江戸時代から続く伝統工芸であるつまみ細工は、現代でもなお人気があります。
ハンドメイドアクセサリーのブームを受け、人気が高まっています。
つまみ細工人気に比例して注目度が高まっているのが、つまみ細工資格です。
つまみ細工資格を取得すれば、作家や講師などの仕事に就くチャンスにつながる可能性もあります。
この記事では、おすすめのつまみ細工資格や、資格取得の際に覚えておくとよい内容をご紹介します。
つまみ細工に挑戦してみたい方はもちろん、作家・講師活動に興味がある方も、ぜひご覧ください。
まずはつまみ細工資格がどういうものなのかを学んでいきましょう。
つまみ細工資格の概要や、難易度を解説します。
つまみ細工は、複数の小さい布を折る・つまむなどして、花や蝶などのデザインを作る手芸です。
江戸時代から始まり、現在に至るまで多くの人に親しまれている伝統工芸で、主にアクセサリーを作るのに活用されています。
つまみ細工は普段のファッションだけでなく、ブライダルなど特別なときの装飾としても活用されています。
つまみ細工資格は、そんなつまみ細工の技法を学べる資格です。
資格の中には、知識や技術を教える講師としての力を認定するものもあります。
つまみ細工資格は公的資格と民間資格のみで、国家資格はありません。
しかし資格の中には、認定団体が主催する講座で講師活動ができるなどのメリットがあるものも。
つまみ細工の作家・講師活動をするなら、取っておきたい資格です。
つまみ細工資格は、実技試験があるものとないもののふたつに分けられます。
実技試験がないものなら、しっかり勉強すれば合格できるでしょう。
実技試験がないつまみ細工資格は、難易度が低めであるといえます。
一方実技試験がある資格は、作品のクオリティがそのまま試験評価につながる分、難易度が高いといえます。
挑戦する際は学科・実技の両方をバランスよく勉強しましょう。
つまみ細工資格は、試験内容により難易度が変わる資格です。
取得を目指す資格を選ぶ際は、試験内容に注意しましょう。
次に、つまみ細工資格を取得するとできることを解説します。
取得後の活動をイメージすることは、試験へのモチベーション維持に役立ちます。
取得後どのように活躍したいかを具体的に考えながらご覧ください。
つまみ細工資格を取得すると、つまみ細工で作品を作れるようになります。
アクセサリーやキーホルダーを作り、ファッションに取り入れれば、自分の個性をつまみ細工で表現できます。
自分の作品を生活に取り入れられる楽しみが味わえるでしょう。
作品をSNSなどで公開すれば、たくさんの人に作品を見てもらえます。
作品をほめてもらえるだけでなく、作品作りのアイデアをもらえることも。
またつまみ細工を作る人同士の交流があれば、作品を見せ合い磨き合う楽しみも生まれるでしょう。
つまみ細工資格は、作品を作るだけでなく、作品を見せ合う楽しみも得られる資格です。
つまみ細工資格で作品作りの技術を身につければ、つまみ細工作家として作品を発表・販売できるようになります。
販売できるクオリティの作品を定期的に作り続けられるようになれば、作品の販売だけで生計を立てることも可能になるでしょう。
作家活動はとても大変ですが、自分の好きなものを作って暮らす夢がかないます。
ものづくりで独立したい方にも、つまみ細工資格はおすすめです。
つまみ細工資格が役立つのは、作品作りのときだけではありません。
つまみ細工の道具や材料を扱う手芸用品店などでも、資格で得た知識と技術で活躍できます。
お客様の要望や相談に合わせて必要な商品を紹介したり、作りたい作品についてアドバイスしたりなど、資格を活かした接客ができるようになります。
また、手芸店では手芸キットや作品を見本として展示しますが、この見本作りでも資格で身につけた技術を活かせるでしょう。
つまみ細工資格では、趣味だけでなく仕事にも活用できる知識や技術も学べます。
つまみ細工資格の中には、つまみ細工を作る技術だけでなく、それを教える講師としての力を認定する資格もあります。
講師としての実力を証明する資格を取得すれば、つまみ細工の講師としての活動にも役立つでしょう。
カルチャースクールや手芸店などで講師活動を始められるほか、資格認定団体の講師として登録・活動するなどさまざまな形で活躍できます。
自宅でつまみ細工教室を開くことも可能です。
手芸教室の開校を目指している方は、つまみ細工の実力だけでなく、講師としての力も得られる資格を取得するとよいでしょう。
つまみ細工資格に関する知識を得たところで、実際の資格を確認していきましょう。
つまみ細工資格の中から、おすすめの資格と講座を4つご紹介します。
それぞれの資格の特徴も併せて紹介しますので、どれを取得したらよいか考えながらご覧ください。
認定協会 | 日本生活環境支援協会(JLESA) |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットより申し込み |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
