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トリミングシザーとは?種類や選び方・知っておきたい注意点を解説

愛犬のトリミングを自宅で行いたいけれど、どんなハサミを選べばいいのかわからない…。プロのトリマーさんが使っているハサミと同じものを使えば上手にできるのかな?トリミングシザーの種類がたくさんあって迷ってしまう…。本記事では、そんな悩みを解決するために、トリミングシザーの基礎知識や種類、特徴、選び方について詳しく解説していきます。
トリミングシザーとは?種類や選び方・知っておきたい注意点を解説

目次
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トリミングシザーの基礎知識

トリミングシザーは、犬や猫などのペットの毛をカットするための専用ハサミです。人間用のハサミとは異なり、ペットの毛質や皮膚に合わせて設計されています。トリミングシザーを使うことで、愛犬の毛並みを整えたり、デザインカットを施したりすることができます。
トリミングシザーは、その用途や特徴によってさまざまな種類があります。それぞれの種類には特徴があり、使い分けることで効率的で美しい仕上がりを実現できます。適切なトリミングシザーを選ぶことで、愛犬の体をきれいに健康的に保つことができるのです。

1-1トリミングシザーの目的

愛犬をきれいに健康的に保つために、トリミングは欠かせません。適切なトリミングを行うことで、毛玉や皮膚トラブルを防ぎ、愛犬の快適な生活をサポートできます。そのため、トリミングに適したシザーを選ぶことは非常に重要です。
高品質なトリミングシザーを使用することで、スムーズなカットが可能になり、愛犬にストレスを与えにくくなります。また、正確なカットができるため、美しい仕上がりを実現できます。作業効率も上がるので、トリミング時間を短縮できます。さらに、長期的に使用できるため、コストパフォーマンスも高いといえるでしょう。
これらのメリットを考慮すると、トリミングシザーの選び方は非常に重要だといえます。愛犬のケアに真剣に取り組む飼い主さんにとって、適切なトリミングシザーを選ぶことは、愛情表現の一つともいえるでしょう。

トリミングシザーの種類と特徴

トリミングシザーには、さまざまな種類があります。ここでは、主要なトリミングシザーの種類と特徴について詳しく解説していきます。それぞれの特徴を理解することで、愛犬のニーズに合ったシザーを選ぶことができるでしょう。

2-1ストレートシザー

ストレートシザーは、トリミングで最も基本的かつ重要なシザーです。直線的なカットや全体的な毛量調整に使用されます。刃がまっすぐな形状をしており、全体的な毛の長さを揃えるのに適しています。一般的に6.5〜7インチの長さのものが多く使われています。
ストレートシザーは、体全体の毛量調整や輪郭のカット、毛束のカットなど、さまざまな場面で活躍します。トリミング作業の中心となるシザーであり、初心者の方は、まずこのタイプのシザーから使い始めるのがおすすめです。
ストレートシザーを使用する際は、コームと併用することで、より均一なカットを実現できます。コームを使って毛を持ち上げながら、ストレートシザーでカットしていくことで、美しい仕上がりを得ることができます。

2-2セニングシザー(スキバサミ)

セニングシザー(スキバサミ)は、毛量を調整したり、自然な仕上がりを作り出すためのシザーです。刃の片側または両側に細かい歯状の刃が付いているのが特徴です。この歯状の刃によって、一度に切る毛の量を調整することができます。
セニングシザーは、毛量が多い犬種や、ふわふわとした質感を出したい場合に重宝します。全体的な毛量を減らしたり、毛先を軽くしたりするのに適しています。また、ストレートシザーでカットした後の仕上げにも使用され、自然な毛流れを作り出すことができます。
セニングシザーには、スキ率(一度にカットされる毛の量)が異なるものがあります。スキ率が高いものは毛量を大幅に減らすのに適しており、スキ率が低いものは細かな調整や毛先を軽くするのに適しています。愛犬の毛質や目的に合わせて、適切なスキ率のセニングシザーを選ぶことが大切です。

2-3カーブシザー

カーブシザーは、刃がカーブしている形状のシザーです。丸みのあるカットや、体の曲線に沿ったカットを行う際に使用されます。特に、顔まわりや足まわりなど、繊細なカットが必要な部分で重宝します。
カーブシザーの特徴は、自然な曲面を出すことができる点です。ストレートシザーでは難しい丸みのあるカットも、カーブシザーを使用することで簡単に行うことができます。また、カットの作業時間を短縮できるというメリットもあります。
カーブシザーは、小型犬の場合は6インチ前後、中・大型犬の場合は7インチ前後の長さがおすすめです。カーブの角度も、犬種や目的に応じて選ぶことができます。例えば、ショートカーブは小型犬や顔周りの細かい部分のカットに適しており、ロングカーブは大型犬や大きな丸みを出したい部分のカットに適しています。

