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ハンドメイドの写真の撮り方とは?スマホでも綺麗に撮れる方法を解説!

せっかく素敵なハンドメイド作品を作っても、写真で上手く魅力を伝えられずに悩んでいませんか?「スマートフォンのカメラしか持っていない」「きれいな写真の撮り方がわからない」という声をよく耳にします。実は、特別な機材がなくても、ちょっとしたコツを押さえるだけで、作品の魅力を引き出す写真撮影はできます。本記事では、スマートフォンでも綺麗に撮影できる方法や注意点について詳しく解説していきます。
ハンドメイドの写真の撮り方とは?スマホでも綺麗に撮れる方法を解説!

目次
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ハンドメイド作品の写真はなぜ重要?

ハンドメイド作品を販売する上で、写真は作品の価値を伝える重要な要素です。特にオンライン販売では、顧客は実物を手に取ることができないため、写真が作品の良さを伝える唯一の手段となります。ここでは、写真がハンドメイド作品の販売においてなぜそれほど重要なのか、詳しく見ていきましょう。

1-1ハンドメイドの写真はなぜ重要?

オンラインショップでは、顧客は画面を通してしか作品を確認できません。そのため、写真は作品の第一印象を決める大切な役割を担っています。たとえば同じ作品でも、写真がぼやけていたり暗かったりすると、作品自体の価値も低く見られてしまう傾向があります。
また、多くの顧客は商品の説明文を読む前に、まず写真をチェックします。魅力的な写真でなければ、どんなに丁寧な説明文を書いても読んでもらえない可能性が高いです。逆に、写真が魅力的であれば、顧客の興味を引き、商品詳細を確認してもらえる可能性が高まります。

1-2作品の魅力を伝える第一印象としての写真

ハンドメイド作品の写真は、作品の魅力を伝える「顔」のような存在です。顧客が最初に目にするのは必ず写真であり、その印象で購入を検討するかどうかが決まると言っても過言ではありません。実際の店舗であれば、商品を手に取って確認できますが、オンラインではそれができません。
写真を通じて、作品の質感、色合い、サイズ感、使い心地などを正確に伝える必要があります。例えば、アクセサリーであれば、細かな装飾の美しさや、実際に身につけた時のイメージを伝えることが重要です。バッグや小物であれば、素材の質感や実際の使用シーンをイメージできる写真が効果的です。
また、ハンドメイドならではの温かみや、一点物としての特別感も、写真を通じて表現することが求められます。工場製品とは違う、手作りならではの味わいや個性を、写真で魅力的に表現できれば、作品の価値をより高く評価してもらえる可能性が高まります。

1-3購買意欲を高めるための写真の役割

写真には、顧客の購買意欲を高める重要な役割があります。人は視覚的な情報に強く影響を受ける生き物です。魅力的な写真は、顧客の感情に働きかけ、「欲しい」という気持ちを喚起します。
特に、作品の使用シーンや活用方法を示す写真は、顧客の想像力を刺激し、購入後の生活をイメージしやすくします。例えば、インテリア小物であれば、実際の部屋での使用例を示したり、アクセサリーであれば、コーディネート例を提案したりすることで、より具体的な購入イメージを持ってもらえます。

写真撮影の準備

ハンドメイド作品の魅力を伝える写真を撮影するためには、適切な準備が欠かせません。ここでは、写真撮影に必要な準備について詳しく解説していきます。

2-1必要な機材・道具

ハンドメイド作品をより魅力的に見せるためには、適切な撮影環境を整えることが重要です。とはいえ高価な機材を揃える必要はありません。スマートフォンと基本的な撮影機材で十分対応できます。最近のスマートフォンカメラは高性能で、商品写真の撮影に必要な機能を備えているため、まずは手持ちのスマートフォンを活用することからスタートしましょう。
必要な撮影機材
・スマートフォンまたはデジタルカメラ
・三脚(スマートフォン用/カメラ用)
・レフ板(白)
・背景用の白紙または布(A2サイズ)
・LED照明またはデスクライト
・撮影ボックスまたは簡易スタジオ
・メジャー(サイズ表記用)
・商品台(アクリル製など)
これらの機材を効果的に活用することで、商品の魅力を最大限に引き出す写真撮影が可能になります。特に三脚とレフ板は必須アイテムで、手ブレを防ぎながら均一な光を当てることができます。
撮影ボックスを使用すれば、より安定した品質の写真を撮ることができます。また、商品のサイズ感を正確に伝えるためのメジャーや、立体的に見せるための商品台なども、状況に応じて活用すると良いでしょう。撮影環境が整えば、作品の魅力をより効果的に伝えることができます。