受験日程 | 毎年偶数月の20〜25日 (受験申込期間は受験月の前月) |
資格試験概要 | つまみ細工で梅の花の作り方/桜の花の作り方/バラの花の作り方/百合の花の作り方/五弁花の作り方/花飾りの作り方/花芯の作り方/蝶の作り方/ちりめんつまみ細工とは/ちりめんつまみ細工の特徴など |
つまみ細工の基礎知識と基本の作り方を学べる資格で、道具・材料・作り方のコツまで幅広い内容が得られます。
学科試験のみのため、つまみ細工資格の中では難易度が低めといえるでしょう。
こちらの資格は在宅受験可能で、資格試験を受ける日にちもある程度調節できます。
そのため、資格試験にプレッシャーを感じる方やスケジュール調整が難しい方でも、気軽に受験できます。
認定協会 | つまみ細工普及協会 |
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受講資格 | ・初級講座:特になし ・中級講座:初級講座を受講 ・応用講座:中級講座を受講 ・講師養成講座:応用講座までの各講座を受講 |
受講料 | ・初級講座:2万7,500円 (税込・テキスト・認定料・材料費込) ・中級講座2万9,700円 (税込・テキスト・認定料・材料費込) ・応用講座:3万9,600円 (税込・テキスト・認定料・材料費込) ・講師養成講座:5,500円(税込・認定料込) ・追加受講:各3,000円 |
受講申請 | 協会ホームページより申し込み |
受講方法 | 通学講座または通信講座 |
資格取得方法 | 認定講座を修了 |
受講日程 | それぞれの講座により異なる |
講座概要 | 非公開 |
つまみ細工作家や講師になるための実力を高められる資格です。
協会指定の認定教室で行われる通学講座か、スカイプ・郵送またはメールを利用した通信講座のふたとおりから選べます。
課題をこなし、すべての講座を修了すれば資格を取得できます。
自分の学びやすいスタイルで勉強できますし、課題提出だけで資格を取得できるため試験を受ける必要がありません。
実際に作品を作る必要はありますが、難易度は低めといえるでしょう。
認定協会 | 一般社団法人 つまみ細工協会 |
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受験資格 | 協会が指定する講座に参加後、協会に講師として登録 |
受験料 | ・講師アシスタント参加料(5回分):2,200円×5回分・1万1,000円(税込) ・講師として指導:無料 ・最終チェック:1万1,000円(税込) ・バックアップ講座:1万1,000円(税込) ※この講座を受けるまでに複数の講座を受講する必要があり、それぞれ料金がかかる点に注意 |
受験申請 | 認定協会のホームページより申し込み |
受験方法 | 講師認定講座を受講 |
合格基準 | 講師認定講座にて最終チェックを受ける |
受験日程 | 認定協会へ問い合わせ |
資格試験概要 | つまみ細工講師としての教え方/教室運営に必要な知識など |
つまみ細工講師として活躍できる実力を証明する資格です。
取得すれば、講師依頼を受けられる・協会と提携店で材料を特別価格で購入できるなどの特典が受けられます。
資格取得には複数の講座に参加し、最終的に認定教室で講師としての実力を認めてもらわなくてはなりません。
自分のつまみ細工作りの実力を試されつつ講師としての資格を目指すシステムとなるため、ほかの資格よりも難易度は高めであるといえます。
認定協会 | 日本ヴォーグ社 |
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受験資格 | 協会が指定する通信講座を受講 |
受験料 | ・一括払い:4万2,777円(税込) ・分割払い(12回払い例):月々3,769円(税込) ・合計4万5,223円(税込) |
受験申請 | 指定の通信講座に申し込み |
受験方法 | 通信講座内での課題提出 |
合格基準 | すべての課題で合格すること |
受験日程 | 通信講座のスケジュールによる |
資格試験概要 | 3種のヘアゴム(剣つまみ・丸つまみ・蝶)/3種の花のUピン/水仙のコーム/牡丹のさがりつきコサージュ/バラのヘアピン(玉バラ・角バラ)/袋つまみのブローチ/8輪のナチュラルコサージュ/タッセルつきの玉かんざし |
手芸教室や通信講座を多数提供する「ヴォーグ社」のつまみ細工資格と通信講座です。
通信講座ですべての課題に合格すると、修了証を発行してもらえます。
取得すれば、伝統的なつまみ細工に現代的なテイストをプラスした作品が作れるようになります。
作った作品を普段使いしたい方や、作家活動を目指している方に向いている資格といえるでしょう。
難易度もそれほど高くはないため、つまみ細工の基礎を学びたい方にもおすすめです。
つまみ細工資格単体でも十分作品作りに役立つ技術を学べますが、ほかの資格と組み合わせて活用すれば、作品の幅を広げられます。
