閉じる
ペットホテルソムリエ®資格

ペットホテルスタッフの仕事内容は?年収・やりがい・一日の流れを解説

「ペットホテルの具体的な仕事内容がわからない」
「興味はあるけれど、給料は十分なのかな」
「休日はちゃんと取れるのかな」
など、ペットホテルスタッフの仕事に興味を持ちながらも、具体的な情報が少なくて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、ペットホテルスタッフの仕事内容や年収、やりがい、一日の流れについて詳しく解説していきます。
ペットホテルスタッフの仕事内容は?年収・やりがい・一日の流れを解説

目次
ペットホテルソムリエ®資格認定試験はこちら
https://www.nihonsupport.org/petshikaku/pethotel/

ペットホテルとは?

出張や旅行で家を空けなければならない…しかし困るのは大切なペットのお世話でしょう。そんな悩みを解決してくれるのが、ペットホテルです。ここでは、ペットホテルの基本的な役割を解説していきます。

1-1ペットホテルの役割

ペットホテルには、大きく分けて2つの重要な役割があります。1つ目は、飼い主が安心してペットを預けられる「第二のおうち」としての役割です。旅行や出張、入院など、やむを得ない事情で一時的に家を空けなければならない時、ペットホテルは、愛するペットを安全に預けられる場所として機能しています。
スタッフが24時間体制で見守り、食事や運動、健康管理まで、きめ細やかなケアを提供することで、飼い主の不安を解消しているのです。また、長期の預かりにも対応できるよう、アットホームな雰囲気づくりにも力を入れています。

1-2ペットホテルの現状

近年のペットホテルは、ただの預かり施設から、総合的なペットケア施設へと進化を遂げています。トリミングやグルーミング、しつけ教室など、様々な付加価値サービスを提供することで、ペットの生活の質を高めることにも注力しているのです。
また、高齢ペットやケアが必要な病気持ちのペットにも対応できるよう、専門的な知識を持つスタッフを配置したり、動物病院と連携したりする施設も増えてきました。

ペットホテルスタッフの仕事内容

ペットホテルスタッフの仕事は、ただペットの世話をするだけではありません。ペットが快適に過ごせる環境づくりから、飼い主さんとのコミュニケーションまで、実に様々な業務があるんです。それでは、具体的な仕事内容を見ていきましょう。

2-1基本的なケア業務

ペットホテルスタッフの仕事の中心となるのが、日々のケア業務です。まず大切なのが食事の管理です。預かっているペットには、それぞれ決められた時間に適切な量の食事を与える必要があります。なかには持病があったりアレルギーを持っているペットもいるので、個々の状態に合わせた細やかな対応が求められます。食欲の有無は健康状態を知る重要なバロメーターなので、食べ方や食べ残しの量なども注意深く観察していきます。
トイレのお世話も重要な仕事の一つです。犬の場合は決まった時間に散歩に連れて行き、猫の場合はトイレの清掃を定期的に行います。このとき、排せつ物の状態を確認することで、体調の変化にもいち早く気付くことができるのです。また、ペットが快適に過ごせるよう、部屋やケージの清掃も欠かせない仕事です。適切な温度や湿度を保ち、清潔な環境を維持することで、ペットのストレスを軽減できます。

2-2運動と遊びの時間

ペットたちが健康に、そして楽しく過ごすために欠かせないのが運動と遊びの時間です。犬の場合、天候や体調を考慮しながら適度な運動量の散歩を行います。雨の日は室内で遊ぶ時間を多めに設けたり、暑い日は短い時間で何回かに分けて散歩したりと、その日の状況に応じた対応が必要になってきます。
室内での遊び時間では、ペットの性格や好みに合わせて遊び方を工夫します。おもちゃを使って遊んだり、他のペットと触れ合う時間を設けたりすることで、ストレス解消につなげていきます。ただし、他のペットと遊ばせる際は喧嘩や怪我が起きないよう、細心の注意を払う必要があります。運動や遊びを通じて、ペットの性格をよく理解し、適切な対応ができるようになることも、スタッフの大切な役割なのです。