2-2撮影環境の整え方

適切な撮影環境を整えることは、良い写真を撮る上でとても重要です。まず重要なのが、撮影場所の光環境です。自然光を活用することで、最も自然で美しい写真が撮影できます。室内であれば、大きな窓の近くが理想的な撮影場所となります。
また光の質にも注意が必要です。直射日光は避け、カーテンやすりガラスなどで光を拡散させると良いでしょう。曇りの日は自然な拡散光が得られるため、撮影に適しています。また、午前中から昼頃にかけての時間帯が最も安定した光が得られます。
撮影スペースは、十分な広さを確保することが重要です。作品と背景を適切に配置し、カメラの位置も自由に変えられるスペースが必要です。また、撮影中に他の物が写り込まないよう、周囲を整理整頓しておくことも大切です。

スマホで綺麗に撮るためのテクニック

スマートフォンでも、適切な撮影方法を知っていれば、プロのような写真を撮影することができます。ポイントを押さえることで、作品の魅力を最大限に引き出すことが可能です。ここでは、スマートフォンを使った撮影のテクニックについて、具体的に解説していきます。

3-1光の使い方

光の扱い方は、写真の質を左右する大切な要素です。特にスマートフォンの場合、センサーが小さいため、光の条件がより重要になります。基本的には、自然光を上手く活用することがきれいな写真を撮るコツです。
窓際での撮影がベストな理由は、自然光が柔らかく、色の再現性が高いためです。午前10時から午後2時頃までの時間帯が最も理想的です。この時間帯は、光が安定していて、色温度も自然なためです。直射日光は避け、カーテン越しの柔らかい光を使うことで、自然な陰影のある写真が撮影できます。
さらに、光の方向にも注意が必要です。作品の正面から光を当てると平面的な印象になりやすいため、斜め45度程度から光を当てることで、適度な陰影が生まれ、立体感のある写真が撮影できます。暗すぎる部分や明るすぎる部分がないよう、バランスを取ることが大切です。
また、レフ板の活用も重要なテクニックです。窓からの光が作品の片側からだけ当たると、反対側が暗くなってしまいます。そこで、光の当たらない側にレフ板を置くことで、光を反射させ、影の部分を明るくすることができます。白い厚紙やアルミホイルを貼った段ボールなど、身近なもので代用することも可能です。

3-2構図の基本

構図は写真の見栄えを大きく左右する要素です。スマートフォンの場合、画面を見ながら構図を確認できることが大きなメリットです。基本的な構図のルールを知っておくことで、より魅力的な写真を撮影できます。
余白の取り方は、写真の印象を大きく左右します。作品を画面いっぱいに配置するのではなく、適度な余白を設けることで、洗練された印象の写真になります。一般的には、作品を画面の中心よりもやや上に配置し、下側に余裕を持たせると安定感のある構図になります。
俯瞰撮影は、商品写真の定番テクニックです。真上から撮影することで、作品の形状が歪まず、サイズ感も正確に伝わります。ただし、完全な真上からではなく、わずかに角度を付けることで、立体感を出すこともできます。スマートフォンの場合、手ブレを防ぐため、両肘を体につけてしっかりと構えることが重要です。
商品の特徴によって、最適なアングルは異なります。例えば、アクセサリーの場合は、細かなディテールを見せるためのクローズアップと、全体のデザインを見せるための引きの写真を組み合わせると効果的です。一つの商品につき、最低でも3~4枚の異なるアングルから撮影することをお勧めします。

