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トリミングが必要な犬種って?トリミングの目的や特徴について解説

愛犬のお手入れについて悩んでいませんか?トリミングが必要な犬種と不要な犬種があることをご存知でしょうか。愛犬の被毛タイプによってトリミングの必要性は大きく異なります。正しくケアを行うことで、愛犬の健康と快適さを維持できます。
本記事では、トリミングが必要な犬種の特徴や、トリミングの目的について詳しく解説していきます。また、トリミングが不要な犬種についても触れ、それぞれの犬種に適したケア方法をご紹介します。
トリミングが必要な犬種って?トリミングの目的や特徴について解説

目次
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トリミングの目的とは

トリミングは単に愛犬の見た目を整えるだけでなく、健康維持にも重要な役割を果たします。トリミングの主な目的と重要性について詳しく見ていきましょう。

1-1衛生面の改善

トリミングの主な目的のひとつは、愛犬の衛生状態を良好に保つことです。被毛が長く伸びすぎると、汚れが溜まりやすくなり、皮膚トラブルのリスクが高まります。定期的なトリミングにより、被毛を適切な長さに保ち、皮膚の通気性を良くすることで、さまざまな皮膚疾患を予防できます。
特に、耳や目の周り、お尻の周りなどは汚れがたまりやすい部分です。これらの部分を清潔に保つことで、細菌の繁殖を防ぎ、感染症のリスクを低減させることができます。また、長い被毛は排泄物が付着しやすく、不衛生になりやすいため、トリミングによって適切な長さに保つことが重要です。

1-2暑さ対策

特に夏場は、被毛が長いと体温調節が難しくなり、熱中症のリスクが高まります。適切な長さにトリミングすることで、体温調節を助け、暑さによる負担を軽減できます。
犬は汗腺が少なく、主に舌を出して呼吸することで体温調節を行います。被毛が長すぎると、この体温調節機能が阻害される可能性があります。トリミングによって被毛を適切な長さに保つことで、空気の循環が良くなり、体温調節がしやすくなります。

1-3毛玉の予防

長毛種の犬は毛玉ができやすく、放置すると皮膚を痛める原因になります。定期的なトリミングで毛玉を防ぎ、快適な生活をサポートします。
毛玉は見た目の問題だけでなく、皮膚に悪影響を与える可能性があります。毛玉によって皮膚が引っ張られ、炎症を起こしたり、皮膚呼吸が妨げられたりする可能性があるのです。トリミングによって毛玉を予防し、定期的にブラッシングを行うことで、健康的な被毛と皮膚を維持できます。

1-4ノミ・ダニの予防

被毛が長く密集していると、ノミやダニが繁殖しやすい環境になります。トリミングにより被毛を整えることで、これらの外部寄生虫の予防効果を高められるのです。
長い被毛は、ノミやダニにとって絶好の隠れ家となります。また、密集した被毛は、これらの寄生虫を発見しにくくします。適切なトリミングにより、寄生虫の発見が容易になり、早期対応が可能です。さらに、ノミやダニの予防薬を使用する際も、被毛が短いほうが薬剤が皮膚に行き渡りやすくなり、効果が高まります。

1-5運動機能の改善

特に足回りの被毛が長くなりすぎると、歩行の妨げになったり、滑りやすくなったりする可能性があります。適切なトリミングにより、足の動きをスムーズにし、怪我のリスクを減らせるのです。
足の裏や指の間の被毛が長くなりすぎると、雪や泥が付着しやすくなり、歩行時の摩擦が増加します。これにより、関節への負担が増加し、長期的には関節炎などの問題につながる可能性があります。トリミングによって適切な長さを保つことで、これらの問題を予防し、愛犬の運動機能を維持できます。

犬の被毛構造とトリミングの必要性

犬の被毛構造は大きく分けて2つのタイプがあり、これによってトリミングの必要性が変わってきます。それぞれの特徴と、トリミングとの関係について詳しく解説します。

2-1ダブルコートの特徴

ダブルコートは、外側の硬い毛(オーバーコート)と内側の柔らかい毛(アンダーコート)の2層構造が特徴です。多くの犬種がこのタイプの被毛を持っています。
ダブルコートの特徴は以下の通りです。
・被毛が一定の長さで成長が止まる
・年に2回程度、大量に抜け毛が生じる換毛期がある
・基本的に定期的なトリミングは不要
ダブルコートの犬種は、自然な毛の生え変わりがあるため、通常はトリミングよりもブラッシングによるケアが中心となります。
オーバーコートは風雨や紫外線から犬の皮膚を守る役割を果たし、アンダーコートは保温や保湿の役割を担っています。この2層構造により、ダブルコートの犬は過酷な環境下でも体温調節が可能です。
換毛期には、特にアンダーコートが大量に抜け落ちます。この時期は頻繁なブラッシングが必要になりますが、これは新しい被毛の成長を促進し、皮膚の健康を維持するために重要です。
ダブルコートの犬種でも、部分的なトリミング(足回りや耳周り、お尻周りなど)は必要になる場合があります。これは主に衛生面や安全面を考慮したものです。

