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犬用バリカンの種類とは?初心者におすすめな選び方や注意点を解説

愛犬の毛をきれいに整えたい、でも自宅でトリミングするのは難しそう…。そんな悩みを抱える飼い主さんも多いのではないでしょうか。実は、適切な道具を使えば自宅でもプロ並みの仕上がりが可能です。本記事では、犬用バリカンの種類や選び方、使用時の注意点について詳しく解説していきます。
犬用バリカンの種類とは?初心者におすすめな選び方や注意点を解説

目次
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犬用バリカンとは

犬用バリカンは、愛犬のトリミングに欠かせない重要なアイテムです。人間用のバリカンとは異なり、犬の毛質や皮膚に配慮して作られています。

1-1なぜ犬専用のバリカンが必要なのか

人間用のバリカンを犬に使用することは避けましょう。犬と人間では毛質が大きく異なるため、人間用のバリカンでは効果的にカットできません。また、犬の皮膚は人間よりもデリケートなため、ケガをする恐れがあります。
さらに、犬は人間の2倍以上の聴力を持つと言われています。人間用のバリカンは犬にとって非常に大きな音に感じられ、恐怖心を与えてしまう可能性があります。一方、犬用バリカンは静音設計されているものが多く、愛犬にストレスを与えにくいのが特徴です。
犬専用バリカンの主な利点は以下の通りです。
・犬の毛質に適した刃の設計
・静音性が高く、愛犬にストレスを与えにくい
・犬の皮膚に優しい設計
・さまざまな犬種や毛の長さに対応できる機能性

1-2犬用バリカンの種類

犬用バリカンには主に全身カット用と部分カット用の2種類があります。全身カット用は広い面積を効率よくカットできる一方、部分カット用は細かい部分や敏感な箇所のカットに適しています。
全身カット用バリカンは、一度の動作で多くの毛をカットできるため、効率的にトリミングを行えます。定期的に全身のお手入れを行う場合に便利です。ただし、初心者がいきなり全身カットに挑戦するのは難しいため、まずは部分カットから始めることをおすすめします。
部分カット用バリカンは、足裏や肛門周りなど、細かい部分のカットに適しています。力を入れずにカットできるため、初心者でも愛犬の皮膚を傷つけにくいのが特徴です。また、音も小さいので、音に敏感な犬でも怖がらせずにカットできます。
バリカンの種類によって、以下のような特徴があります:
・ワンタッチ式バリカン
操作が簡単で初心者向け。毛量の少ない犬に適しています。
・回転式バリカン
毛量の多い犬向け。作業効率は良いですが、動作音がやや大きめです。
・コードレスバリカン
移動しやすく、場所を選ばずに使えます。バッテリー駆動のため、使用時間に制限があります。
それぞれの犬種や毛質、トリミングの目的に応じて適切なバリカンを選ぶことが重要です。

初心者におすすめの犬用バリカンの選び方

初めて犬用バリカンを選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。適切な製品を選ぶことで、トリミングがより簡単で安全になります。

2-1扱いやすさを重視する

バリカンは長時間使用するため、扱いやすさが重要です。自分の手の大きさに合うサイズや、適度な重さのものを選びましょう。軽すぎると安定性に欠け、重すぎると疲れやすくなります。
持ち手の形状や素材も重要です。握りやすい形状で、滑りにくい素材のものを選ぶと、長時間の使用でも快適に操作できます。初心者の場合、重量は300〜500g程度のものが扱いやすいでしょう。
また、バリカンのサイズも考慮しましょう。小型犬の場合はコンパクトなサイズ、大型犬の場合はやや大きめのサイズが適しています。手に馴染むサイズを選ぶことで、長時間の作業でも疲れにくくなります。

2-2静音性に注目しよう

多くの犬はバリカンの音を怖がる傾向があります。一度音を怖がると、トリミング自体が嫌いになってしまう可能性もあります。そのため、できるだけ静音設計のバリカンを選びましょう。
製品の説明や口コミなどで、音の大きさについての情報を確認することをおすすめします。実際に店頭で音を確認できれば、さらに良いでしょう。例えば、高品質なモーターを使用しているバリカンは、一般的に静音性が高いです。また、振動を抑える設計がされているバリカンは、音も小さくなる傾向があります。さらに、セラミック刃は金属刃に比べて静音性が高いです。

