ペット介護士は犬と猫の健康管理や病気のケアなどについて詳しい知識を持ち、実際にその知識を活かしてペットの世話ができる職業です。
近年では犬や猫が長生きしやすい環境になっていますが、年を取ることで起こる怪我や病気も生じがちで、それらに対応できるペット介護士も必要になってきています。
そんなペット介護士としての活動に特別な資格は必要ありませんが、実力を証明することや信頼を得るためには資格を持っておくことが望ましいものです。
そこで、この記事ではペット介護士の概要や職場などを見ながら、その肩書として相応しい資格について紹介していきます。
ペット介護士になるために、ある程度情報収集されている人もいると思いますが、まずはペット介護士の基本的な部分と、なぜ資格の所持が望まれるかという理由について見ていきます。
ペット介護士はペットとして飼われることが多い犬や猫の老後の介護を中心に動物のケアについて様々な専門的な知識を習得しており、健康管理を行ったり、飼い主に対してアドバイスしたりする職業です。
犬や猫が長生きできることは飼い主にとって良いことであるはずですが、現実に老犬や老猫を飼い続ける際には様々な問題が出てくるもので、心無い人はそのようなペットを捨ててしまうことがあります。
そんな事態を防ぐためにペットを預かる老犬ホームなどで働くこともあれば、自宅に訪問して様態を見るなど、様々な形でペットの介護をサポートしていきます。
ペット介護士は定まった名称ではなく、動物介護士や老犬介護士など様々な呼び方がありますが、いずれの名称でも国が決めた規定や資格は存在していません。
そのため、ペット介護士は極端に言えば特に資格や実績なく始めることも可能なのですが、現実的に考えるとペット介護の関連資格を取得しておくことが望ましいものです。
ペット介護士として関わる動物たちは、老衰による体力の低下や病気にかかっていることもあるので、正しい対処をしてあげないと体へ負担をかけてしまう可能性があります。
老犬や老猫のその後の生活を守るためのペット介護士が、もしそのような事態を招いてしまうと、飼い主から信頼されないだけではなく、ペット介護士側も本意ではないものです。
そのため、いくらペット介護士としての活動に条件がなくても、本格的な勉強はしておくべきであり、実際に働く時に利用者から信頼して貰えるように、知識やそれを活かせるだけの実力を証明できる資格を取得しておくべきなのです。
ペット介護士になるために関連する資格取得を考える場合は、資格試験を受けるまでの学習方法について決めなければいけません。
ただ、資格取得者自身の現状から学習できる場というのは限られるので、現在の生活リズムを崩さないような学習方法を選択した方が良いものです。
ペット介護関連の資格で必要になる知識を学べる場として、最初に考えられるのは動物系やペットビジネス系の科がある専門学校です。
近年では働きながら専門学校に通えるようにサポートする制度もあるため、社会人や専業主婦・主夫でも選択肢になる可能性はあります。
しかし、現実的に考えると両立のためにはかなりのお金と体力が必要になるため、万人が使える手段とは言い難いものです。
専門学校よりも身近に通える可能性があるのは、カルチャーセンター等で開講される教室・スクールになります。
しかし、講座のジャンルとしてペット関連のものは多数ありますが、ペット介護に絞ってみると講座はほとんどなく、学習の場として利用するのは難しい状態です。
通信講座ではペット介護に関する講座は数多く存在しており、中には資格を発行する協会と連携して、勉強がそのまま資格試験対策になる講座もあります。
仕事や家事の両立で考えても通信講座の教材であれば、自分で時間と場所を決めて勉強が始められるので、隙間時間を活用できます。
勉強のモチベーションを自分で維持する必要はありますが、近年の通信講座であれば質問・疑問に対するサポートや添削が充実しているため、続けやすいものです。
他の2つの手段が使いづらいこともありますが、メリットが多いところでも通信講座が学習方法として適していると言えます。
ペット介護関連の資格を取得して、晴れてペット介護士と名乗れるようになった後に働ける職場としては様々な候補があります。
そんな資格取得後の職場の候補とその仕事内容を見ていきます。
ペット介護士として活動を始める時は犬や猫を預かる専門施設が候補として一番考えられる場所になります。
老犬ホームのように犬もしくは猫のみを預かるところもあれば、実際の施設としては分けられていますが、両方を預かるところもあるので、どちらを見たいか希望がある場合は単体の専門施設を希望した方が良いものです。
基本は家で犬や猫を飼うのと同じように散歩や食事、手入れなどの世話をしていきますが、病気があったり、寝たきりだったりする犬や猫に関してはサポートしながら見ていきます。
また、同じ施設内で相性の良い犬や猫に関しては一緒に遊ばせるなど、なるべく普通の生活に近づけるように普段の行動を観察することも対峙な役割です。
