要です。
子犬を迎えたら、まずは新しい環境に慣れさせることから始めましょう。安心できる場所を用意し、優しく接することで、飼い主さんとの絆を深めていきます。この時期から、基本的なルールや生活リズムを少しずつ教えていくことができます。

子犬のしつけの順番とは?

子犬のしつけには、いくつかの基本的な要素があります。これらを適切な順番で進めることで、効果的にしつけを行うことができます。

2-1信頼関係の構築

しつけの第一歩は、愛犬との信頼関係を築くことです。優しく接し、スキンシップを取り、安心できる環境を提供しましょう。信頼関係があってこそ、その後のしつけがスムーズに進みます。
信頼関係を築くためには、子犬の気持ちを理解し、寄り添うことが大切です。無理に何かを強制するのではなく、子犬のペースに合わせて接していきます。一緒に遊んだり、撫でたりすることで、飼い主さんが安全で快適な存在だと認識させます。

2-2名前を覚えさせる

愛犬に名前を覚えさせることは、コミュニケーションの基本です。呼んだ時に反応してくれるようになれば、その後のしつけもやりやすくなります。名前を呼んで反応したら褒めるなど、正の強化を用いて教えていきましょう。
名前を教える際は、短く、明確に発音することが大切です。子犬の気を引いてから名前を呼び、反応したらおやつや褒め言葉で報酬を与えます。これを繰り返すことで、徐々に名前を認識するようになります。

2-3トイレトレーニング

清潔で快適な生活のために、トイレのしつけは欠かせません。決まった場所でトイレができるよう、根気強く教えていきます。成功したらたくさん褒めて、失敗しても叱らないことが大切です。
トイレトレーニングでは、子犬の生理的なリズムを把握することが重要です。食事の後や起床時、遊んだ後などにトイレに連れて行き、成功したら大いに褒めます。失敗した場合も、叱るのではなく静かに掃除をしましょう。
子犬のしつけの基本と順番について理解したところで、次はより具体的な方法やポイントを見ていきましょう。

子犬の効果的なしつけ方法

子犬のしつけを効果的に行うには、いくつかのポイントがあります。これらを意識しながら、愛犬とのコミュニケーションを深めていきましょう。

3-1アイコンタクトを大切に

アイコンタクトは、飼い主と愛犬のコミュニケーションの基本です。名前を呼んだ時に目を合わせるよう教えることで、その後の指示も通りやすくなります。アイコンタクトができたら褒めて、良い経験として覚えさせましょう。
アイコンタクトを教える際は、まず子犬の名前を呼びます。振り向いたら、すぐにおやつを見せて興味を引きつけます。子犬が飼い主の顔を見たら、即座におやつを与えて褒めます。この練習を繰り返すことで、名前を呼ばれると飼い主を見る習慣が身につきます。

3-2基本的なコマンドを教える

「おすわり」「ふせ」「まて」などの基本的なコマンドは、愛犬の行動をコントロールする上で重要です。これらを教える際は、一貫性を持って指示を出し、成功したら必ず褒めるようにしましょう。短い練習を繰り返し行うことで、徐々に習得していきます。
コマンドを教える順番は、一般的に以下のようになります。
・おすわり
・ふせ
・まて
・おいで
・つけ(散歩時のリードなしでの歩行)
これらのコマンドを教える際は、子犬の集中力が続く短い時間で練習します。1回の練習は5〜10分程度にとどめ、1日に数回繰り返すのが効果的です。

3-3ボディコントロールに慣れさせる

愛犬の体に触れることに慣れさせるのも、重要なしつけの一つです。グルーミングや健康チェック、病院での診察をスムーズに行うためにも必要です。優しく触れることから始め、徐々に全身に触れられるよう慣らしていきます。
ボディコントロールのトレーニングでは、以下の順序で進めるのが良いでしょう。
1.子犬が比較的受け入れやすい部分から触れ始める(頭や背中など)
2.徐々に敏感な部分にも触れていく(耳や口、足、お腹など)
3.実際のケアの動作を少しずつ導入する(爪切りやブラッシングなど)
こうしたトレーニングを通じて、子犬は人間に触られることを心地よい経験として認識するようになります。