つまみ細工作りに役立つ知識や技術が手に入る資格をご紹介します。
「ビーズアクセサリーデザイナー」は、ビーズや天然石に関する知識やビーズテクニックを学べる資格です。
取得すれば、つまみ細工作りにビーズアクセサリーの知識や技術を活かせるでしょう。
小さな布でかわいらしいデザインを作るつまみ細工と、きれいなビーズを使うビーズアクセサリーを組み合わせれば、ほかにはない華やかな作品が作れるでしょう。
華やかな作品を作りたい方やほかの作品と差をつけたい方に、おすすめの資格です。
ハンドメイドアクセサリーの作り方を学べる資格です。
つまみ細工資格とともに取得すれば、つまみ細工でさまざまなハンドメイドアクセサリーを作り出せます。
さまざまな作品を製造・販売できるようになるため、作家活動に役立てられます。
作品のバリエーションを増やせれば、売り上げアップも期待できるでしょう。
また、講師活動に役立てることもできます。
生徒の要望や作りたい作品に合わせて、つまみ細工だけでなくつまみ細工を用いたアクセサリー作りも教えられます。
作家活動や講師活動に幅を持たせたいなら、ぜひ取得してほしい資格です。
つまみ細工資格取得を目指すには、3つの勉強方法が活用できます。
それぞれの特徴や注意点を解説しますので、試験対策の参考にしてください。
つまみ細工資格の中には、受験資格が設けられていないものがあります。
受験資格がないタイプの試験は難易度が低いものが多いため、しっかり勉強すれば独学でも合格できるでしょう。
独学はテキストやつまみ細工の道具などを購入すればすぐに取りかかれます。
ほかの方法よりも、リーズナブルに試験対策を行うことが可能です。
しかし試験までに学習を計画的に進める必要があり、ダラダラ勉強していると対策不十分な状態で試験日を迎える可能性も。
また、試験の申し込みなどの手続きもすべて自分で行わなくてはなりません。
費用面ではお得に試験対策ができる独学ですが、学習計画や手続きの手間などが発生します。
計画的に勉強を進めるのが難しい場合は、次の方法を利用しましょう。
つまみ細工資格の中には、協会が指定する教室や通信講座を受講しなくてはならないものがあります。
受験条件に特定の講座受講が含まれている資格は、通学・通信講座が勉強の軸になります。
通学・通信講座では試験までの流れがカリキュラムで決められており、カリキュラムに従えば試験に必要な内容をバランスよく勉強できるでしょう。
また、添削を通して試験内容の覚え間違いを指摘してもらえる、作品のクオリティを高めるテクニックを教えてもらえるなどのメリットもあります。
うまく活用すれば効率的に試験対策ができるでしょう。
ちなみに、受験資格に講座の受講が含まれていない資格でも、通信講座などを利用できるものがあります。
独学が難しい方は、受験する資格の通信講座がないか調べてみるとよいでしょう。
つまみ細工をはじめとした手芸は、実際に作品を作らないと技術が身につきません。
試験準備の一環として、テキストの作り方に沿って作品を作ってみるのもよい勉強になります。
特につまみ細工資格の中でも実技試験があるものに合格するには、ある程度クオリティの高い作品を作れなくてはなりません。
作品作りの腕を上げるためにも、テキストを読み込むだけでなく作品作りにもチャレンジしましょう。
つまみ細工作家として活躍するには、多くのお客様に自分の作品を購入してもらう必要があります。
お客様に購入してもらえる作品に必要なのは、商品として成立するクオリティとお客様が購入したいと思えるデザインです。
このふたつを満たすには、高い技術とセンスが必要になります。
資格がなくても高い技術とセンスのある作品を作れれば、お客様は購入してくれます。
資格は技術を学び実力を証明するためのものであり、作家活動に必須であるわけではありません。
しかしつまみ細工資格取得を目指して学習することには、つまみ細工の作り方を体系的に学べる・自分の知らないテクニックを身につけられるなど、さまざまな効果があります。
いずれもつまみ細工製作技術を高めるのに役立つ効果ばかりです。
つまみ細工資格取得は、作家活動上必ず必要とされるわけではありませんが、作家としての実力を高め、証明するのに有効です。
つまみ細工作家としての実力を向上させたいなら、資格試験に挑戦するとよいでしょう。
つまみ細工資格を取得すると、よりクオリティの高いつまみ細工が作れるようになるでしょう。
資格によっては、作品を作る力だけでなく作り方を教える講師としての力も身につけられるものがあります。
趣味からプロ活動まで、幅広い活動に役立つ資格です。
つまみ細工資格は、資格ごとに身につけられる力が違います。
取得する資格を選ぶときは、それぞれ取得したらどんな力が身につくのかをチェックしながら選びましょう。
つまみ細工資格を取得すれば、日本の伝統的なデザインを普段の生活に取り入れられます。
懐かしさと新しさを同時に味わえる、新鮮な毎日を送れるようになるでしょう。
興味を持たれた方は、ぜひつまみ細工資格に挑戦してみてください。