2-3健康管理

ペットホテルに預けられたペットたちの健康管理は、とても重要な仕事です。慣れない環境で過ごすペットは、ストレスから体調を崩しやすい傾向にあります。そのため、日々の健康観察は欠かせません。
朝晩の検温や食欲の確認はもちろんのこと、普段と様子が違うかどうかを細かくチェックしていきます。元気がなさそうだったり、下痢や嘔吐が見られたりした場合は、すぐに対応を取る必要があるでしょう。また、持病のあるペットには投薬などの特別なケアも必要になってきます。常に提携している動物病院と連絡を取れる体制を整え、緊急時には速やかに対応できるようにしておくことも大切な仕事の一つとなっています。
皮膚の状態や毛並みのチェックも忘れてはいけないポイントです。特にアレルギーを持つペットは、環境の変化で症状が出やすくなります。そのため、普段以上に体の状態を注意深く観察し、少しでも異常が見られたら、すぐに飼い主さんに連絡を入れる必要があります。

2-4飼い主さんとのコミュニケーション

ペットホテルスタッフの仕事で、とても大切なのが飼い主さんとのコミュニケーションです。チェックインの際には、ペットの普段の様子や特徴、気をつけてほしいポイントなどを詳しく聞き取ります。アレルギーの有無や持病の状況、食事の好み、トイレの習慣など、できるだけ細かい情報を集めることで、ペットにストレスの少ない環境を提供することができます。
滞在中は、定期的にペットの様子を飼い主さんに報告することも大切な仕事です。写真や動画を送ったり、その日の出来事をメールで伝えたりすることで、飼い主さんに安心してもらえます。特に初めてペットホテルを利用する方は不安が大きいものですから、こまめな連絡が重要になってきます。
また、チェックアウトの際には滞在中の様子を詳しく説明し、気になった点があれば伝えるようにします。例えば、食欲が普段より旺盛だった、他のペットと上手に遊べた、などの良い報告はもちろん、少し元気がなかった時間があった、といったことも正直に伝えることが大切です。このような誠実なコミュニケーションを通じて、飼い主さんとの信頼関係を築いていくことができます。

ペットホテルスタッフの1日の流れ

ペットホテルスタッフの仕事は、朝早くから夜遅くまで、シフト制で行われています。ペットたちの生活リズムに合わせて、きめ細やかなケアを提供していく必要があるからです。それでは、実際の1日の流れを見ていきましょう。

3-1朝の業務

朝は6時か7時頃から仕事が始まります。まず夜勤のスタッフから、夜間の出来事や気をつけるべきペットの様子などについて引き継ぎを受けます。その後、朝食の準備にかかり、ペットそれぞれの食事の量や時間に気をつけながら給餌を行っていきます。
この時間帯は特に忙しく、朝ごはんの準備と同時に、部屋の清掃や朝の健康チェックも実施します。体温や食欲をチェックし、夜間に体調を崩していないかどうかも確認。朝の散歩が必要な子には、順番に散歩へ連れて行きます。天気の良い日は、外の新鮮な空気を吸わせながら、適度な運動をさせることができます。

3-2日中の業務

午前中は新しい顧客のチェックインと、帰る子のチェックアウト対応に追われます。チェックインの際は、飼い主さんから詳しく情報を聞き取り、施設の説明も行います。同時に、前日から宿泊しているペットのお世話も欠かせません。遊びの時間を設けたり、トリミングなどのオプションサービスを提供したりと、様々な業務をこなしていきます。
お昼過ぎには、昼食の準備と給餌を行います。この時間帯は比較的落ち着いているため、事務作業や施設の清掃なども並行して進めていきます。また、飼い主さんへの報告メールの作成や、予約の管理なども重要な仕事の一つです。

3-3夕方から夜の業務

夕方になると、再び忙しい時間帯が始まります。夕方の散歩に出かけたり、夕食の準備をしたりと、体を動かす仕事が増えてきます。また、お迎えに来る飼い主さんへの対応も重要な仕事の一つ。滞在中の様子を丁寧に説明し、気になった点があれば細かく報告しなければなりません。
夜になると、ペットたちの就寝準備が始まります。一日の様子を記録し、夜勤のスタッフへ引き継ぎを行います。夜間に気をつけるべきペットの情報や、翌日の予定なども漏れなく伝えていきましょう。そして最後に、施設の戸締りと安全確認を行って、日勤の仕事は終わりとなります。
夜勤のスタッフは、ペットたちの安全を見守りながら、深夜や明け方の様子を観察します。体調を崩すペットは夜間に多いため、巡回をしながら細かくチェックを行っていくのです。緊急時には、すぐに対応できる体制を整えているのも、ペットホテルの特徴といえるでしょう。

