閉じる
羊毛フェルトアドバイザー資格

羊毛フェルトで虫食いセーターは簡単に直せる!やり方や道具、注意点を解説

大切にしているセーターに虫食い穴を見つけたとき、「もうダメかも…」とがっかりした経験はありませんか?実は、羊毛フェルトを使えば、特別な技術がなくても自宅で簡単に直すことができます。穴の大きさや場所を問わず、手軽に修理できる方法をご紹介します。本記事では、道具の選び方から実際の修理手順、その後のお手入れまで、詳しく解説していきます。
羊毛フェルトで虫食いセーターは簡単に直せる!やり方や道具、注意点を解説

目次
羊毛フェルトアドバイザー資格認定試験はこちら
https://www.nihonsupport.org/syugeishikaku/youmoufelt/

羊毛フェルトって何?どうしてセーターが直せるの?

羊毛フェルトについて聞いたことがない方も多いかもしれません。しかし、実際にはとても便利で使いやすい素材です。セーターの修理に最適な理由と、その特徴について詳しく見ていきましょう。

1-1羊毛フェルトの特徴を知ろう

羊毛フェルトは、羊の毛を特殊な方法で加工した素材です。自然な風合いと柔らかさを持ち、セーターの生地とよく馴染みます。色展開も豊富で、お手持ちのセーターにぴったりの色を見つけることができます。また、適度な弾力性があるため、着用時の動きにもしっかりと対応できます。

1-2なぜセーターが直せるの?

羊毛フェルトには、針で刺すことで繊維同士が絡み合って固まるという特別な性質があります。この性質を利用することで、セーターの穴を自然な形で埋めることができるのです。
専用の針(フェルティングニードル)で刺していくと、羊毛フェルトの繊維がセーターの生地としっかりと結合します。一度くっついた羊毛フェルトは、通常の着用や洗濯でも簡単には剥がれません。

必要な道具を集めよう

修理を始める前に、必要な道具をしっかり揃えましょう。道具は全て手芸店やホームセンターで購入できます。使い方に慣れていない道具もありますが、それぞれの役割を理解すれば、安全に作業を進められます。ここからは、必要な道具とその選び方について詳しく説明していきます。

2-1基本の道具セット

セーターの修理に必要な道具は、それほど多くはありません。まず、作業に取り掛かる前に、以下の道具を用意しましょう。これらの道具がそろっていれば、基本的な修理は全て行うことができます。
・羊毛フェルト(セーターの色に合わせたもの)
・フェルティングニードル(2〜3本)
・フェルティングマット
・はさみ
・糸と針
・接着剤(あれば便利)
・ものさし
・筆記用具
これらの道具は、一度購入すれば繰り返し使うことができます。特に羊毛フェルトは少量で複数回の修理が可能なので、コスパの良い投資になります。道具を選ぶ際は、使いやすさと耐久性を重視すると良いでしょう。

道具を選ぶときのポイント

道具選びは修理の仕上がりを大きく左右します。特に初めて修理に挑戦する方は、道具選びからしっかりと準備していきましょう。適切な道具があれば、作業がグッと楽になります。

3-1フェルトの色選び

フェルトの色選びは最も重要なポイントです。セーターの色と完璧に合わせるために、必ず明るい場所で色を確認しましょう。
できれば自然光の下で選ぶのがベストです。蛍光灯の下では色の見え方が変わることがあるので注意が必要です。色味が完全に一致しなくても、セーターの色より少し明るめか暗めの色を選ぶと、自然な仕上がりになります。

3-2ニードルの種類と選び方

フェルティングニードルは、初心者の方は太めの針から始めることをおすすめします。太い針は扱いやすく、作業も早く進みます。
慣れてきたら、細めの針も用意して併用すると、より繊細な作業が可能になります。ニードルは予備を含めて2〜3本用意しておくと安心です。作業中に針が曲がったり折れたりすることもあるからです。

3-3フェルティングマットを選ぶポイント

フェルティングマットは、針を刺す時の台になる重要な道具です。厚みのあるスポンジ状のものを選びましょう。マットが薄すぎると針が突き抜けてしまい、作業台を傷つける可能性があります。
また、自分の手を守る意味でも、しっかりとした厚みのあるマットを使うことが大切です。マットの大きさは、作業するセーターの大きさに合わせて選びましょう。