2-2シングルコートの特徴

シングルコートは、アンダーコートがなく、オーバーコートのみの1層構造です。
シングルコートの特徴は以下の通りです。
・被毛が常に成長し続ける
・抜け毛が少ない
・定期的なトリミングが必要
シングルコートの犬種は、被毛が伸び続けるため、定期的なトリミングが欠かせません。放置すると毛が絡まったり、視界を遮ったりして、犬の健康や快適さに影響を与える可能性があります。
シングルコートの犬種は、一般的に暖かい気候に適応した犬種が多く、寒冷地では注意が必要です。被毛が常に成長するため、定期的なトリミングが必要ですが、これにより被毛の健康を維持し、皮膚のトラブルを予防できます。
シングルコートの犬種は、アレルギーを持つ人にとっても飼いやすいとされています。抜け毛が少ないため、室内の清潔さを保ちやすく、アレルギー反応を起こしにくいからです。
ただし、シングルコートの犬種でも、完全に抜け毛がないわけではありません。定期的なブラッシングは必要で、これにより死毛を取り除き、被毛の健康を維持できます。

トリミングが必要な主な犬種

被毛の特性上、定期的なトリミングが必要な代表的な犬種をご紹介します。これらの犬種は、適切なトリミングを行うことで健康と美しさを維持できます。

3-1プードル系

プードル系の犬種は、最もトリミングが必要とされる代表的な犬種です。サイズによってトイプードル、ミニチュアプードル、スタンダードプードルなどがありますが、いずれもシングルコートの被毛を持っています。
プードルの被毛は常に成長し続け、抜け毛も少ないため、定期的なトリミングが欠かせません。また、巻き毛のため毛玉ができやすく、皮膚トラブルのリスクも高いです。プードルのトリミングは、2〜3ヶ月に1回程度が理想的です。
プードルの被毛は非常に密で、巻き毛状になっているため、適切なケアをしないと皮膚の通気性が悪くなり、皮膚トラブルのリスクが高まります。また、目の周りの毛が伸びすぎると視界を遮り、目の健康にも影響を与える可能性があります。
プードルのトリミングスタイルは非常にさまざまで、クラシカルなスタイルから、より実用的なペットカットまで、飼い主の好みや生活スタイルに合わせて選択できます。ただし、どのスタイルを選んでも定期的なトリミングは必要不可欠です。

3-2シュナウザー系

シュナウザーもシングルコートの代表的な犬種です。ミニチュアシュナウザー、スタンダードシュナウザー、ジャイアントシュナウザーなど、サイズによって種類がありますが、いずれもトリミングが必要です。
シュナウザーの被毛は硬く、常に成長するため、定期的なトリミングが必要です。特徴的な顔の形を維持するためにも、専門的なトリミングが重要です。
シュナウザーの被毛は2層構造になっていますが、上層の毛が非常に硬く、下層の毛が柔らかいという特徴があります。こうした被毛構造により、定期的なトリミングが必要になります。
シュナウザーのトリミングでは、特に顔周りの毛を整えることが重要です。特徴的な「眉毛」や「ヒゲ」を形作るためには、専門的な技術が必要になります。また、体全体の毛も定期的にカットすることで、清潔さを保ち、皮膚トラブルを予防できます。

3-3テリア系

多くのテリア系犬種もトリミングが必要です。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、スコティッシュテリア、ワイヤーフォックステリアなどが代表的です。
テリア系の犬種は、硬い被毛を持つものが多く、定期的なトリミングによって被毛の健康を保ち、特徴的な外見を維持します。テリアのトリミングは、犬種によって異なりますが、概ね2〜3ヶ月に1回程度が適切です。
テリア系の犬種の多くは、ワイヤー状の硬い被毛を持っています。この被毛は、元々は野生動物から身を守るために発達したものですが、ペットとして飼育する場合には定期的なトリミングが必要になります。
テリアのトリミングでは、「プラッキング」と呼ばれる技術が用いられることがあります。これは、死毛を手で抜き取る作業で、新しい毛の成長を促進し、被毛の健康を維持するのに役立ちます。ただし、専門的な技術が必要なため、通常はプロのトリマーに依頼します。