3-4社会化を育む

子犬の成長にとって、社会化は非常に重要です。さまざまな人や動物、環境に触れることで、将来的な問題行動を予防できます。ただし、予防接種が完了するまでは、安全に配慮しながら進める必要があります。
社会化のポイントは以下の通りです。
・さまざまな人と触れ合う機会を作る
・他の犬や動物との適切な交流を持たせる
・車の音や掃除機の音など、日常的な音に慣れさせる
・散歩の際に新しい環境に触れさせ、好奇心を育む
社会化は生後3ヶ月頃までが特に重要な時期とされていますが、その後も継続的に行うことが大切です。

3-5噛み癖の改善

子犬の時期は歯が生え変わる時期でもあり、物を噛みたくなる衝動が強くなります。しかし、人の手や家具を噛む癖がついてしまうと問題になるので、早めに対処する必要があります。
噛み癖の改善には以下の方法が効果的です。
・噛むおもちゃを用意し、それを噛んでもらう
・人の手を噛んだ場合は、すぐに痛いことを伝える
・噛む前兆が見られたら、注意をそらす
・適切に噛むおもちゃで遊んでいる時は、大いに褒める
これらの方法を根気強く続けることで、適切な噛み方を学んでいきます。

3-6留守番トレーニング

飼い主が外出する際、子犬を一人で留守番させることも必要になります。最初は不安や寂しさから問題行動を起こすかもしれませんが、適切なトレーニングで徐々に慣れさせていくことができます。
留守番トレーニングのステップは以下の通りです。
1.初は数分程度から始め、徐々に時間を延ばしていく
2.出かける前に遊びで子犬のエネルギーを発散させる
3..水、おもちゃ、休める場所などを用意する
4.出かける時と帰宅時は、大げさな別れや挨拶を避ける
5.留守番中は子犬の好きな音楽やテレビをつけておく
こうしたステップを踏むことで、子犬は徐々に一人で過ごすことに慣れていきます。

子犬のしつけで気をつけるべきポイント

子犬のしつけを進める上で、いくつか注意すべきポイントがあります。これらを意識することで、より効果的かつ楽しくしつけを行うことができます。

4-1短時間で集中的に行う

子犬の集中力は長く続きません。そのため、1回のトレーニングは5〜10分程度にとどめ、1日に数回に分けて行うのが効果的です。短時間でも集中して行うことで、子犬の学習効果が高まります。 また、子犬の気分や体調に合わせてトレーニングの時間や頻度を調整することも大切です。
遊びの要素を取り入れたり、子犬が好きな場所でトレーニングを行ったりすることで、楽しみながら学ぶ環境を作ることができます。子犬が飽きてきたり、疲れた様子が見られたりしたら、すぐにトレーニングを終了し、休憩を取らせましょう。
一貫したしつけを大切に
一貫したしつけを大切に しつけを行う際は、家族全員で一貫した対応をすることが重要です。使用する言葉や指示の出し方、褒め方などを統一し、混乱を避けましょう。例えば、「おすわり」と「座れ」など、 異なる言葉を使うと子犬が戸惑ってしまいます。
家族全員でしつけの方針や目標を話し合い、共通認識を持つことも大切です。子犬に接する際のルールを決め、それを家族全員が守ることで、子犬にとって分かりやすい環境を作ることができます。また、来客時や外出時など、様々な状況でも一貫した対応ができるよう、事前に家族で打ち合わせをしておくとよいでしょう。

4-2ポジティブな強化を心がける

ポジティブな強化を心がける 叱ることよりも、褒めることに重点を置きましょう。子犬が正しい行動をとった時は、即座に褒めて報酬を与えます。これにより、その行動が良いものだと認識し、繰り返すようになります。叱ることが多いと、子犬は萎縮してしまい、学習意欲が低下してしまうため注意が必要です。
報酬は、おやつだけでなく、撫でる、遊ぶなど、子犬が喜ぶものであれば何でも構いません。子犬の好みに合わせて、効果的な報酬を見つけていくことが大切です。また、望ましくない行動があった場合は、叱るのではなく、その行動を無視し、代わりに正しい行動を教えるようにしましょう。これにより、子犬は自然と望ましい行動を学んでいきます。