3-3作品別の撮影テクニック


・ハンドメイド作品
ハンドメイド作品は種類によって、最適な撮影方法が異なります。それぞれの作品の特徴を活かした撮影方法を知ることで、より魅力的な写真を撮ることができます。作品の種類ごとに、効果的な撮影方法を見ていきましょう。
・アクセサリー類
アクセサリー類の撮影では、細かなディテールと実際の使用感を伝えることが重要です。例えばピアスやイヤリングは、平置きでの全体写真に加えて、着用時の写真があると、サイズ感や実際の見え方がよく伝わります。
ネックレスの場合は、トップ部分のクローズアップと、首元につけた時の長さや雰囲気が分かる写真を組み合わせると効果的です。光沢のある素材の場合は、反射を避けるため、光源を調整することが大切です。
・布小物
布小物の撮影では、素材感と使い勝手の良さを伝えることがポイントです。ポーチやバッグなどは、外観だけでなく、内側の収納力や仕切りの様子も重要な情報です。布の質感を伝えるために、自然光を活用し、適度な陰影をつけることで、素材の風合いが伝わりやすくなります。
また、実際の使用シーンを想定した小物と組み合わせた写真も効果的です。例えば、ポーチであれば中に実際に収納できるものを並べた写真があると、サイズ感が分かりやすくなります。
・立体作品
立体作品は、特に光の当て方が重要です。陶芸作品や木工作品などは、表面の質感や立体的な造形美を伝える必要があります。このような作品は、単一の角度からの撮影では魅力を十分に伝えきれません。
正面、側面、上面など、複数の角度から撮影し、作品の全体像が伝わるようにしましょう。また、作品の特徴的な部分については、クローズアップ写真を追加することで、細部の作りの良さも伝えることができます。

写真の編集と加工

スマートフォンで撮影した写真は、簡単な編集や加工を行うことで、さらに魅力的な仕上がりにすることができます。ただし、過度な加工は逆効果になる可能性があるため、適度な調整を心がけることが重要です。ここでは、基本的な編集方法から、スマートフォンアプリの活用法まで詳しく見ていきましょう。

4-1基本的な明るさ・色調整

写真の基本的な調整は、作品本来の魅力を引き出すために欠かせません。ただし、過度な加工は商品写真として適切ではないため、自然な範囲での調整を心がける必要があります。スマートフォンの標準カメラアプリでも、十分な調整機能が備わっています。
・露出調整
商品写真の品質を左右する重要な要素が露出調整です。適切な露出は、作品の魅力を最大限に引き出すために必要不可欠です。暗すぎる写真では作品の細部が見えにくくなり、明るすぎると色が飛んでしまうため、適度なバランスが重要です。
<露出調整のポイント>
・作品の白い部分が純白になりすぎないように注意
・暗部でも細部が確認できる程度の明るさを維持
・画面をタップして表示される露出調整スライダーを活用
・白い作品は特に露出オーバーに注意が必要
撮影環境の光量によって適切な露出は変化するため、試し撮りを重ねながら最適な設定を見つけることが大切です。
・ホワイトバランスの調整
作品の色を正確に伝えるために、ホワイトバランスの調整は非常に重要です。特に室内撮影では、照明の種類によって色味が大きく変わってしまうため、慎重な調整が必要です。
<ホワイトバランス設定のポイント>
・自然光での撮影を基本とする
・室内照明下では黄色みに注意
・カメラアプリのプリセット機能を活用
・作品の実際の色に近づけることを意識
適切なホワイトバランスで撮影することで、お客様により正確な商品イメージを伝えることができます。
・コントラストの調整
コントラストは写真の立体感や質感を表現する上で重要な要素です。ただし、ハンドメイド作品の場合は、素材の質感や細部の作り込みを伝えることが特に大切なため、控えめな調整を心がける必要があります。
<コントラスト調整のポイント>

・作品の立体感を適度に強調
・素材の質感を潰さない程度に調整
・不自然な印象を与えない範囲で設定
・細部の見え方を確認しながら調整
コントラストを適切に調整することで、作品の魅力をより効果的に伝えることができます。ただし、過度な調整は商品写真として不適切なため、自然な表現を心がけましょう。調整後は必ず実物と見比べ、違和感のない仕上がりになっているか確認することが重要です。