3-4給与・年収について

ペットホテルスタッフの給与は、働き方によって大きく異なります。アルバイトやパートタイムの場合、時給は1200円程度〜が一般的です。深夜勤務や早朝勤務には手当がつくことが多く、お正月やゴールデンウィークなどの繁忙期は、割増賃金が支給されるケースもあります。
正社員として働く場合、月給は18万円前後からスタートです。経験を積んでいくと、徐々に昇給していく仕組みが一般的です。年収で見ると、250万円から300万円程度となっています。ただし、これは地域や施設の規模、自身の経験やスキルによって変動することがあるでしょう。
また、資格を持っているスタッフには、資格手当が支給されることもあります。トリマーの資格や動物看護師の資格など、専門的なスキルを持っていると、より高い給与を期待することができます。なかには、経験を積んでマネージャーになったり、独立して自分の店を持ったりするスタッフもいるのです。

ペットホテルスタッフになるには

ペットホテルスタッフになるためには、特別な資格は必要ありませんが、動物に関する知識や経験があると、より良い仕事ができます。また、動物が好きなだけでなく、飼い主さんとのコミュニケーション力も大切です。ここからは、ペットホテルスタッフになるために知っておきたいポイントを説明していきましょう。

4-1役立つ資格

動物のお世話をする上で、専門的な知識があると安心です。例えば、愛玩動物飼養管理士という資格があります。この資格では、動物の健康管理や病気の知識、栄養学などを学ぶことができます。また、トリマーの資格を持っていると、シャンプーやトリミングのサービスも提供できるようになります。
さらに、動物看護師の資格も、とても重宝されています。体調の変化にいち早く気づいたり、緊急時の対応ができたりするからです。これらの資格は、通信教育や専門学校で取得することができます。一度にたくさんの資格を取る必要はありませんが、働きながら少しずつ資格を増やしていく人も多いです。
その他、ペットシッターアドバイザーの資格もおすすめです。この資格では、ペットの行動学や健康管理はもちろん、飼い主さんとのコミュニケーション方法まで実践的に学ぶことができます。特に、ストレス軽減のためのケア方法や緊急時の対応など、ペットホテルでも活かせる知識が満載です。

4-2必要な心構えと素質

ペットホテルスタッフには、動物が好きなことはもちろん、責任感の強さも求められます。預かっているペットは、飼い主さんの大切な家族です。そのため、ちょっとした変化も見逃さない観察力や、何かあったときの冷静な判断力が必要になってきます。
また、体力も大切な要素の一つです。朝早くから夜遅くまで、立ち仕事が多いのがこの仕事の特徴。掃除や散歩など、体を動かす仕事も多いため、健康管理には気を配る必要があります。休憩時間はしっかり取るようにして、疲れをためないことも大切なポイントとなっています。

ペットホテルスタッフのやりがい

動物と一緒に仕事ができる喜びは、この仕事ならではの大きな魅力です。毎日違うペットと出会い、その子の性格や好みを理解しながらお世話をしていく。そんな日々は、動物好きにとって、かけがえのない時間となるはずです。

5-1動物との絆が深まる

ペットホテルで働く醍醐味は、様々な動物と深く関われることにあります。最初は緊張していたペットが、日に日に心を開いてくれる瞬間は、この仕事の大きな喜びの一つ。中には何度も利用してくれる常連さんもいて、成長を見守れることも素敵な経験となっています。
動物の行動や習性について、実践を通じて学べるのも魅力的です。同じ犬や猫でも、性格は十人十色。その子に合わせたケアの方法を見つけ出していくことで、動物への理解がどんどん深まっていきます。また、病気や怪我の予防について学んだり、ストレスのサインに気づけるようになったりと、プロとしての目を養うことができるでしょう。
動物たちと過ごす時間は、時に癒しともなります。大変な仕事の中でも、ペットたちの無邪気な姿や可愛らしい仕草に心が和むことは少なくありません。この仕事を選んで良かったと、心から思える瞬間がたくさんあります。

