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ペットシッターの給料はどのくらい?年収や開業にかかる費用とは

近年、ペットを家族の一員として大切にする家庭が増えており、ペットシッターへの需要は年々高まっています。「動物が好きだから、ペットシッターとして働きたい」「副業として始めたい」という方も多いのではないでしょうか。しかし、実際の収入や開業にかかる費用については、なかなか具体的な情報が見つからないものです。本記事では、ペットシッターの給料事情や、開業時に必要な費用について詳しく解説していきます。
ペットシッターの給料はどのくらい?年収や開業にかかる費用とは

目次
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ペットシッターの働き方

ペットシッターには大きく分けて、企業に雇用される形態と、自営業として働く形態があります。それぞれに特徴があり、得られる収入も異なってきます。まずは、それぞれの働き方の特徴を見ていきましょう。

1-1雇用される場合

企業に雇用されてペットシッターとして働く場合、最初は非正規雇用からスタートすることが一般的です。多くの場合、アルバイトやパートタイムとして経験を積み、その後正社員や契約社員として採用されるケースが多いです。
企業に雇用されるメリットは、経験がなくても研修制度が整っていることや、先輩スタッフからのサポートを受けられることです。また、給与が安定していることや、福利厚生が充実している点も大きな魅力です。
ただし、勤務時間が決められており、シフト制で働くことになるため、自分の都合で完全に時間を調整することは難しくなります。また、企業のルールや方針に従って仕事を進める必要があるため、自分の考えだけで柔軟にサービスを提供することはできません。
初めてペットシッターとして働く場合は、まず企業に雇用される形で経験を積むことをおすすめします。実際の現場でのノウハウを学び、将来の独立開業に向けての準備期間として活用することができます。

1-2自営業として働く場合

自営業としてペットシッターを始める場合、完全な個人開業とフランチャイズ加盟という2つの選択肢があります。個人開業の場合は、自分でサービス内容や料金を設定し、完全に独立した形で事業を展開します。
この場合、すべての決定権は自分にありますが、その分すべての責任も自分で負うことになります。集客から実務、経理まですべてを自分で行う必要があり、特に開業当初は多岐にわたる業務をこなさなければなりません。
一方、フランチャイズに加盟する場合は、本部のブランド力や知名度を活用でき、経営ノウハウのサポートも受けられます。しかし、加盟金や毎月のロイヤリティの支払いが必要となり、また本部の方針に従う必要があるため、完全に自由な経営というわけにはいきません。自営業として始める場合は、特に開業前の準備が重要です。
ペットの扱いに関する専門知識はもちろん、経営に関する基礎知識も必要となります。また、地域の需要調査や競合分析なども欠かせません。さらに、緊急時の対応や保険の加入など、安全面での準備も重要になってきます。

ペットシッターの給料・収入

ペットシッターの収入は、働き方によって大きく異なります。ここからは具体的な数字を見ながら、それぞれの働き方での収入について詳しく解説していきます。

2-1雇用されている場合の給料

企業に雇用されている場合の給料は、雇用形態によって大きな差があります。正社員として働く場合、初任給は月給16万5千円から18万5千円程度となっています。経験を積むにつれて昇給があり、3年目以降は20万円から25万円程度になることが多いでしょう。ボーナスは企業によって異なりますが、年2回で計2か月から4か月分が支給される例が多く見られます。
契約社員の場合は、時給換算で1000円から1400円程度です。月の労働時間にもよりますが、月給に換算すると15万円から18万円ほどとなっています。アルバイトやパートタイムの場合は、時給900円から1500円程度で、業務内容や経験年数、保有資格などによって変動するのが一般的です。
給料に影響を与える要因としては、勤務地域や企業の規模、サービス内容などが挙げられます。都市部では時給が比較的高めに設定されていますが、その分競争も激しくなっています。また、高齢犬の介護や医療ケアなどの専門的なサービスを提供できる場合は、より高い給与が期待できるでしょう。

2-2個人開業した場合の収入は?