3-4補助道具の準備

基本の道具以外にも、はさみや糸、メジャーなどの補助道具があると便利です。特に、先の細いはさみは、フェルトを細かく調整する時に重宝します。補強用の糸は、セーターの色に合わせたものを用意しましょう。また、作業中の手元を明るくする小型ライトがあると、より細かい作業がしやすくなります。

修理の準備をしよう

実際の修理作業に入る前に、しっかりとした準備が必要です。ここでは、セーターの下処理から作業場所の準備まで、スムーズに修理を進めるために必要な準備について説明していきます。

4-1セーターの下準備

修理の成功は、セーターの状態をきれいに整えることから始まります。まず、セーター全体の状態を確認し、必要であれば軽い手洗いを行います。洗濯の際は以下の点に注意を払いましょう。
・ぬるま湯を使用する
・中性洗剤を使う
・優しくもみ洗いする
・しっかりすすぐ
・形を整えて陰干し
・完全に乾かす
洗濯後は、セーターが完全に乾くまで待ちます。湿った状態での修理は避けましょう。乾いたら、修理箇所周辺の毛玉や汚れを丁寧に取り除きます。この下準備をしっかり行うことで、修理がより確実になります。

4-2作業場所の準備

快適に作業を進めるためには、適切な作業環境を整えることが大切です。十分な明るさのある場所を選び、作業台の上は整理整頓しましょう。
明るい窓際のテーブルや、デスクライトのある作業台がおすすめです。手元がしっかり見えることで、より丁寧な修理が可能になります。また、作業中に使う道具は手の届きやすい位置に置き、すぐに使えるように準備しておきましょう。作業台の周りには余計なものを置かず、集中できる環境を整えることも大切なポイントです。

いよいよ修理開始!

ここからは、実際の修理手順を詳しく説明していきます。初めは少しゆっくりでも構いません。一つひとつの工程を丁寧に行うことで、きれいな仕上がりを目指しましょう。失敗を恐れる必要はありません。もし途中で失敗しても、やり直すことができます。

5-1Step1:穴の確認と清掃

まず、修理する穴の状態をしっかりと確認します。穴の大きさや形、周辺の生地の状態などをよく観察しましょう。このとき、以下のポイントに注意して確認します。
・穴の大きさを測る
・周辺のほつれがないか確認
・生地の厚みを確認
・穴の形状を観察
・周囲の汚れをチェック
穴の周りに汚れやほこりがある場合は、柔らかいブラシや布で優しく取り除きます。この時、穴が大きくならないように注意しながら作業を進めましょう。穴の周りの状態をきれいにすることで、修理がより確実になります。

5-2Step2:フェルトの準備

羊毛フェルトを使う準備をします。まずは修理する穴の大きさに合わせて、適量のフェルトを取り出します。このとき、穴よりもやや大きめの量を用意するのがコツです。
フェルトは固めると少し縮むため、最初から余裕を持って準備しておくことが大切です。フェルトは指でゆっくりとほぐし、薄く広げていきます。固まりができないように、丁寧にほぐすことを心がけましょう。

5-3Step3:フェルトを固定しよう

いよいよフェルトを穴に固定していきます。この作業が修理の核心部分になります。まず、フェルティングマットをセーターの穴の下に敷きます。次に、準備したフェルトを穴の上に優しく置きます。このとき、フェルトが穴全体を覆い、さらに周囲にも少しはみ出るように配置します。
フェルティングニードルを使って、フェルトを固定していきます。針は常に垂直に立てて使うことが重要です。力加減は、最初は優しめにして、徐々に強さを調整していきましょう。一度に強く刺すのではなく、少しずつ全体を満遍なく刺していくのがコツです。穴の中心から外側に向かって、螺旋を描くように作業を進めると、きれいに仕上がります。

5-4Step4:丁寧に仕上げよう

フェルトが固定できたら、いよいよ仕上げの作業に入ります。この工程で修理の出来栄えが大きく変わってきます。まずは全体的な仕上がりを確認しましょう。フェルトがしっかりと固定されているか、表面に凸凹がないかなどをチェックします。特に気を付けたいのは、周囲の生地との境目です。ここが目立たないように、フェルティングニードルで丁寧に馴染ませていきます。
仕上げの段階でよく使う道具と方法を見ていきましょう。
・細めのフェルティングニードル
・縫い針と糸
・小さなはさみ
・ブラシ
・アイロン(必要な場合)
補強が必要な場合は、セーターと同じ色の糸で周囲を数針縫いとめます。これにより、より丈夫な仕上がりになります。最後に、柔らかいブラシで表面を優しくブラッシングすることで、周囲の生地と質感を揃えることができます。