5-2飼い主さんとの信頼関係

ペットホテルスタッフのやりがいは、飼い主さんからの信頼を得られることにもあります。「お願いして本当に良かった」「また利用させてください」という言葉をいただけると、この上ない喜びを感じることができます。
特に、初めてペットを預ける飼い主さんは不安でいっぱいです。そんな方に丁寧に説明し、安心して任せてもらえるようになると、大きな達成感が得られるでしょう。また、預かり中のペットの様子を伝えると、「写真を見て安心しました」と喜んでもらえることもあります。そんな飼い主さんとの温かいやり取りが、仕事の励みとなっています。

ペットホテルスタッフの大変さ

ペットホテルスタッフの仕事には、もちろん大変な面もあります。しかし、それを乗り越えることで、さらに成長できる仕事でもあるのです。実際の現場ではどんな課題があり、どう対処していけばよいのか、詳しく見ていきましょう。

6-1体力的にきつい

体力的な面での課題は避けられません。朝早くから夜遅くまで、ずっと立ちっぱなしの仕事が続きます。掃除や散歩など、体を使う作業も多いため、疲れがたまりやすい仕事といえるでしょう。そのため、休憩時間はしっかり取って、体調管理には特に気を配る必要があります。また、同僚と協力しながら仕事を進めることで、一人に負担が集中しないよう工夫することも大切なポイントです。

6-2精神的なストレス

ペットホテルスタッフは時に、精神的なストレスを抱えることもあります。慣れない環境で不安そうにしているペットを見るのは、心が痛むものです。また、予期せぬ事態が起きたときの対応も、精神的な負担となることがあります。そんなとき大切なのは、一人で抱え込まないことです。先輩や同僚に相談したり、対処法を教えてもらったりしながら、徐々に経験を積んでいくことが重要なのです。
緊急時の対応も、重要な課題となっています。夜中に具合が悪くなるペットもいれば、突然の怪我や事故に遭遇することもあるでしょう。
そのため、緊急時のマニュアルをしっかり把握し、提携している動物病院との連絡体制を整えておくことが欠かせません。また、定期的な研修や勉強会に参加することで、知識やスキルを磨いていくことも大切です。

6-3キャリアアップの可能性

ペットホテルスタッフとして働き始めた後も、様々な成長の機会があります。経験を積んでいくと、新人スタッフの指導役を任されることもあるでしょう。また、マネージャーとして店舗運営に携わることができる可能性もあります。さらに、複数の資格を取得することで、より専門的なサービスを提供できるスペシャリストとして活躍することも可能です。
例えば、トリミングやしつけ教室、健康管理など、特定の分野でのエキスパートとしてのキャリアを築いていくことができるのです。また、大手のペットショップチェーンなどでは、スーパーバイザーとして複数店舗の管理や指導を行う立場へとステップアップすることも期待できます。

6-4キャリアアップの具体例

スキルや経験を積み上げることで、様々なキャリアパスが開けていきます。例えば、トリミングの技術を習得して、ペットホテルでトリマーとしても活躍する道があります。また、動物看護師の資格を取得すれば、健康管理の専門家として、より高度なケアを提供することも可能となっています。
さらに、しつけのプロフェッショナルとして、ペットホテルに併設されたトレーニング教室で指導者として活躍する道も開けています。最近では、高齢ペットの介護や特別なケアが必要なペットのための専門施設も増えており、そういった専門分野でエキスパートとして活躍することもできるのです。
なかには、経験を活かして独立開業する方もいます。自分の理想とするペットホテルを作り上げることで、より多くの飼い主さんとペットに喜んでもらえるサービスを提供できるようになるのです。ただし、開業には資金や準備が必要なため、しっかりとした計画を立てることが大切でしょう。

まとめ

ペットホテルスタッフの仕事は、動物が好きな方にとって、やりがいに満ちた職業といえます。確かに、給与面では決して高くはありませんが、日々成長できる機会が多く、動物や人との出会いを通じて、かけがえのない経験を積むことができます。この仕事に興味を持たれた方は、まずはアルバイトやパートタイムから始めてみるのがおすすめです。実際の現場で経験を積みながら、自分に合っているかどうかを確認することができるでしょう。

関連コラム

RELATED COLUMN

関連する資格

RELATED