2-3コードレスタイプの利便性

バリカンでのカットに慣れないうちは、犬も飼い主も動き回ることが多いものです。コード付きのバリカンの場合、そのたびにコードが絡まったり、思うように動かせなかったりする可能性があります。
コードレスタイプのバリカンなら、自由に動き回れるため、初心者でも扱いやすいでしょう。ただし、バッテリー持続時間にも注意が必要です。長時間のトリミングを行う場合は、予備のバッテリーを用意するか、使用中に充電できるタイプを選ぶと良いでしょう。
具体的には、最低でも60分以上の連続使用が可能なものを選びましょう。短時間で充電できるタイプが便利です。また、バッテリーを交換できるタイプなら、予備を用意して長時間の作業にも対応できます。

2-4お手入れのしやすさを確認

バリカンは使用後のお手入れが重要です。きちんと掃除をしないと、切れ味が落ちたり、衛生面で問題が生じたりする可能性があります。
水洗いできるタイプのバリカンは、お手入れが格段に楽になります。また、分解して掃除できるタイプも、細部まで清潔に保つことができるためおすすめです。
お手入れがしやすいバリカンの特徴としては、水洗いが可能なバリカンは、清掃が簡単です。また、刃や部品を分解できるタイプは、細部まで清掃できます。さらに専用のブラシがあると、毛やゴミを効果的に取り除けます。

2-5調整機能の有無

犬の毛の長さや部位によって、適切なカット長さは異なります。カットの長さを調節できる機能があるバリカンを選ぶと、さまざまな状況に対応可能です。
アタッチメントコームが付属しているものや、刃の高さを調整できるタイプがあります。また、異なる長さの刃を交換して使用できるタイプもあります。これらの機能があると、初心者でも失敗しにくく、愛犬に合わせたカットが可能です。

2-6刃の品質と交換のしやすさ

バリカンの性能は刃の品質に大きく左右されます。ステンレス製やセラミック製など、高品質な刃を採用しているものを選びましょう。また、刃の交換がしやすいタイプを選ぶと、長期的に見て便利です。
刃は使用していくうちに摩耗するため、定期的な交換が必要になります。交換用の刃が入手しやすく、交換作業が簡単なバリカンを選ぶことで、長く快適に使用できます。
刃の品質を判断するポイントとしては、まずは素材を確認しましょう。ステンレス製やセラミック製の刃は耐久性が高いです。また鋭い刃ほど、毛をスムーズにカットできます。長時間の使用でも熱くなりにくい刃を選びましょう。

犬用バリカンの正しい使い方

適切なバリカンを選んだら、次は正しい使い方を身につけましょう。以下のポイントに注意しながら、愛犬のトリミングを行ってください。

3-1基本的な持ち方と動かし方

バリカンの基本的な持ち方は、握りやすい位置でしっかりと把持することです。力を入れすぎず、でも安定して持てるよう調整しましょう。
動かす際は、刃を皮膚に対して平行に当て、毛の生え方に沿ってゆっくりと動かします。急に動かしたり、力を入れすぎたりすると、愛犬の皮膚を傷つける恐れがあります。
バリカンの正しい使い方は以下の通りです。
1.バリカンの電源を入れる前に、愛犬をリラックスさせます。
2.バリカンを持つ手は、親指と人差し指で本体をしっかりと握ります。
3.もう一方の手で犬の体を支え、皮膚を軽く引っ張ります。
4.バリカンの刃を皮膚に平行に当て、毛の生え方に沿ってゆっくりと動かします。
5.一度に長い距離をカットせず、少しずつ進めていきます。
6.カットした部分を確認しながら、必要に応じて何度か同じ箇所を通します。

3-2部位ごとの注意点

顔周りや足裏など、細かい部分をカットする際は特に注意が必要です。顔周りをカットする場合は、目や耳に刃が当たらないよう十分に気をつけましょう。また、皮膚を軽く引っ張りながらカットすることで、よりスムーズにトリミングできます。
足裏のカットは、肉球を傷つけないよう慎重に行います。肉球の間の毛は、無理にカットしようとせず、はみ出している部分だけを整えるのが安全です。
お腹周りやお尻周りは、毛の流れに沿ってカットします。特にお腹は敏感な部分なので、愛犬がリラックスした状態でカットするよう心がけましょう。
部位ごとのカット方法は以下の通りです。
・顔周り
小さめのバリカンやアタッチメントを使用し、目や耳を避けながら慎重にカットします。
・足裏
肉球の周りをゆっくりとカットし、肉球の間の毛は必要最小限にとどめます。
・お腹周り
愛犬を横向きに寝かせ、皮膚を軽く引っ張りながらカットします。
・お尻周り
尻尾の付け根から外側に向かってカットし、肛門周りは慎重に扱います。
・背中
首から尻尾に向かって、毛の流れに沿ってカットします。