2-4ミニシザー(ボブシザー)

ミニシザー(ボブシザー)は、5~6インチ程度の短いハサミです。主に細部のカットに使用されます。ヒゲや足回り、目元、耳など、繊細な作業が必要な部分のトリミングに適しています。
ミニシザーの特徴は、その小ささと扱いやすさにあります。小さいサイズのため、細かい部分のカットや、狭い場所での作業がしやすくなっています。また、軽量なので、長時間の作業でも疲れにくいという利点があります。
ミニシザーは、特に小型犬のトリミングで重宝します。小さな体の細かい部分をカットする際に、ミニシザーを使用することで、より正確で繊細なカットが可能になります。また、大型犬の場合でも、顔まわりや足先などの細かい部分のカットには欠かせないツールです。

2-5ブレンディングシザー

ブレンディングシザーは、セニングシザーの一種ですが、より毛量を減らすことに特化したシザーです。セニングシザーよりもザクザクと切れるため、仕上がりが早くフワッとした質感になります。
ブレンディングシザーは、プードルのようなカールの強い毛質の犬や、毛量が多い犬種のトリミングに適しています。また、大型犬のトリミングにも効果的です。短時間で効率的に毛量を減らすことができるため、作業時間の短縮にもつながります。
ブレンディングシザーを使用する際は、毛の流れに沿ってカットすることが重要です。毛の流れに逆らってカットすると、毛が不自然に立ってしまう可能性があります。また、使用する際は力加減に注意し、少しずつカットしていくことがポイントです。

トリミングシザーの選び方

適切なトリミングシザーを選ぶことは、美しい仕上がりと愛犬の快適さを実現するための重要なステップです。ここでは、トリミングシザーを選ぶ際のポイントについて詳しく解説していきます。

3-1愛犬の毛質と体格を考慮する

トリミングシザーを選ぶ際は、まず愛犬の毛質と体格を考慮することが大切です。毛質が柔らかい犬と硬い犬では、適したシザーが異なります。柔らかい毛質の犬には、切れ味のよいシャープな刃のシザーが適しています。一方、硬い毛質の犬には、やや厚めの刃のシザーが適しています。
また、愛犬の体格によっても、適したシザーのサイズが異なります。小型犬の場合は5.5~6インチ程度の小さめのシザーが使いやすく、大型犬の場合は7インチ以上の大きめのシザーが適しています。体格に合ったサイズのシザーを選ぶことで、作業効率が上がり、より美しい仕上がりを実現できます。

3-2使用目的に合わせて選ぶ

トリミングシザーは、その使用目的によって適したものが異なります。全体的な毛量調整が主な目的であれば、ストレートシザーとセニングシザーの組み合わせがおすすめです。デザインカットを行いたい場合は、カーブシザーやミニシザーも必要になるでしょう。
また、トリミングの頻度や範囲によっても、必要なシザーの種類や本数が変わってきます。頻繁にトリミングを行う場合や、さまざまなデザインカットを試したい場合は、複数種類のシザーを揃えることをおすすめします。一方、簡単な手入れ程度であれば、ストレートシザーとセニングシザーの2本で十分な場合もあります。

3-3刃の品質と切れ味

トリミングシザーの刃の品質と切れ味は、非常に重要な選択ポイントです。高品質な刃は、スムーズなカットを可能にし、愛犬への負担を軽減します。また、切れ味のよいシザーは、毛をきれいに切ることができ、美しい仕上がりを実現します。
刃の素材としては、ステンレス鋼やコバルト鋼、モリブデン鋼などが一般的です。ステンレス鋼は錆びにくく耐久性が高いため、長期的な使用に適しています。コバルト鋼は切れ味が鋭く、プロ用として多く採用されています。モリブデン鋼は耐久性が高く、切れ味が安定しているため、家庭用シザーにも多く採用されています。
切れ味のよいシザーを選ぶことで、トリミング作業がスムーズになり、愛犬へのストレスも軽減できます。ただし、切れ味が鋭すぎると、初心者の方は扱いづらい場合もあるので、自分の技術レベルに合ったものを選ぶことが大切です。