4-2スマートフォンアプリの活用

スマートフォンには様々な写真編集アプリが用意されていますが、商品写真の編集には、機能がシンプルで使いやすいアプリを選ぶことをお勧めします。無料アプリでも十分な機能を備えているものが多くあります。編集作業に時間をかけすぎないよう、必要最小限の調整に留めることが重要です。
商品写真の編集は、自然な仕上がりを意識しながら段階的に進めることが重要です。基本的な編集の流れを以下に示します。
1.全体の明るさ調整
・画像全体の露出を確認
・白とびや黒つぶれがないよう注意
・作品の細部が確認できる明るさに調整
2.コントラストの調整
・明暗の差を適度に強調
・立体感を出しつつ自然な印象を維持
・素材の質感が潰れないよう注意
3.色味の微調整
・ホワイトバランスの確認
・彩度を自然な範囲で調整
・実物の色に近づけるよう慎重に調整
4.最終チェック
・編集前の写真と比較
・実物と見比べて色味を確認
・全体的なバランスを見直し
5.保存と出力
・高画質で保存
・バックアップを作成
・用途に応じたサイズに調整
これらの手順を意識しながら、一つ一つのステップを丁寧に行うことで、商品の魅力を最大限に引き出す写真に仕上げることができます。
過度な加工を避けることは、商品写真として特に重要です。フィルター機能やエフェクトは、作品の実際の色や質感を歪めてしまう可能性があるため、基本的には使用を控えめにします。特に、肌の質感を補正する美肌フィルターや、極端な色調補正は避けるべきです。商品写真の目的は、作品の魅力を正確に伝えることにあり、過度な演出は購入者の期待を裏切ることにつながりかねません。

商品写真としての活用方法

ハンドメイド作品の写真は、ただ記録するだけでなく、効果的な販売ツールとして活用することが重要です。ECサイトやSNSでは、それぞれのプラットフォームの特性に合わせた写真の使い方があります。ここでは、商品写真を効果的に活用するための方法について解説していきます。

5-1ECサイトでの効果的な見せ方

ECサイトでの商品写真は、顧客の購買意欲を高めるための重要な要素です。まず、メイン写真の選び方が非常に重要です。一覧ページで表示される最初の1枚は、作品の特徴が最も良く伝わる写真を選びましょう。作品全体が見渡せる角度で、かつ最も魅力的に見える写真を使用します。複数ある写真の中から、思わず詳細を見たくなるような1枚を選ぶことがポイントです。
商品詳細を伝える写真の構成も、購入の決め手となります。通常、1つの商品につき4~6枚程度の写真を用意します。全体写真、細部のアップ、使用時の様子、サイズ感を伝える写真など、異なる視点からの写真をバランスよく組み合わせることが大切です。例えば、アクセサリーであれば、

・平置きの全体写真
・装着時の写真
・細部のディテール写真
・パッケージの写真

などを用意します。
サイズ感を伝える工夫も、オンライン販売では特に重要です。定規やコインなど、一般的なものと並べて撮影することで、実際の大きさが分かりやすくなります。また、使用シーンを想定した写真があると、より具体的なイメージを持ってもらえます。例えば、バッグであれば、中に入る物を並べた写真や、実際に持った時の様子を撮影しておくと効果的です。

5-2SNSでの活用テクニック

SNSでの写真活用は、商品の直接的な販売だけでなく、ブランドイメージの構築や新規顧客の開拓にも重要です。各プラットフォームでは投稿に最適な写真サイズが異なります。例えば、Instagramでは正方形(1:1)や縦長(4:5)の写真が映えやすく、Twitterでは横長(16:9)の写真が表示に適しています。プラットフォームごとの特性を理解し、それに合わせた写真を用意することが効果的です。
ハッシュタグとの組み合わせは、SNSでの露出を高めるために重要な要素です。写真の内容に合わせて適切なハッシュタグを選び、商品カテゴリー、素材、技法、シーンなど、様々な切り口からハッシュタグを設定します。ただし、あまりに多くのハッシュタグを付けすぎると、かえって投稿の印象が悪くなるため、10個程度に抑えることをお勧めします。

まとめ

ハンドメイド作品の写真撮影は、特別な機材がなくても、基本的なポイントを押さえることで十分に魅力的な写真を撮ることができます。最も重要なのは、自然光を上手く活用し、作品の特徴を最大限に引き出すことです。メイン写真では全体の印象を、詳細写真では細部の魅力を伝えるなど、目的に応じた撮影を心がけましょう。この記事で紹介したテクニックを参考に、ぜひあなたの作品の魅力を最大限に引き出す写真撮影にチャレンジしてみてください。

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