4-3子犬の成長段階に合わせる

子犬の成長は個体差があります。焦らずに、愛犬のペースに合わせてしつけを進めていきましょう。うまくできない場合は、より簡単なステップに戻って練習することも大切です。 子犬の身体的・精神的な成長に合わせて、適切なトレーニング内容を選択することが重要です。
例えば、生後2〜3ヶ月の子犬には基本的な社会化やトイレトレーニングを中心に行い、4〜6ヶ月になったら基本的な命令や散歩のマナーなどを教えていくといった具合です。また、子犬の性格や得意・不得意を把握し、それに合わせたアプローチを取ることで、より効果的なしつけが可能になります。

4-4長期的な視点を持つ

しつけは一朝一夕にはいきません。時には挫折を感じることもあるでしょう。しかし、根気強く続けることが大切です。少しずつでも進歩が見られたら、それを喜び、モチベーションにつなげていきましょう。 子犬の成長を記録することで、長期的な進歩を実感しやすくなります。
日記をつけたり、動画を撮影したりして、子犬の成長を振り返ることができます。また、他の飼い主さんと情報交換をしたり、ドッグトレーナーに相談したりすることで、新しいアイデアを得たり、悩みを解決したりすることができます。困難に直面しても、愛情を持って根気強く接することで、きっと素晴らしい家族の一員に育っていくはずです。

子犬のしつけにおける注意点

子犬のしつけを行う上で、避けるべき行動もあります。これらの点に注意することで、より健全な関係を築くことができます。

5-1体罰は絶対に避ける

叩いたり、怒鳴ったりするなどの体罰は、決して行わないようにしましょう。体罰は子犬に恐怖心を植え付け、信頼関係を壊してしまいます。また、攻撃性を引き出す原因にもなり得ます。

5-2過度のストレスを与えない

過度のストレスを与えない しつけに熱心なあまり、子犬に過度のストレスを与えてしまうことがあります。長時間のトレーニングや、難しすぎる課題は避けましょう。子犬が疲れている様子や嫌がる様子が見られたら、すぐに休憩を取るか、その日のトレーニングを終了させましょう。 また、子犬のボディランゲージを読み取る能力を磨くことが重要です。
耳を後ろに倒す、尻尾を下げる、よだれを多く出す、過度に落ち着きがなくなるなどの兆候は、ストレスのサインかもしれません。トレーニング中は常に子犬の様子を観察し、ストレスを感じているようであれば、すぐに方法を変更したり、中断したりする柔軟さが必要です。リラックスした雰囲気でトレーニングを行うことで、子犬はより効果的に学習できます

5-3一度に多くのことを教えない

一度に多くのことを教えない 子犬の学習能力には限界があります。一度にたくさんのことを教えようとすると、混乱してしまいます。基本的なことから順番に、ゆっくりと進めていくことが大切です。 新しい命令や技を教える際は、一つずつ確実に習得させてから次に進むようにしましょう。
例えば、「おすわり」が完全にマスターできてから「ふせ」を教えるといった具合です。また、既に学んだことを定期的に復習することも重要です。これにより、学習内容が長期記憶に定着し、より確実なものとなります。子犬の理解度に合わせて、適切な難易度と進度を保つことが、効果的な学習につながります。

5-4犬種の特性を理解する

犬種によって性格や学習能力に違いがあります。例えば、ハーディング犬種は動くものを追いかける本能が強く、テリア系は独立心が強い傾向があります。愛犬の犬種特性を理解し、それに合わせたアプローチを心がけましょう。
犬種の習性や傾向を知ることで、犬種特有の行動や傾向をより深く理解できます。例えば、レトリーバー系は物を咥えて運ぶことを好む傾向があるため、おもちゃを使ったトレーニングが効果的です。一方、ガード犬として育てられた犬種は、見知らぬ人に警戒心を示す傾向があるため、幼い頃からの社会化が特に重要です。