3-3カットの長さ

季節や犬種によって、適切なカットの長さは異なります。夏場は涼しく過ごせるよう短めにカットし、冬場は体温調節ができるよう適度な長さを保つのが一般的です。
また犬種や個体差によって最適な長さが異なります。長毛種の場合、夏でも極端に短くカットすると日焼けや虫刺されのリスクが高まる可能性があります。一方、短毛種の場合は、あまり頻繁なトリミングは必要ありませんが、定期的なブラッシングは大切です。愛犬の被毛の特性を理解し、適切な長さと頻度でカットすることが重要です。
初めてトリミングを行う場合は、少し長めに設定して徐々に短くしていくことをおすすめします。これにより、失敗のリスクを減らし、愛犬にも徐々にトリミングに慣れてもらうことができます。また、最初は専門家のアドバイスを受けながら行うことで、より安全で効果的なトリミング技術を身につけることができるでしょう。

3-4カットの頻度

カットの頻度も犬種や生活環境によって異なりますが、多くの場合、1〜2ヶ月に1回程度のトリミングが適切です。ただし、毛の伸びが早い犬種や、アウトドア活動が多い場合は、より頻繁にトリミングが必要になる場合もあります。愛犬の毛の状態や生活スタイルを考慮して、適切な頻度でトリミングを行いましょう。
トリミングの頻度を決める際は、毛の伸びる速さだけでなく、愛犬の皮膚の状態や季節の変化も考慮する必要があります。例えば、アレルギーを持つ犬や皮膚トラブルがある犬は、より頻繁なトリミングが必要になる場合があります。また、換毛期には抜け毛が多くなるため、通常よりも頻繁にブラッシングやトリミングを行うことで、被毛の健康を保つことができます。

バリカン使用時の注意点

バリカンは刃物であるため、取り扱いには十分注意が必要です。使用前に必ず刃の状態を確認し、欠けや錆びがないか確認しましょう。また、使用中は愛犬の動きに注意を払い、急な動きにも対応できるよう心構えをしておきましょう。特に、初めてバリカンを使用する場合は、愛犬が驚いて動く可能性があるため、十分に注意が必要です。
さらに、バリカンを使用する際は、愛犬の体調や皮膚の状態にも注意を払いましょう。体調不良や皮膚トラブルがある場合は、トリミングを延期するか、獣医師に相談することをおすすめします。また、バリカンを使用する前に、愛犬をリラックスさせるためのマッサージや軽い運動を行うことで、よりスムーズなトリミングが可能になります。

4-1皮膚トラブルの予防

バリカンの使用によって皮膚トラブルが起こることがあります。特に、同じ箇所を何度も刈ると皮膚を傷つける可能性があるので注意が必要です。また、カット後は皮膚が乾燥しやすくなるため、保湿ケアを行うことをおすすめします。愛犬の皮膚に赤みや炎症が見られた場合は、すぐにトリミングを中止し、必要に応じて獣医師に相談しましょう。
皮膚トラブルを予防するためには、トリミング前の準備も重要です。入浴やブラッシングを十分に行い、皮膚と被毛の状態を整えておくことで、バリカンによる刺激を最小限に抑えることができます。また、季節や犬種によって皮膚の状態が変化することもあるため、それぞれの愛犬に適したケア方法を見つけることが大切です。

4-2刃の温度管理

長時間使用すると、バリカンの刃が熱くなることがあります。熱くなった刃を皮膚に当てると、火傷の原因になる可能性があります。定期的に刃の温度を確認し、熱くなった場合は一旦使用を中止して冷ましましょう。また、熱くなりにくい素材の刃を使用したり、冷却スプレーを用意したりすることで対処できます。
刃の温度管理には、適切な使用方法も重要です。バリカンを連続して長時間使用せず、適度な休憩を取ることで、刃の温度上昇を抑えることができます。また、愛犬の体温で刃が温まることもあるため、トリミング中は定期的に刃の温度を手で確認し、必要に応じて冷却時間を設けましょう。

バリカンのメンテナンス方法

バリカンの故障を防ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。使用後の清掃はもちろん、定期的に分解清掃を行うことで、バリカンの寿命を延ばすことができます。