近年ではペット専用のサロンやホテルも数を増やしており、その中で老犬や老猫を預かる機会も多くなっていることから、そこでもペット介護士やその知識が必要とされることがあります。
ペット介護士専属で入るというよりは、サロンやホテルのスタッフとして働きながら、老犬や老猫が来た時に適切なお世話や、ペットに負担がかからない対応していくことになるものです。
その場合はサロンやホテルで働くための知識も必要になってくるので、他のペットに関連する資格の取得も視野に入れると良いと言えます。
上記の2つの職場については個人開業することも選択肢の一つになります。
個人で見ていく時は、施設のように複数の面倒を見ることは難しくなりますが、自宅開業であれば元いた場所とあまり変わらない環境で過ごせることになるので、犬や猫にとっては施設よりも良い環境になることもあります。
また個人開業で言えば、現時点ではあまりないペット介護についての教室・スクールも候補になるものです。
最後まで自宅で面倒を見てあげたい飼い主に対して、資格を取得する過程で得た知識をわかりやすく教えて貰えるのは、一定の需要があります。
ペット介護士を目指す人は、犬や猫が好きな人であることが前提となるもので、その気持ちがあれば向いていますが、それに加えて根気がある人は更に向いていると言えます。
ペットを世話することは、好きな気持ちがあればできるものと思うかもしれませんが、複数の犬・猫を見ることや寝たきりの犬・猫の世話やそれに伴う準備は、普通に飼うよりも何倍も大変に感じることがあります。
そのため、ペット介護士は知識や実力と共に根気や体力も必要になるのです。仕事を続けていれば、体も慣れていくものですが、始める前に好きな気持ち以上に大変なところがあることは覚えておくべきです。
ペット介護士としての知識や、実力を証明できる資格には様々な種類があり、発行する協会によって内容も少しずつ異なるものです。
そんなペット介護士関連の資格の中でよく挙げられる5つの民間資格について見ていきます。
犬猫介護アドバイザー資格は日本生活環境支援協会(JLESA)が発行しており、犬と猫の大きさごとの対応や食事の作り方など介護についての知識があることを証明する資格です。
犬と猫の介護について基礎的な部分の実力が明らかにできるため、どの職場でも提示しやすい資格になります。
受験資格 | なし |
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受験料 | 10,000円(税込) |
受験申請 | 公式サイトから申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
ペット介護インストラクターは日本インストラクター技術協会(JIA)が発行しており、ペット介護に関して状況別の対応方法についての知識があることを証明する資格です。
ワクチン接種や排泄補助など様々な状況を想定した対応ができることは預かり施設を始め、様々な職場で役立ちます。
受験資格 | なし |
---|---|
受験料 | 10,000円(税込) |
受験申請 | 公式サイトから申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回ペースで開催(年度による) |
ペット介護士資格は群馬県にある「世界の名犬牧場」とがくぶんが連名で発行しており、犬と猫の体や行動の特徴から実際の健康管理の方法まで幅広い知識を持っていることを証明する資格です。
家庭で飼うペットに使える知識を中心にペット業界への就職に向けても提示できる資格として使えます。
受験資格 | 指定の講座を受講すること |
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受験料 | 39,900円(税込) |
受験申請 | 公式ホームページ各申込から |
受験方法 | なし(講座の終了により取得) |
合格基準 | ー |
試験日程 | ー |
動物介護士資格は一般財団法人日本ペット技能検定協会が発行しており、自らのペット介護及び施設に預けられるペット介護についてサポートできることを証明する資格です。
ペットに関わる様々な資格を発行している協会の資格であり、名称は動物となっていますが、犬と猫を対象としたものであるため、他の資格と同じく老犬ホーム等に提示できます。
受験資格 | 協会の指定講座を受講する(複数あり) |
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受験料 | 14,000円(税込) ※受講料は講座ごとに異なる |
受験申請 | 公式ホームページの各申込から |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | ー |
試験日程 | 随時開催 |