3-4その他のトリミングが必要な犬種

上記以外にも、以下のような犬種がトリミングを必要とします。
・ビションフリーゼ
・ヨークシャーテリア
・マルチーズ
・シーズー
これらの犬種は、長く柔らかい被毛を持つことが多く、定期的なトリミングによって被毛の健康を保ち、快適な生活をサポートします。
ビションフリーゼは、ふわふわとした白い被毛が特徴的で、定期的なトリミングが欠かせません。被毛が常に成長するため、放置すると毛玉ができやすく、皮膚トラブルの原因となります。また、目の周りの毛が伸びすぎると視界を遮る可能性があるため、定期的なトリミングが重要です。
ヨークシャーテリアは、人間の髪の毛に似た長くてシルキーな被毛を持っています。この被毛は常に成長し続けるため、定期的なトリミングが必要です。また、被毛が床に触れるほど長く伸びると、歩行の妨げになったり、汚れがつきやすくなったりするため、適切な長さに保つことが重要です。
マルチーズとシーズーは、長くて柔らかい被毛を持つ犬種です。これらの犬種は、被毛が絡まりやすく、毛玉ができやすいため、定期的なトリミングとブラッシングが欠かせません。特に目の周りや口周り、お尻周りは注意が必要で、衛生面でも重要なポイントとなります。

家庭とプロのトリミングを使い分けよう

トリミングが必要な犬種を飼育する場合、日々のケアと定期的なプロのトリミングを組み合わせることが大切です。それぞれの特徴と重要性について詳しく見ていきましょう。

4-1日々のブラッシング

家庭でできる最も重要なケアは、毎日のブラッシングです。ブラッシングには以下のような効果があります。
・抜け毛の除去
・毛玉の予防
・皮膚の血行促進
・愛犬とのコミュニケーション
犬種に適したブラシを選び、優しくブラッシングすることで、被毛の健康を保ち、プロのトリミングの間隔を延ばすことができます。
ブラッシングの頻度は犬種や被毛の状態によって異なりますが、長毛種の場合は毎日、短毛種でも週に2〜3回は行うことが理想的です。ブラッシングは単なる美容ケアではなく、皮膚の状態を確認する良い機会にもなります。
ブラッシングの際は、被毛の根元から毛先に向かって優しくとかすことが大切です。力を入れすぎると皮膚を傷つける可能性があるので注意が必要です。また、もつれや毛玉がある場合は、無理に引っ張らず、専用のコームや指で丁寧にほぐしていきます。

4-2部分的なトリミング

目の周りや足の裏、お尻周りなど、衛生面で重要な部分は、家庭でも簡単なトリミングができます。専用のハサミを使用し、慎重に行いましょう。ただし、初めての場合はプロに教わってから行うことをおすすめします。
目の周りのトリミングは、視界を確保し、目やにが溜まりにくくするために重要です。足の裏の毛は、滑りやすさを防ぎ、異物が挟まりにくくするためにトリミングします。お尻周りは、排泄物が付着しにくくするために短くカットします。
これらの部分的なトリミングは、愛犬の快適さと衛生状態を保つために重要ですが、初めて行う場合は十分な注意が必要です。愛犬が動いたときにケガをさせないよう、安全な環境で落ち着いて行うことが大切です。

4-3プロによるトリミング

全身のカットや、特殊なスタイリングは、プロのトリマーに依頼するのが安全です。プロのトリミングの頻度は犬種や生活環境によって異なりますが、一般的に2〜3ヶ月に1回程度が目安です。
プロのトリマーは、各犬種の特徴や標準的なスタイルに精通しているだけでなく、個々の犬の特性や飼い主の希望に合わせたトリミングを行うことができます。また、トリミング中に皮膚の異常や健康上の問題を発見することもあり、早期発見・早期治療につながる可能性があります。
プロのトリミングでは、シャンプーや耳掃除、爪切りなども併せて行われることが多く、総合的なグルーミングケアを受けることができます。特に、爪切りや耳掃除は専門的な知識と技術が必要なため、プロに任せるのが安心です。

トリミングの費用と頻度

トリミングの費用は、犬種やサイズ、サービス内容によって大きく異なります。一般的な目安をご紹介します。

5-1小型犬のトリミング費用

トイプードルやヨークシャーテリアなどの小型犬の場合、基本的なトリミング(シャンプー、カット、爪切り込み)で5,000〜9,000円程度が相場です。
小型犬は体が小さいため、作業時間が比較的短く、使用する製品の量も少なくて済むため、大型犬に比べて費用が抑えられます。ただし、長毛種や特殊なカットを希望する場合は、追加料金がかかることがあります。