失敗しないためのポイント

修理作業では、いくつかの注意点を押さえておくことで、失敗を防ぐことができます。特に初めて挑戦する方は、以下のポイントをしっかり確認してから作業を始めましょう。

6-1よくある失敗と対処法

修理作業中に起こりやすい失敗には、主に次のようなものがあります。でも、どれも適切な対処法があるので心配いりません。フェルトの色が合わない場合は、複数の色を少しずつ混ぜ合わせることで、より近い色を作ることができます。また、穴が大きすぎる場合は、フェルトを何層かに分けて重ねていくことで対応できます。
もし作業中にフェルトがうまく固定できない場合は、一度作業を止めて、フェルトの量や針を刺す強さを見直してみましょう。焦って作業を進めるより、ゆっくりと丁寧に行うことで、きれいな仕上がりが期待できます。

6-2気をつけたいこと

安全で効果的な作業のために、特に注意が必要なポイントをお伝えします。まず最も重要なのは、フェルティングニードルの取り扱いです。この針は非常に鋭いため、指を刺さないように十分注意が必要です。作業中は常に針を垂直に保ち、決して斜めに刺したり、強く曲げたりしないようにしましょう。
フェルトの量の調整も重要です。最初は多めに用意して、徐々に調整していく方が安全です。少なすぎると穴が埋まりきらず、多すぎると盛り上がって目立ってしまいます。また、力加減も大切で、強すぎると生地を傷めてしまう可能性があります。

もっとステップアップ!応用テクニック

基本的な修理方法をマスターしたら、より難しい修理にも挑戦してみましょう。大きな穴や複雑な形状の穴なども、コツを押さえれば素敵に修復することができます。また、修理をデザインのアクセントとして活かす方法もあります。

7-1大きな穴の修理方法

大きな穴を修理する場合は、一度に全体を埋めようとせず、段階的に作業を進めることが重要です。まず、穴の周囲からフェルトを少しずつ固定していきます。最初は薄く広げたフェルトを使って、穴の形を整えていきましょう。一度に厚いフェルトを使うと、盛り上がりすぎて不自然な仕上がりになってしまいます。
層を重ねるように少しずつフェルトを追加していくと、自然な厚みが出せます。このとき、各層をしっかりと固定することを忘れないでください。大きな穴の場合は、裏側から補強用のフェルトを当てると、より丈夫な仕上がりになります。最後に、表面を整えて周囲の生地と馴染ませれば完成です。

7-2デザイン的な直し方

穴を目立たなくするだけでなく、むしろデザインの一部として活かす方法もあります。例えば、花や星などの形を作って、ワンポイントの装飾にする方法があります。この場合、セーターの色と異なる色のフェルトを使うことで、意図的なデザインとして見せることができます。
デザイン的な修理をする場合は、セーター全体のバランスを考えることが大切です。一箇所だけ目立ちすぎないよう、必要に応じて他の場所にも小さな装飾を加えると、全体的なバランスが取れます。また、セーターの雰囲気に合わせたデザインを選ぶことで、より自然な仕上がりになります。

修理後のお手入れ

せっかく修理したセーターを長く着続けるためには、適切なお手入れが欠かせません。修理箇所を傷めないように気を付けながら、定期的なケアを行いましょう。正しい方法で洗濯や保管をすることで、修理箇所も含めてセーター全体を美しく保つことができます。

8-1洗濯方法

修理したセーターの洗濯は、特に注意が必要です。基本的には手洗いをおすすめします。洗濯機を使用する場合は、必ずネットに入れ、弱水流で洗いましょう。洗剤は、セーターの素材に合った中性洗剤を使用します。特に気を付けたい洗濯のポイントをお伝えします。
・ぬるま湯を使用する
・優しくもみ洗いする
・強くこすらない
・すすぎはしっかりと
・脱水は軽く
・形を整えて干す
乾燥は、直射日光を避け、風通しの良い日陰で行います。横置きで干すことで、形崩れを防ぐことができます。アイロンをかける場合は、修理箇所を避けるか、当て布を使用しましょう。