個人でペットシッターを開業した場合、基本料金は1回のサービスにつき2000円から4000円程度が一般的となっています。小型犬や猫の場合は2000円から3000円、中型犬や大型犬の場合は3000円から4000円というのが相場です。これに加えて、複数匹の場合の追加料金や、特別なケアが必要な場合の割増料金などを設定することができます。
月間の収入は、受け持つ顧客の数やサービスの内容によって大きく変わってきます。例えば、1日3件のサービスを週5日行った場合、月の売上は平均して20万円から30万円程度となります。ただし、これは事業が軌道に乗った後の数字であり、開業直後はこれより少ない収入になることを想定しておく必要があります。
また、ペットシッターの仕事は季節による変動が大きいという特徴があります。年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みなどの長期休暇シーズンは需要が増え、1日の売上が通常の2倍から3倍になることもあります。一方で、平日の日中や閑散期は依頼が少なくなる傾向にあるため、年間を通じた収支計画を立てることが重要です。

2-3フランチャイズ開業の場合の収入

フランチャイズでペットシッターを始める場合、本部のブランド力を活用できるため、比較的早い段階から安定した収入を得られる可能性が高くなります。一般的な月間収入は、開業後半年程度で25万円から35万円に達することが多いでしょう。ただし、これは売上から本部への支払いを差し引く前の金額です。
フランチャイズ開業では、加盟時に70万円から120万円程度の初期費用が必要となります。これには加盟金、研修費用、備品購入費などが含まれています。また、毎月のロイヤリティとして売上の10%から15%程度を本部に支払う必要があります。さらに、広告宣伝費や保険料なども必要経費として計上しなければなりません。
本部からは集客のサポートや業務管理システムの提供、トラブル時の対応など、さまざまな支援を受けることができます。開業時の不安を軽減できる反面、独自のサービス展開には一定の制限がかかることもあるため、開業前に契約内容をしっかりと確認することが大切となってきます。

ペットシッターの資格取得費用

ペットシッターとして働くために法律で定められた必須の資格はありませんが、専門的な知識やスキルを証明する資格を持っていることで、顧客からの信頼を得やすくなります。

3-1動物取扱責任者の資格

動物取扱責任者の資格は、特に事業を始める際に重要となってきます。この資格は、都道府県知事から認定を受けるもので、ペットの販売やペットホテルの運営などを行う際に必要です。取得には実務経験や研修の受講が求められ、5年ごとの更新が必要となります。

取得費用の内訳としては以下の通りです。
申請手数料:15,000円
講習会受講料:10,000円程度
更新時の手数料:10,000円程度
テキスト代:3,000円程度
合計:約28,000円~30,000円

3-2ペットシッターアドバイザー

ペットシッターアドバイザーを取得することで、ペットの健康管理や行動学、飼育管理の基礎知識など、プロフェッショナルとして必要な知識を体系的に学ぶことができます。通信講座での受講が可能で、仕事をしながら資格取得を目指すことができるのが特徴となっています。
取得費用の内訳としては以下の通りです。
・基本講座の場合
講座受講料:59,800円(分割払いの場合:3,300円×20回、初回4,276円)
資格試験料:10,000円
認定証発行料:5,000円
必要な費用の合計:約74,800円

・スペシャル講座の場合
講座受講料:79,800円(分割払いの場合:3,800円×24回、初回3,891円)
資格試験料:免除
認定証発行料:5,000円
必要な費用の合計:約84,800円

3-3愛玩動物飼養管理士

愛玩動物飼養管理士も、ペットシッターとして働く上で価値のある資格といえるでしょう。この資格では、動物の習性や健康管理、関連法規など幅広い知識を学びます。独学での取得も可能で、1級と2級があり、段階的にスキルアップを図ることができます。

取得費用の内訳としては以下の通りです。
・愛玩動物飼養管理士2級の場合
受講受験料:32,000円
認定登録料:8,000円
合計:約40,000円
・愛玩動物飼養管理士1級の場合
受講受験料:34,000円
認定登録料:20,000円
合計:約54,000円

3-4動物看護師やトリマー

また、動物看護師やトリマーなどの資格を持っていると、より専門的なサービスを提供できるようになります。特に、高齢ペットのケアや医療面でのサポートが必要なケースでは、これらの資格を持っていることが大きな強みとなるはずです。
費用相場の内訳としてはそれぞれ以下の通りです。
・動物看護師の取得費用
専門学校の学費:200万円~300万円(2年制の場合)
認定試験料:15,000円程度
教材費:50,000円程度
合計:約220万円~320万円
・トリマーの取得費用
専門学校の学費:150万円~200万円(2年制の場合)
実技試験料:20,000円程度
道具一式:10万円~15万円
合計:約170万円~230万円