3-4ハンドルの形状と握りやすさ

トリミングシザーのハンドルの形状は、作業の快適さと効率に大きく影響します。主なハンドルの形状には、メガネハンドルとオフセットハンドルがあります。
メガネハンドルは、指を入れる部分が左右対称の形状をしています。表裏がないため、正刃でも逆刃でも使えるという特徴があります。また、穴が大きいため、さまざまな持ち方ができるという利点があります。慣れてくると、自由な持ち方で多様なカット方法に対応できるようになります。
一方、オフセットハンドルは、2つの穴が段違いになっている形状です。親指の穴が内側にあるため、手の形にフィットしやすく、自然に持つことができます。また、開閉もしやすいという特徴があります。握力が弱い方や、長時間の作業を行う場合におすすめです。
初心者の方は、オフセットハンドルの方が扱いやすい傾向にありますが、慣れてくるとメガネハンドルの自由度の高さを活かせるようになります。実際に手に取って確認し、自分の手に最もフィットするものを選ぶことが大切です。

3-5安全性への配慮

トリミングシザーを選ぶ際は、安全性も重要な考慮点です。愛犬の皮膚を傷つけないよう、先端が丸くなっているものを選ぶことをおすすめします。特に、顔まわりや足先など、デリケートな部分をカットする際に使用するミニシザーは、安全性に配慮したものを選ぶことが大切です。
また、ネジで閉まり具合を調節できるタイプのシザーも安全性が高いといえます。ネジ調整機能があることで、刃の開き具合を細かく調整できるため、愛犬の毛質や状態に合わせて最適な力加減でカットすることができます。これにより、不意に強い力がかかって皮膚を傷つけてしまうリスクを軽減できます。
さらに、ハサミの重量も安全性に関わる重要な要素です。軽すぎるハサミは扱いづらく、逆に重すぎるハサミは長時間の使用で疲労し、正確なカットが難しくなります。適度な重量感のあるハサミを選ぶことで、安定した作業が可能になり、愛犬の安全性も高まります。

3-6価格と耐久性のバランス

トリミングシザーの価格帯はさまざまです。高価なものほど品質が良く、切れ味や耐久性に優れている傾向にありますが、必ずしも高価なものが最適とは限りません。自分の技術レベルや使用頻度、目的に合わせて、適切な価格帯のものを選ぶことが大切です。
初心者の方は、まずは比較的安価な入門用セットから始めるのもよいでしょう。技術が上達してきたら、徐々に高品質なものに買い替えていくという方法もあります。一方、長期的な使用を考えると、初期投資としてやや高めの品質の良いものを選ぶのも一つの選択肢です。
耐久性も重要な要素です。頻繁に使用する場合は、耐久性の高い素材や構造のシザーを選ぶことで、長期的にはコストを抑えることができます。また、メンテナンス性も考慮に入れましょう。刃の交換や研磨が可能なタイプのシザーは、長期的な使用を考えると経済的です。

トリミングシザーの使い方と注意点

適切なトリミングシザーを選んだ後は、正しい使い方を身につけることが大切です。ここでは、トリミングシザーの基本的な使い方と、使用時の注意点について解説します。

4-1基本的な持ち方とカット技術

トリミングシザーの基本的な持ち方は、人差し指と中指を上の穴に、親指を下の穴に入れます。薬指は下刃の付け根に軽く添え、小指は自由に動かせるようにします。この持ち方により、安定した操作と繊細なコントロールが可能になります。
カットする際は、シザーを開いたまま毛に近づけ、閉じる動作で切っていきます。この時、シザーを水平に保ち、一定のリズムでカットすることが重要です。毛の流れに逆らってカットすると、毛が立ってしまったり、不自然な仕上がりになったりするので注意が必要です。
また、コームを使ってカットする方法もあります。コームで毛を持ち上げながら、シザーでカットすることで、均一な長さに整えることができます。この技術は特に、ストレートシザーを使用する際に有効です。

4-2部位別のカット方法

愛犬の体の部位によって、適切なカット方法や使用するシザーが異なります。ここでは、主な部位別のカット方法について説明します。
・顔まわり
ミニシザーやカーブシザーを使用し、慎重にカットします。目や耳の周りは特に注意が必要です。毛の流れに沿ってカットし、自然な仕上がりを心がけましょう。
・胴体
ストレートシザーを使用し、全体的な毛量を調整します。コームを使って毛を持ち上げながらカットすると、均一な長さに整えやすくなります。
・足まわり
カーブシザーやミニシザーを使用し、丸みを出しながらカットします。足の形に沿ってカーブを作り出すことで、自然な仕上がりになります。
・尻尾
毛量や長さに応じて、ストレートシザーやセニングシザーを使用します。尻尾の形を整えながら、全体的なバランスを考慮してカットします。