8-2保管方法

セーターを長持ちさせるためには、正しい保管方法がとても重要です。特に、虫食いの再発を防ぐための対策は欠かせません。まず、保管する前にセーターが完全に乾いていることを確認しましょう。湿った状態で収納すると、カビの発生や虫の繁殖の原因になってしまいます。
衣替えの時期には、防虫剤をうまく活用します。天然の防虫効果がある森林の香り(ヒノキやシダーウッドなど)を使うのもおすすめです。これらは化学物質が苦手な方にも安心して使えます。また、定期的に収納場所の換気を行うことで、湿気がこもるのを防ぎます。
セーターは折りたたんで保管するのが基本です。ハンガーにかけると、肩の部分が伸びてしまう可能性があります。特に修理した部分に負担がかからないよう、優しく折りたたみましょう。防虫効果のある不織布の収納袋を使うと、より安心です。

こんなときはどうする?

セーターの修理や手入れをしていると、さまざまな疑問が出てくるものです。ここでは、よくある質問とその解決方法をご紹介します。困ったときの参考にしてください。

9-1修理したフェルトが取れてきた

修理したフェルトが取れかけてきた場合は、すぐに補修することをおすすめします。放っておくと、穴が大きくなってしまう可能性があります。フェルティングニードルで再度固定し、必要に応じて糸で補強すれば、また綺麗に直ります。

9-2洗濯後にセーターが少し縮んだ

洗濯後にセーターが少し縮んでしまった場合は、まだ湿っているうちに優しく引き伸ばすことで、ある程度は形を戻すことができます。ただし、強く引っ張りすぎると、修理箇所に負担がかかってしまうので注意が必要です。

9-3専門家に修理を依頼したほうがいい場合

専門家に修理を依頼した方が良い場合もあります。例えば、高価な素材のセーターや、デザイン性の高いブランド物の場合は、専門家の技術を借りるのが賢明かもしれません。また、非常に大きな損傷や、複数箇所の修理が必要な場合も、プロのアドバイスを受けることをおすすめします。

セーターを長持ちさせるコツ

お気に入りのセーターを長く愛用するためには、日々のケアが大切です。小さな気配りの積み重ねが、セーターの寿命を大きく左右します。ここでは、毎日のお手入れから季節ごとのケアまで、具体的な方法をご紹介します。

10-1日常のケア

着用後のちょっとした手入れで、セーターは見違えるほど長持ちします。まず、着用後は軽くブラッシングをして、付着した埃や毛玉を取り除きます。このとき、修理箇所は特に優しくブラッシングしましょう。汗をかいた場合は、すぐに洗濯せずに、風通しの良い場所で陰干しして汗を飛ばします。

10-2季節の変わり目のケア

季節が変わるタイミングでは、セーターの状態をしっかりとチェックする必要があります。特に、収納する前の点検は重要です。衣替えの時期には、セーター全体を見直し、小さな傷みも見逃さないようにしましょう。早めに発見できれば、修理も簡単で済みます。

10-3収納前のチェックポイント

収納前のチェックでは、特に以下の点に気を付けます。
・穴や引っ掛かりがないか
・玉はできていないか
・生地が薄くなっている部分はないか
などを確認します。もし何か気になる箇所があれば、収納する前に必ず手当てをしましょう。また、防虫対策として、防虫剤や天然の防虫効果のある素材を使います。クローゼットや収納ボックスの中も、事前に掃除をしておくことが大切です。
冬物を収納する春先は、特に注意が必要な時期です。一冬着用したセーターは、繊維が疲れている状態です。丁寧に洗濯をして、完全に乾かしてから収納します。夏の間の保管場所は、湿気の少ない場所を選びましょう。定期的に収納場所の換気を行い、カビの発生を防ぎます。

まとめ

虫食いのあるセーターを見つけたとき、「もう着られない」とすぐに諦めてしまいがちですが、羊毛フェルトを使えば、ご自宅でも簡単に修理ができます。必要な道具はそれほど多くなく、手順も単純です。
まずは、手持ちのセーターをチェックして、気になる箇所があれば、早めのケアを心がけましょう。予防的なケアと、適切な収納方法を実践することで、お気に入りのセーターを長く愛用することができます。大切な衣類を長持ちさせることは、環境にも優しい選択です。ぜひ、本記事を参考に、セーターのお手入れを始めてみてください。

関連コラム

RELATED COLUMN

関連する資格

RELATED