開業にかかる費用

ペットシッターを開業する際には、様々な費用が必要になります。事前に必要な費用を把握し、適切な資金計画を立てることが成功への重要な一歩となります。ここでは具体的な費用項目とその金額について詳しく解説していきましょう。

4-1事務所・設備関連の初期費用

事務所を借りる場合は、敷金・礼金で家賃の3〜4ヶ月分が必要となります。例えば月額5万円の物件であれば、20万円前後の初期費用を見込んでおく必要があります。
ただし、自宅を拠点とする場合は、この費用を抑えることが可能です。事務所を借りる際は、ペットの一時預かりにも対応できるスペースがあるか、駐車場は確保できるかなど、事業運営に適した物件かどうかをしっかりと確認することが大切です。
また、パソコンや電話機などの備品購入費用として10万円から15万円程度、事務所の内装や設備の整備費用として15万円から30万円程度を想定しておきましょう。これらの費用は、事業の規模や地域によって大きく変動することがあります。

4-2必要な備品・消耗品の費用

ペットのケアに必要な備品には、リードや首輪、キャリーケース、掃除用具などがあります。基本的な備品一式を揃えるのに5万円から10万円程度が必要となってきます。特に安全面に関わる用具は、品質の良いものを選ぶことをお勧めします。また、ペットフードや消毒用品などの消耗品の初期仕入れとして、3万円から5万円程度を確保しておくとよいでしょう。

4-3保険加入と法的手続きの費用

ペットシッター事業を始める際は、必ず賠償責任保険に加入する必要があります。保険の年間費用は3万円から5万円程度で、補償内容によって金額は変動します。また、開業時の法的手続きとして、事業登録や開業届の費用が1万円程度かかります。動物取扱責任者の資格取得に関する費用も必要となるため、合計で10万円程度を見込んでおく必要があるでしょう。

4-4集客のための初期投資

開業時の集客を成功させるためには、適切な広告宣伝費の投資が欠かせません。ウェブサイトの制作費用が10万円から20万円、チラシやパンフレットの制作費用が3万円から5万円、看板や車両用マグネットシートなどの制作費用が2万円から3万円程度必要となってきます。また、オープニングキャンペーンなどの販促費用として5万円程度を確保しておくと、スムーズな立ち上げが可能になります。

4-5月々のランニングコスト

事業を継続的に運営していくためには、毎月発生する固定費と変動費をしっかりと把握し、管理していく必要があります。固定費には家賃、保険料、通信費などが含まれ、月額10万円から15万円程度を見込んでおく必要があります。変動費としては、交通費、消耗品費、広告宣伝費などがあり、売上に応じて5万円から10万円程度が必要となります。
また、突発的な支出に備えて、月間売上の20%程度を予備費として確保しておくことをお勧めします。予期せぬ機器の修理や、緊急時の対応費用など、事業を継続していく上で予備費の確保は重要な要素となってきます。これらの費用を適切に管理し、収支バランスを保つことで、安定した事業運営が可能となるのです。

収益性を高めるには?

ペットシッターの仕事を軌道に乗せるには、どうやってお客様を集めるかが大切になってきます。特に始めたばかりのときは、自分のサービスを知ってもらい、信頼してもらうための工夫が必要です。ここでは、実際に効果が高い集客方法について、具体的に説明していきましょう。

5-1地域でしっかり宣伝する方法

顧客を集めるには、まず近所の方々に知ってもらうことから始めましょう。効果的なのは、地域の動物病院やペットショップに顔を出して、自己紹介することです。「こんなサービスを始めました」と丁寧に説明し、チラシやカードを置かせてもらえるようお願いしてみましょう。最初は緊張するかもしれませんが、この関係づくりが将来のお客様紹介につながります。
地域の新聞やフリーペーパーへの広告掲載も、意外と反響があるものです。特に、新聞の折り込みチラシは、ペットを飼っているご家庭に直接届けることができます。チラシを作るときは、料金表だけでなく「お散歩コースの様子」や「よくある質問」など、読んで役立つ情報も入れると喜ばれます。
近所のドッグランや公園でのイベントに参加するのも良い方法です。実際にペットの飼い主さんと話ができる機会なので、サービスの説明がしやすいですし、何より「この人なら安心してペットを任せられそう」と思ってもらえるチャンスです。