5-1使用後の清掃

使用後は必ず刃や本体に付着した毛や皮脂を取り除きましょう。多くのバリカンは付属のブラシで清掃できます。水洗い可能なタイプであれば、水で洗い流すのも効果的です。特に刃の部分は念入りに清掃し、毛や皮脂が蓄積しないようにしましょう。清掃後は、しっかりと乾燥させてから保管することが大切です。
清掃の頻度は、使用頻度や愛犬の毛質によって異なりますが、基本的には毎回の使用後に行うことをおすすめします。特に、油分の多い被毛や、細かい毛が刃に絡みやすい犬種の場合は、より丁寧な清掃が必要です。また、清掃時に刃の状態(欠けや錆びなど)を確認することで、早期のトラブル発見にもつながります。

5-2刃の手入れと交換

刃は使用するにつれて摩耗するため、定期的な手入れと交換が必要です。使用後は刃に潤滑油を塗布し、スムーズに動くようにしましょう。潤滑油を塗布する際は、適量を守り、過剰に塗りすぎないよう注意が必要です。切れ味が落ちてきたと感じたら、新しい刃に交換することをおすすめします。交換の目安は使用頻度によって異なりますが、一般的に6ヶ月から1年程度で交換を検討しましょう。
刃の手入れには、専用の潤滑油を使用することが重要です。一般的な機械油は愛犬の皮膚に悪影響を与える可能性があるため、避けましょう。また、刃の交換時期を記録しておくことで、適切なタイミングでの交換が可能になります。さらに、複数の刃を用意し、用途(全身用、部分用など)や毛質に応じて使い分けることで、より効果的なトリミングが可能になります。

5-3適切な保管方法

バリカンは湿気を避け、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。専用のケースに入れて保管すると、ほこりや傷から守ることができます。また、子供やペットの手の届かない場所に保管することも重要です。バリカンを使用しない期間が長くなる場合は、バッテリーを取り外すか、定期的に充電を行うことで、バッテリーの劣化を防げます。
保管場所の温度と湿度にも注意が必要です。極端な高温や低温、高湿度環境は、バリカンの故障や劣化の原因となります。可能であれば、温度と湿度が一定に保たれる場所での保管が理想的です。また、長期間使用しない場合は、刃を取り外して別途保管することで、刃の劣化を防げます。

5-4定期的な点検

定期的な点検も忘れずに行いましょう。バリカンは定期的に動作確認を行い、異音や異常な振動がないか、スイッチの動作に問題がないかなどをチェックします。問題が見つかった場合は、使用を中止し、専門店や製造元に相談しましょう。特に、コードレスタイプのバリカンの場合は、バッテリーの状態にも注意を払い、充電能力の低下や膨張などの異常がないか確認することが大切です。
定期点検の際は、バリカンの各部分(モーター、スイッチ、コード、充電端子など)を細かくチェックすることが大切です。また、バリカンの性能を最大限に引き出すために、製造元が推奨するメンテナンススケジュールに従うことをおすすめします。定期的な点検を行うことで、バリカンの寿命を延ばすだけでなく、トリミング中の突然の故障を防げます。

5-5交換部品の準備

バリカンの刃やアタッチメントの交換部品は、常に予備を用意しておくと便利です。急なトラブルや部品の劣化に備えることで、トリミング作業が中断されることを防げます。交換部品の準備には、使用しているバリカンのモデルや型番を正確に把握しておくことが重要です。互換性のある部品を選ぶことで、より効率的な部品管理が可能になります。
また、頻繁に使用する部品(刃、コーム、バッテリーなど)は複数セット用意しておくことをおすすめします。さらに、交換部品の保管方法にも注意を払い、湿気や直射日光を避けて適切に保管することで、部品の品質を長く保つことができます。定期的に交換部品の在庫を確認し、必要に応じて補充することで、常にトリミングの準備が整った状態を維持できます。

まとめ 

犬用バリカンを適切に選び、正しく使用することで、自宅でのトリミングがより簡単で安全になります。愛犬の毛並みをきれいに保つことは、見た目だけでなく健康面でも重要です。本記事で紹介した選び方や使用方法、注意点を参考に、愛犬のためのトリミングに挑戦してみてはいかがでしょうか。定期的なトリミングを通じて、愛犬との絆をさらに深めることができるはずです。
まずは小さな部分から始めて、徐々に技術を磨いていくことをおすすめします。初めは足回りや顔周りなど、比較的簡単な部分から始め、愛犬の反応を見ながら少しずつトリミングの範囲を広げていきましょう。愛犬のペースに合わせて進めることが大切です。

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