5-5健康状態に注意を払う

しつけがうまくいかない場合、健康上の問題が隠れている可能性もあります。普段と様子が違う、急に言うことを聞かなくなったなどの変化が見られたら、獣医師に相談することをおすすめします。

子犬のしつけで陥りやすい失敗

子犬のしつけを行う中で、多くの飼い主さんが陥りやすい失敗があります。これらを認識し、避けることで、より効果的なしつけを実現できます。

6-1一貫性の欠如

家族間でしつけの方法や基準が統一されていないと、子犬は混乱してしまいます。例えば、ある家族メンバーはソファーに上がることを許可し、別のメンバーは禁止するといった状況です。家族全員で話し合い、ルールを統一することが重要です。

6-2タイミングの悪い褒め方や叱り方

子犬の行動に対する反応は、即座に行う必要があります。行動から時間が経ってから褒めたり叱ったりしても、子犬はその行動と関連付けることができません。常に子犬の行動を観察し、適切なタイミングで対応することが大切です。

6-3過度の期待

子犬は人間の赤ちゃんと同じように、時間をかけて成長していきます。1日や1週間で劇的な変化を期待するのは現実的ではありません。長期的な視点を持ち、少しずつの進歩を喜ぶ姿勢が大切です。

6-4交流の不足

十分な社会化の機会を設けないと、将来的に問題行動につながる可能性があります。人や他の動物、さまざまな環境に慣れさせることは、子犬の成長にとって非常に重要です。ただし、予防接種が済むまでは、安全に配慮しながら進める必要があります。

6-5運動不足

十分な運動をしないと、子犬はストレスを溜め、問題行動を起こしやすくなります。年齢や犬種に適した運動量を確保し、体と心の健康を維持することが大切です。

6-6過保護になりすぎる

子犬に対して過保護になりすぎると、自立心や問題解決能力の発達を妨げる可能性があります。適度な挑戦や経験を通じて、子犬が自信を持って成長できるよう支援することが大切です。

しつけを深く学びたい方は資格取得もおすすめ

子犬のしつけについてさらに深く学びたい方には、資格取得という選択肢もあります。ここでは、おすすめな2つの資格をご紹介します。
犬のしつけインストラクター資格
犬のしつけインストラクター資格は、犬のしつけに関する総合的な知識とスキルを証明するものです。取得すると、犬種による特性の違いや、首輪・ハーネスなどの道具を用いたしつけ方法、犬の性格に応じたアプローチなどを学ぶことができます。
食糞や咥えた物を離させる方法、飛びつき癖の改善、立ち入り禁止エリアの教え方など、具体的な問題行動への対処法も習得できます。さらに、掃除機など音を出すものへの無駄吠えへの対策や、室内での無駄吠え防止方法なども学びます。

7-1ドッグトレーニングアドバイザー資格

ドッグトレーニングアドバイザー資格は、家庭犬のしつけに関する基礎的な知識とトレーニング手順を習得していることを認定するものです。アイコンタクトやハンドサインの使い方、基本的なコマンド(おすわり、ふせ、待て、おいで)の教え方などを学びます。
また、甘噛みの防止や、玄関チャイムや来客時の対応トレーニング、室内・屋外でのトイレトレーニング、初めての散歩の方法など、日常生活で必要なしつけについても詳しく学ぶことができます。
さらに、首輪やハーネスの適切な使用方法、知育玩具を活用したトレーニング方法、神経質な犬や活発な犬へのアプローチの違いなど、犬の個性に合わせたしつけ方法も習得できます。

まとめ

子犬のしつけは、愛犬との幸せな生活を送るための重要な過程です。生後2〜3ヶ月頃から本格的に始め、基本的なコマンドやマナーを教えていきます。しつけを行う際は、一貫性を保ち、ポジティブな強化を心がけることが大切です。また、子犬の個性や成長段階に合わせて、柔軟に対応することも重要です。粘り強く、愛情を持って接することで、きっと立派な成犬に育てることができるでしょう。専門家に相談したり、資格取得を目指したりするのも良い選択肢です。愛犬との生活を楽しみながら、少しずつ成長を見守っていきましょう。

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