5-2SNSを上手に使って集客する

今の時代、インターネットやSNSを使った宣伝は欠かせません。特にInstagramは、かわいいペットの写真を通じて多くの人に知ってもらえる場所です。ただし、ただサービスの宣伝をするだけでは、なかなか見てもらえないでしょう。
その代わり、「今日散歩に行った公園の様子」や「暑い日のペットの散歩の注意点」など、飼い主の役に立つ情報を発信していきましょう。お世話しているペットとの楽しそうな写真も、飼い主の安心感につながります。コメントやメッセージへの返信も丁寧にすることで、少しずつファンが増えていくはずです。

5-3地域のつながりを大切にする

ペットシッターの仕事は、地域との良い関係があってこそ成り立ちます。例えば、近所の動物愛護イベントやしつけ教室に参加してみましょう。そこで知り合った方々との会話から、新しい仕事のチャンスが生まれることもあります。
また、町内会の活動に参加したり、地域の清掃活動を手伝ったりすることも大切です。「ペットのお世話をしてくれる、親切な人」として覚えてもらえれば、困ったときに声をかけてもらえるかもしれません。このような地道な活動が、口コミで広がり、やがて「この地域の頼れるペットシッター」として認められることにつながっていくのです。

5-4サービスを差別化しよう

顧客に選ばれるペットシッターになるには、他のお店にはない特別なサービスを提供することが大切です。例えば、しつけのアドバイスができたり、高齢ペットの介護ができたりすると、飼い主さんからの信頼が高まります。また、お散歩コースを飼い主さんと相談して決めたり、ペットの好みに合わせたおやつを用意したりするなど、一頭一頭に合わせたサービスを提供するのも効果的です。
深夜や早朝の対応ができることも、大きな強みとなります。仕事が忙しい飼い主さんや、急な残業で帰れなくなった方のために、24時間対応できる体制を整えると、重宝されます。特に、夜間や早朝は通常より高い料金設定ができるため、収入アップにもつながります。

5-5会員制度でリピーターを増やす

定期的に利用してくれる顧客を増やすには、会員制度の導入がおすすめです。例えば、月額制の会員になると散歩代行が10%オフになる、月に5回以上の利用で次回から割引が適用される、といった特典をつけると喜ばれます。
また、会員限定のイベントを開催するのも効果的です。「しつけ相談会」や「ワンちゃんのお誕生日会」など、飼い主さん同士が交流できる機会を作ることで、サービスへの満足度が高まります。このような取り組みを通じて、長く利用してくれるお客様を増やしていくことができるのです。

5-6追加サービスで収入を増やそう

基本のペットシッターサービスに加えて、飼い主さんが「あったら便利」と思うサービスを提供することで、収入を増やすことができます。例えば、動物病院への送迎サービスや、ペットホテルの併設、トリミングサービスの提供などです。
特にペットホテルは、顧客の旅行シーズンには高い需要があり、宿泊料金という形で安定した収入が見込めます。宿泊中のトリミングや健康チェックなど、オプションサービスを組み合わせることで、さらなる収益アップも期待できます。大切なのは、こうしたサービスを提供する際も、ペットの安全と快適さを第一に考えること。そうすることで、飼い主さんからの信頼も深まり、口コミでの評判も良くなっていくはずです。

まとめ

ペットシッターの仕事は、動物が好きな方にとって魅力的な職業の選択肢の一つといえるでしょう。給料や収入は働き方によって大きく異なり、雇用される場合は月給15万円から25万円程度、個人開業の場合は月に20万円から40万円程度を見込むことができます。
ただし、安定した収入を得るためには、適切な資格取得や、丁寧なサービス提供、効果的な集客活動など、さまざまな努力が必要となってきます開業を検討している方は、まずは必要な資格取得や経験を積むことから始めるのがよいでしょう。十分な準備と計画を立てることで、やりがいのある仕事として長く続けていくことができるでしょう。ぜひ本記事を参考に、自分に合った働き方を見つけ、一歩を踏み出してみてください。

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