JCSA 認定「老犬介護士」資格は日本ケンネルカレッジが発行しており、犬の老化に関してそれに対応した健康チェックや応急処置などの実践知識があることを証明する資格です。
こちらは犬限定かつ講座も指定されていますが、老犬介護をしてきた動物看護師のノウハウを参考にした専用教材で学べるところが魅力になります。
受験資格 | 日本ケンネルカレッジの「老犬介護士養成専門講座」を受講 |
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受験料 | 77,000円(税込) ※講座から資格取得まで |
受験申請 | 公式ホームページの各申込から |
受験方法 | なし(講座の終了により取得) |
合格基準 | ー |
試験日程 | ー |
先に紹介した5つの資格の中で敢えて1つおすすめ資格を選ぶとしたら「犬猫介護アドバイザー資格」です。
犬と猫の介護について基礎的な部分の実力を証明できることはどの職場でも活かしやすい資格になっています。
また、犬猫介護アドバイザー資格は受験資格を特に指定していないため、自分に合った教材や講座を選んで勉強を進められるところも良い点です。
もしも犬猫介護アドバイザー資格の試験勉強の教材選びに迷っている場合は「SARAスクールジャパン」もしくは「諒設計アーキテクトラーニング」がおすすめの講座です。
その理由は二つの通信講座は犬猫介護アドバイザー資格を発行する日本生活環境支援協会より認定校の証明を受けているからです。
二つの通信講座で用意されているカリキュラムを進めることで、試験に対応した勉強ができるだけでなく、通常の受験よりも有利になる部分があります。
SARAスクールジャパンの犬猫介護アドバイザー資格に関連した勉強ができる講座としては以下の2つのコースがあります。
SARA School JAPAN | 基本コース | プラチナコース |
---|---|---|
受講料 | 59,800円 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
資格試験 | 公式サイトで各自申込 | 免除(課題提出のみで卒業と同時に犬猫介護アドバイザー資格とペット介護インストラクター資格を取得) |
認定試験受験費用 | 各資格10,000円(税込) | 免除 |
内容としては、先に紹介したペット介護インストラクター資格の試験でも使える教材とカリキュラムが含まれています(こちらの資格についても協会認定です)。
そして、プラチナコースにある特典として、卒業課題提出のみで犬猫介護アドバイザー資格とペット介護インストラクター資格を取得できるというものがあり、このコースでは本来の試験の受験費用をプラスするだけで試験免除できるというお得なものになっています。
ただし、犬猫介護アドバイザー資格のみの取得で考えると、ペット介護インストラクター資格分の受験費用を払う必要があるため、複数の資格は必要ない場合は基本コースでも十分なものです(その場合は講座とは別に認定試験に申し込む必要があります)。
受講期間は1日30分の勉強で6ヶ月が想定されていますが、勉強時間が確保できれば更に早い取得も可能で、公式の想定では最短2ヶ月取得も可能となっています。
諒設計アーキテクトラーニングの犬猫介護アドバイザー資格に関連した勉強ができる講座としては以下の2つのコースがあります。
諒設計アーキテクトラーニング | 基本講座 | スペシャル講座 |
---|---|---|
受講料 | 59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
資格試験 | 公式サイトで各自申込 | 免除(課題提出のみで卒業と同時に犬猫介護アドバイザー資格とペット介護インストラクター資格を取得) |
認定試験受験費用 | 各資格10,000円(税込) | 免除 |
講座の概要としてはSARAスクールジャパンと同様になっていますが、使用される教材やカリキュラムは違うものになっています。
認定講座であることは双方変わりないので、公式サイトの情報や資料請求で確認して自分に合うと思う方を選ぶと良いものです。
犬や猫の介護の知識があって、施設やサロンなどで活躍できるペット介護士は、始める際に特定の条件はありませんが、老犬や老猫の安全な生活を目指すのなら、ペット介護関連の資格を取得することが望ましい職業になります。
それを踏まえて資格取得を目指すのであれば、通信講座の利用によって忙しい中でも学習を進められ、数ある資格の中で日本生活環境支援協会の「犬猫介護アドバイザー資格」が基礎的な部分が学べることからおすすめです。
そして、その犬猫介護アドバイザー資格は「SARAスクールジャパン」か「諒設計アーキテクトラーニング」であれば、協会認定講座として学びやすいだけでなく、試験免除などの特典を受けられるものです。
ペット介護士として就職する履歴書に書くためや、知識がある証明をしたいと考えている人は、ぜひ上記の資格と通信講座を検討してみてください。