4-3安全性への配慮

トリミング中は、常に愛犬の安全を最優先に考える必要があります。以下の点に特に注意を払いましょう。
・皮膚を傷つけないよう注意
特に、肉球の周りや関節部分など、皮膚の薄い部分をカットする際は細心の注意が必要です。シザーの先端が直接皮膚に触れないよう、常に意識しながら作業を行いましょう。
・愛犬の状態を観察
トリミング中は、愛犬の様子を常に観察します。ストレスや疲れの兆候が見られたら、適宜休憩を取りましょう。無理にトリミングを続けると、愛犬が嫌がるようになる可能性があります。
・適切な姿勢と環境
愛犬が安定した姿勢を保てるよう、トリミングテーブルや滑り止めマットを使用しましょう。また、十分な明るさと静かな環境を整えることで、より安全なトリミングが可能になります。

4-4メンテナンスと手入れ

トリミングシザーを長く良い状態で使用するためには、適切なメンテナンスと手入れが欠かせません。以下の点に注意して、シザーのケアを行いましょう。
・使用後の清掃
使用後は必ず、毛や汚れを丁寧に拭き取ります。湿った布で拭いた後、乾いた布でしっかりと水分を拭き取ります。
・潤滑油の塗布
定期的に、刃の付け根や可動部分に専用の潤滑油を塗布します。これにより、スムーズな動きを維持し、錆びの予防にもなります。
・保管方法
湿気の少ない場所で、専用のケースに入れて保管します。他の金属製品と接触させないよう注意しましょう。
・定期的な研磨
使用頻度にもよりますが、定期的に刃を研磨することで、切れ味を維持できます。専門店での研磨サービスを利用するのもよいでしょう。

トリミングシザーのおすすめブランド

トリミングシザーには、さまざまなブランドがあります。ここでは、品質と信頼性の高いおすすめのブランドをいくつか紹介します。

5-1ドッグ シザーズ ジャパン

ドッグ シザーズ ジャパンは、トリマー向けのシザーを専門に製造しているブランドです。特徴的なのは、すべての製品でギザ刃タイプを選択できる点です。ギザ刃は毛が滑りにくく、特に細い毛や滑りやすい毛質の犬のトリミングに適しています。
また、トレートシザー、カーブシザー、セニングシザーなど、さまざまな種類が揃っています。品質が高く、プロのトリマーからも支持されているブランドです。

5-2東京理器

東京理器は、長年にわたり理美容機器を製造してきた老舗ブランドです。トリミングシザーにおいても、高品質で信頼性の高い製品を提供しています。切れ味が良く、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。
初心者向けのモデルから、プロ仕様の高級モデルまで、幅広いラインナップがあります。特に、ペット用トリミングシザーの品揃えが豊富で、愛犬の毛質や体格に合わせて選びやすいのが魅力です。

5-3内海(ウツミ・UTSUMI)

内海は、理美容、ネイル、ペット用のシザーやニッパーを製造している老舗ブランドです。1987年の創業以来、高品質な製品で定評があります。トリミングシザーにおいても、機能性、美しさ、使いやすさを兼ね備えた製品を提供しています。
特に、ハンドルの形状や重量バランスにこだわった製品が多く、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。プロのトリマーからも高い支持を得ているブランドの一つです。

5-4カドック

カドックは、トリミングスクールでも多く使用されているブランドです。初心者向けの製品が充実しており、扱いやすさと安全性に配慮した設計が特徴です。
価格帯も比較的手頃なものが多く、トリミングを始めたばかりの方や、家庭でのトリミングを考えている方におすすめです。品質も安定しており、初心者からベテランまで幅広く使用されています。

まとめ

トリミングシザーの選び方や使い方、さまざまな種類や特徴について詳しく解説してきました。愛犬のトリミングは、きれいさと健康を保つために欠かせないケアです。正しくトリミングシザーを選び、使い方を身につけることで、愛犬にとって快適で安全なトリミングが可能になります。初めは難しく感じるかもしれませんが、愛犬との信頼関係を深めながら、少しずつ技術を向上させていくことが大切です。
自宅でのトリミングに挑戦する際は、この記事で紹介した注意点を参考にしながら、愛犬の個性や特徴に合わせたケアを心がけてください。愛情を込めて丁寧にトリミングを行うことで、愛犬との絆がさらに深まることでしょう。

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