5-2中型犬のトリミング費用

シュナウザーやコッカースパニエルなどの中型犬の場合、7,000〜12,000円程度が一般的です。
中型犬は小型犬よりも作業量が増えるため、費用も上がります。また、犬種によっては特殊なトリミング技術が必要な場合があり、そのような場合はさらに費用が高くなることがあります。

5-3大型犬のトリミング費用

ゴールデンレトリバーなどの大型犬の場合、10,000〜20,000円以上かかることもあります。
大型犬は体が大きいため、作業時間が長く、使用する製品の量も多くなります。そのため、小型犬や中型犬に比べて費用が高くなります。特に、長毛種の大型犬の場合は、作業量が非常に多くなるため、高額になる傾向があります。

5-4トリミングの頻度

トリミングの頻度は犬種や生活環境、飼い主の好みによって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。
短毛種:2〜3ヶ月に1回
長毛種:1〜2ヶ月に1回
特殊な被毛(プードルなど):3〜6週間に1回
頻繁にトリミングを行うと費用がかさむため、家庭でのケアを充実させることで、プロのトリミングの間隔を少し延ばすことも可能です。
ただし、トリミングの間隔を延ばしすぎると、被毛が絡まったり毛玉ができたりして、結果的により多くの時間と費用がかかることになる可能性があります。適切な間隔でトリミングを行うことが、長期的には費用対効果が高いといえるでしょう。

トリミングが必要ない犬種

トリミングが必要ない犬種は、主にダブルコートを持つ犬種です。これらの犬種は自然な毛の生え変わりがあるため、定期的なカットは必要ありません。ただし、ブラッシングなどの日常的なケアは欠かせません。

6-1柴犬

日本原産の柴犬は、典型的なダブルコートの犬種です。柴犬の被毛は自然に生え変わるため、定期的なトリミングは必要ありません。
しかし、柴犬は換毛期に大量の抜け毛が生じるため、この時期は特に頻繁なブラッシングが必要になります。日常的なブラッシングに加え、換毛期には1日に2〜3回のブラッシングを行うことで、抜け毛をコントロールし、被毛の健康を維持できます。

6-2ラブラドール・レトリバー

ラブラドール・レトリバーもダブルコートの犬種で、定期的なトリミングは必要ありません。しかし、抜け毛が多い犬種なので、日常的なブラッシングが重要です。
ラブラドールの被毛は水をはじく性質があり、これは水中での作業に適した特性です。この特性を維持するためにも、適切なブラッシングとシャンプーが必要です。
換毛期には特に抜け毛が多くなるので、この時期は毎日のブラッシングが推奨されます。また、耳や足の間、尻尾の付け根など、毛が絡まりやすい部分は注意深くケアする必要があります。

6-3ジャーマン・シェパード

ジャーマン・シェパードもダブルコートの犬種で、定期的なトリミングは必要ありません。しかし、この犬種も抜け毛が多いため、日常的なブラッシングが欠かせません。
ジャーマン・シェパードの被毛は密で豊かなため、特に換毛期には大量の抜け毛が生じます。この時期は1日に2回以上のブラッシングが推奨されます。

6-4チワワ

チワワには長毛種と短毛種がありますが、いずれもトリミングは基本的に必要ありません。ただし、長毛種の場合は定期的なブラッシングが重要です。
短毛種のチワワは、比較的お手入れが簡単ですが、週に1〜2回のブラッシングは行うべきです。長毛種の場合は、毛が絡まりやすいため、毎日のブラッシングが推奨されます。

6-5パピヨン

パピヨンは長い被毛を持つ犬種ですが、基本的にトリミングは必要ありません。ただし、被毛が長いため、定期的なブラッシングとグルーミングは欠かせません。
パピヨンの特徴的な長い耳の毛は、絡まりやすいため特に注意が必要です。毎日のブラッシングに加え、耳の周りの毛は定期的に整える必要があります。
ここまで挙げたトリミングが必要ない犬種でも、適切なケアは欠かせません。特にブラッシングは重要で、これにより被毛の健康を保ち、抜け毛をコントロールすることができます。また、定期的なシャンプーや耳掃除、爪切りなども忘れずに行いましょう。

まとめ

トリミングは多くの犬種にとって重要なケアですが、全ての犬種に必要というわけではありません。シングルコートの犬種や特殊な被毛を持つ犬種では定期的なトリミングが必要ですが、ダブルコートの多くの犬種ではトリミングは不要です。しかし、トリミングが必要ない犬種でも、適切なグルーミングは欠かせません。
愛犬の被毛タイプや生活環境、季節などを考慮し、最適なケア方法を選択することが大切です。プロのトリミングと家庭でのケアを上手く組み合わせることで、愛犬の健康と美しさを長く保つことができます。

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